BLです

ご注意ください









噛みつくみたいな口付けと

強い力で縫い止めた手は


怒ってるから?


いつのみたいに優しいキスでもないし
視線も鋭く、冷めたいのに
簡単に心は奪われていく。


こんなとこじゃヤダって思うのに
気持ちとは反対にゾクゾクする身体。
 

何も考えられなくなって翻弄されるばかりで
押し返す事もできない…


このまま流されてしまいそうになった時、
どこかで何かが光った気がした


と思ったら、突然解放された。


足りない酸素を求めるの必死になっていると
まーくんは光った方から俺を隠すように背を向け壁になり、そこに向かって声を張り上げた。



「居るのはわかってるから出てこいよ!」


「え……な…に?」



訳が分からず覗いてみるとガサガサ乱暴に音を立て
反対方向へ走っていく音が聞こえた。


誰か……ずっと見てたってこと?


ゾワっと一瞬で恐怖が全身を支配する。



「カズここで待ってて!」


「やっ…まぁくん!」


走って追いかけようとするまーくんに
危ないからダメだとしがみついて止める。

すると、逃げていった方向から誰かの怒号と
大きな物音が聞こえてきた。


「カズっ…うん、そっか
  1人じゃ怖いよね。大丈夫、一緒に行こ!」


「う、うん…」


支えて貰い、音がした方向へ
恐る恐る向かうと、その先に居たのは…


1人の男を捕まえていた
ヨコと、すばるだった。



「え……なんで?」


「わっ キミちゃんすげぇ!」


「すげぇちゃうわ!
 ホンマに人使いの荒いやっちゃのー」

「ごめんごめんありがとう!」

「待て待て!俺がやったんやで?」

「すばるもありがとね」


「フンッ//// 別にええけどっ//////」


捕まえられた男は完全にのびていて
ガムテープでぐるぐる巻になっている。


「…あっ」


よく見るとこないだ俺を襲った男だ。

俺の後を追ってまた何かするつもりだった…?


「こいつ、ちっこいのにごっつ強いんやで!」

「ちっこい余計や、空手の有段者舐めんな」

「マヂ?こっわw」


すばるが軽く?回し蹴りをして
秒で解決したったわーと得意げに話すのが
どこか遠くに聞こえる。


…どうなってんだ?

まーくんが…
ヨコとすばると……どうして?

え…解決したってこと?



「雅紀、こいつの持ってたカメラん中のデータは消去しといたわ」

「流石!じゃあもう大丈夫だね」


「あ、おまえらのベロチューがっつり写っとたで」


「えっ//////」
「あ、ほんと?それは欲しかったかも」

「ハァ…ほんま、おまえらええ加減にせぇよ」

「えーなんで?(笑)
  あと他には何か変なのなかった?」

「あぁ、まぁ ほぼニノばっかや
  やっぱりツイの画像もこいつだった」



結局

俺のストーカーを誘き寄せる為にわざわざこんな所で見せつけるような事をしたんだと分かった。

俺と潤君のツイを見たまーくんは、すばるに事情を聞くとストーカーを捕まえなきゃと動いていた。

いつも知らないところで一生懸命俺の為に動いてくれるまーくんに、さっきからずっと心臓が跳ねるみたいにドキドキする。


……何、これ?////////


自分1人じゃどうにもならなかった
それを、こんなあっという間に……

ドキドキし過ぎて、どうしていいかも分からず固まっていると、後ろからギュっといつもみたいに優しく抱き締められると不意打ちで泣きそうになる。


「カズ…ごめんね
 こんなとこで強引に…怖かったよね」


なんだよもう…
どんだけヒーローなんだょ//////


「ん/////大丈夫…」


「クフフ…ど?惚れ直した?」


惚れ直すどころの騒ぎじゃない
おまえはどこまで俺の心を奪ってくの?

いくつ心臓があっても足りないよ


甘い
甘い
愛情にくるまれるみたいに

いつも安心させてくれる




「あ、でも怒ってんのは本当だからね?」

「…ですよねぇ」



「おまえらさ、俺達の事目ぇ入っとる?」

「ほんまええ加減にせえよ?」










つづく