シロは、ある病院で実験犬として脊髄を削られ、手当てもされず死を待つばかりでした。その後運よく救出され、テレビや新聞に大きく取り上げられました。日本中からシロへの励ましと、病院への抗議が殺到しました。これらの人々の力で「実験犬」に関するきまりなどが少しではありますが整備されつつあります。
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娘がこの本を選んだとき、正直にいうと少し嫌な気分でした。「実験犬」だけでなく私たち人間は多くの生き物を犠牲にして生きているのだから、そのことを突き詰めると生きていけなくなってしまう。いわば必要悪なのかも知れないと思っていたからです。そして、そのことを小学3年生にどう説明すればいいのか・・・。ただ「かわいそう」だけではすまないことが世の中にはあるのだと娘に言うのは辛いと思いました。
けれど、この本は「ただかわいそう」という本ではありませんでした。私たちにできること=「責任を持って生き物を飼うこと」から始まって、実験犬に反対する人々が立ち上がり、やがて地方都市を動かし条文を制定することができたと書いてあります。
シロたち実験犬の実態を知ることができるだけでなく、納得いかない出来事に人はどう立ち向かっていけばいいのかも学ぶことができるいい本です。
- 実験犬シロのねがい―捨てないで!傷つけないで!殺さないで! (ドキュメンタル童話シリーズ犬編)/井上 夕香
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