今回はライブレポです。(※アーティストの意向等により写真はありません)
11/12@両国SUNRIZE
【日本暗闇音楽協会】が開催されました。
インストバンド"裸体のシルエット"が主軸となり、
漆黒の5組が集結。通称"ニチクラ"が発足しました。
https://www.instagram.com/dark_rock_japan/
(謎のインスタアカウントが気になります…)
なんと、日本暗闇音楽協会のグッズ(Tシャツ、ステッカー)持参で
チケットが400円になるとのことで、Tシャツ持参の僕は破格の値段で入場しました。
入場すると、辺り一面にニチクラのフライヤーが貼っていて、かなり不気味でした。
それもまたイベントの雰囲気を作っていましたね。
そして開演。
①Bob Paulsen
https://twitter.com/bob_paulsen1340
まず、音がデカイ。(笑)
幕開けに相応しい、アッパーな曲からスタート。
暴れ狂う両サイドのギターとベース。
フロアで一対一のケンカをするように感情的なシャウトを吐き出すボーカル。
ハードコアな音像の中にも、アカデミックで構築されたような
ギターワークが光っていました。
最後に演奏したメロウな曲、美メロでリリカルな詩が刺さりました。
彼らから、新たなシーンが始まる予感がしました。売れそう。
②kokeshi
https://twitter.com/kokeshi_jpn
また音がデカイ。(笑)
こちらも一聴するとハードコアに感じますが、サウンドもボーカルもメタリック。
前のバンドがヒップホップ的ハーコーなら、こちらはミクスチャー。
紅一点Voマリノさんのグラインドコアな歌声に圧倒されました。
小柄で華奢なルックスのどこからあの声が出てるんだろう…。
個人的にenvyっぽい静と動のギタープレイが◎でした。
早くオフィシャルな単独音源が待たれます。
③borderline case
https://twitter.com/BLC_official
音が(以下略)。
耽美的ゴシック要素を併せ持つ、ポストロックの異端児。
この日、Gtの荒井さん、Drの花連さんが脱退する事が決まっていました。
何度も観ていますが、いつも通りの素晴らしいライブでした。
最後の曲の前にVo/GtのNINOさんがMCで、
「お疲れさま。」と脱退するメンバーをねぎらっていてエモかった。
ぐちゃぐちゃな感情を表現するかの様に全部出し切っていました。
人間臭さが見えたのは、いつもと違う点でしたね。
アウトロで荒井さんがエフェクターをジャンプして押す姿に泣いた。
④LANPAZIE
音、(以下略)。
前の3組とは雰囲気が違い、漢臭いロックンロールがフロアに響きました。
煽りもコール&レスポンスもMCも無いシンプルなライブ。
彼等からは、「俺らは自由にやるから、お前らも自由に楽しめ」
というメッセージを感じました。
一言だけ、Vo/Baの柴田兄が言った、「ニチクラヤバいね、最高。」も
ひたすらカッコ良かった。
前身バンド時代のレア曲「LOSER」も聴けて大満足。
周りのお客さんも踊り狂ってました。目が回ってへロヘロになった。
⑤裸体のシルエット
そしてトリ。ニチクラ発足の首謀者。
インストの常識を覆すインストバンド。音が爆音小僧。
演奏前に、Gtの毅さんが業務連絡的なMCをしていました。地味に好き。
照明はほぼ赤。スピーカーからの爆音も相まって阿鼻叫喚の地獄絵図みたい。
でも、不思議と気持ち良かったです。
爆音ってあるレベルを超えると快感に変わるみたいです。
プログレッシブで変拍子の曲に絡まるツーバスも気持ち良かった。
彼等の楽曲はイメージ的に"輪廻転生"っぽい世界観を感じました。
最後の曲で、毅さんがアンプをフルテン(!)にしてました。これも意外と気持ち良い。
感想が音に先行しがちですが、曲も◎です。
ポイントで印象的なメインメロディがあるし、
メカニカルなタッピングもロックファンのツボを押さえています。
アンコールも無し、彼等らしい美学を感じるライブでした。
今後は2度目のUSツアーが始まるらしく、
帰国後の12/27には吉祥寺WARPでフロアライブ(ワンマン!)があるそうです。
【日本暗闇音楽協会】、次回の開催も非常に楽しみですね。
フェスも楽しいけど、やっぱりライブハウスの距離感は好きです。
続いて、11/13~15@大塚MEETS
【印藤勢の新奇録2】が開催されました。
https://storywriter.tokyo/2018/10/12/0748/
(イベントの概要についてはこちら)
伝説的バンド、マシリトの中心人物であり、フリーの音楽エージェント、
日本暗闇音楽協会の理事長(!)でもある、印藤氏の独立3年目を記念したイベント。
ゆかりのあるミュージシャン達が集結しました。
(僕はsunnysiderで出演)
day1。
①吉田圭吾(zan80z)
メロディックパンクバンド、zan80zのフロントマン。
アコギ1本、弾き語りで登場。
2曲目に「LIFE」という曲を演奏していたんですけど、
もう、フロアがぶち上がり。周りめっちゃ叫んでた。
続いてMCで、メンバーの曲をボツにしたエピソードの後に
そのボツ曲を演奏してました。(笑)
メンバー愛溢れてた。バンドでも聴いてみたいと思いました。
②裸体のシルエット
この日出演予定だった「或ル日」に代わって出演。
前日から続けて観れるとは…
セットリストは初期楽曲中心だったそうで。
前日のドゥームな雰囲気とは違いサイケでダンサブルな印象。
個人的にはピンクフロイドに通ずる部分を感じて好きでした。
楽曲の幅が広く、ワンマンを観るのも楽しそうだなと思いました。
③中央線人間交差点(手島将彦×印藤勢)
https://twitter.com/masa_hiko_t/status/1063738745957113861
音楽学校講師・産業カウンセラーの手島氏と印藤氏のトークライブ。
web媒体では見れない、ライブハウスのアレコレや、
ここ20年の音楽業界のお話が沢山聞けました。
「ここだけの話」の旨でしたのであまり書けないです。
(上記のURLから少し内容が読めます)
④NEW CITY DIVERS
https://twitter.com/newcitydivers
最近結成されたバンドだそうで。
爽やかな歌声と、90'sアルペジオ押しエモ系の楽曲が新鮮でした。
毎回例えになってしまいますが、海外のBRAIDっぽさもあり。
2本のギターの絡みがピアノの旋律みたいで美しかったです。
特筆すべきはリズムだったりして、ドラムは「え?そこ行くの」みたいなフレーズの応酬。
言葉じゃ伝わりづらいですね。こちらも音源が待たれます。
⑤sunnysider
https://twitter.com/sunnysider_
誠に僭越ながらトリを務めさせて頂きました。
僕はギターを弾かないで踊っていました。
本当にありがとうございました。
day2。
①tetote
day2トップバッターは、男女二人組ユニット(ご夫婦!)
幻想的な雰囲気が心地良かったです。
エレキのガットギターやドラムパッド、キーボードを交えたエレクトロな雰囲気。
音の感触はエドシーランmeetsジェイムスブレイクといったところでしょうか。
Vo/Keyしばちゃんの歌は力強く、包み込むような歌声でうっとりしました。
ポエトリーな要素も今っぽくて好きです。
②アライヨウコ
続いて、アコギ弾き語りのアライさん。
一聴してやさしいフォーク調なんですけど、技が光ると言いますか。
何で知らなかったんだろうと思う位良かったです。
個人的な好きな小谷美紗子さんに通ずる部分があって。
フラットな気持ちで聴けるんだけど、歌詞エグい、みたいな。
声も癖があるようでスッと入ってきて沁みました。
温故知新ってこういう事を言うんだな、としみじみ感じました。
③sound of nothing(yu watanabe)
http://soundofnothing.wixsite.com/sound-of-nothing
余韻を掻き消すほどのサウンドスケープでした。
ラップトップを中心に固められた機材に機材。
アンビエントやドローンとは形容できないノイズの嵐。
五感に響く定位感と重低音。
狂おしいほど美しいピアノの1音1音。
3時間の良作映画を観終えたような読後感でした。
URLから音源に飛べるので是非。
④たたらの目
https://twitter.com/tataranome
こちらもガラッと雰囲気が一転、この日初のバンド編成。
歪みまくったギターに、縦横無尽なベース。
そして勢いがありつつ正確無比なドラム。
不協和音の概念が無いのかって位、奇天烈な音階を駆使してて新鮮でした。
最後まで観て感じたのは、歌詞が文学的であることで。
歌も聴き取り易くて、意外にもメロディと歌詞を大事にしてるバンドだと思いました。
ちなみに周りは「妖怪ロック」と言っていました(笑)。
⑤松波哲也
https://twitter.com/matsunami429
福井を代表するシンガーソングライター。
僕はCDもライブもよく観ています。
松波さんはどのライブに行ってもクオリティが高くて。
音響的な意味でもセットリスト的な意味でも。
勿論、曲もツボを抑えていて。「ここでこの音が来て欲しいな」っていう所が
ドンピシャで来るんです。ウットリしちゃいます。
お話をさせて頂いた時も、歌謡曲が好きと仰ってましたので、
僕みたいな歌謡曲脳でも分かる、非常に共感性が高い楽曲に
惹かれているんだと確信しました。人生観を考えさせられる歌詞も最高です。
⑥noffoff
https://twitter.com/noffoffoff
この日のトリは5人組バンドのnoffoff。
こちらも女性ボーカルさんでした。
若干へヴィな空気がチルな空気になりましたね。
よく練られた出演順に感じました。さすが印藤氏。
邦楽で言えばCzecho No Republic、洋楽で言えばWashed Outのような雰囲気。
20後半、30前半の世代にはグッとくるサウンドだったと思います。
フロアもハートフルな感じになっていて。大円団と言いますか、
映画のエンドロールを見ているかのようでした。
day3。
①CENTRAL DOGMA
https://twitter.com/_CENTRAL_DOGMA
まだ10代(!)
ピチピチの若さ溢れる4人組バンド。
音は既に洗練されていて、楽器隊の絡みに耳が行きました。
エモーショナルな歌もカッコ良くて、必死に投げかける姿に心打たれました。
ハイライトはギタートラブル。
代わりに使ったREPEATER橋本氏のギターの音も最高だった。
それ以降ステージとフロアの温度感もホクホクになっていました。
トラブルもライブの醍醐味ですね。
②alt of the society
https://twitter.com/SO_SA_E_TE_I
リアルオブリアル。
叙情的ハードコアかと思いきや、僕はヒップホップを感じました。
自身の内情を曝け出すかのような歌詞。
鉄壁の演奏力に、確かなスキル。
Vo/Baのトシキさんは時折ラッパーにも見えました。
フロアは皆見入っていました。いや、魅入ってたの方が近いです。
メロディからシャウトに切り替わる瞬間は、
本能と理性が混じった、さながら狂気を感じるライブでした。
③羅 悠靖(Curve)
https://twitter.com/curve_yusei
ジャンルで形容するのは不要。
歌とギターだけの空間は茜色に染まっていて。
少年の様な声とリバーブに包まれて、
夕暮れ時の帰路につくような、そんな気持ちになりました。
悠靖さんの声は、「救われる声」だと思います。
聴き手を掴んで離さないんです。
英語で歌われていたのですが、単語の節々からは過去も現在も肯定する為に
歌っているような、そんな印象を受けました。
④the8flag
子供のように真っ直ぐな歌。
Vo/Gtの仁志さんの人間力が凄まじい。
それだけでオーディエンスを掌握できる力がある。
自らの半生を綴ったと思われる歌詞が刺さりました。
「極私的ソング」という曲がまだ頭をグルグルしています。
ギターソロ時、Gtの富山さんが思いっきり上体を反らして弾いている姿が
印象的でした。必見。"ライブバンド"という言葉が相応しいバンドだった。
⑤REPEATER
https://twitter.com/band_repeater
大トリは4人組バンドのREPEATER。
印藤氏のリクエストもあり、6月にリリースされたEPの曲を
収録順に演奏されてました。音源をよく聴いていたのでグッと来ましたね。
ライブで聴くとまた違った聴こえ方があります。
本編最後の曲を聴いている最中、
「もうお祭りが終わってしまうんだな」と、感慨深くなりました。
でも日常があるからこそ、こんな非日常の空間を強く感じることができるし、
また明日から頑張ろうという気持ちになれるのかな、とも思いました。
平日に開催されたのも、そんな意味合いがあったのかもしれません。
アンコールは新曲で締め括られました。
まだ聴きたかったし、ライブハウスに居たかったです。
そんな濃密な4日間も終わり。まだ余韻と耳鳴りが残っています。
お客さん、演者さん、両国SUNRIZE、大塚MEETSのスタッフの方々、
そして印藤さんお疲れ様でした。
結びに、印藤氏のブログを。
http://www.indosei.com/entry/2018/11/18/153742
各URLを貼っておいたので、気になったバンドは是非チェックしてみてください。
きっと良い出会いと体験がある。
現役バンドマンであり、リスナーである僕が保証します。
最後までお読み頂きありがとうございました。
文:ヴァイオレンス藤﨑。(sunnysider)