BLです

ご注意ください











ちゃんと自分の気持ちを伝えよう


決心して後を追うように家に行くと
やっぱり用事があったわけじゃないニノは家に居た。

俺が来た事に凄く動揺していたニノに
「聞いて欲しい事がある」と伝えたら
少し間があった後に「俺も…」と入れてくれた。


ニノが、話したい話……
あまりいい話ではないだろうなぁ


自分の気持ちを伝える前に
心が折れないことを願ったが

折れるとか、そういうレベルじゃない話が
まさか投下されるなんて思わない俺は
告る緊張感に、無駄に胸を高鳴らせていた。






「…ウソだろ?」



ニノから聞かされた話は
いつかそんな事があるかもしれないと
少しだけ覚悟はしていた。

少しだけ…本当に少し…

反面、起きて欲しくないという気持ちが
それ以上にずっと大きかった。



「……うそじゃないよ」


「ほんとに……再発って…
 じゃあ、ニノは…また…その……
 ……ごめん、俺…すげぇ今混乱してる」


「そうだよね……ごめん」
  

「……ニノが謝る事じゃないよ」



どうしてやったら良いんだろう…

ココで俺が守るって言うのも違うのかもしれない
守ってやるからあいつから離れろなんて言えば困るのはニノだ。


あいつへの想いが無くなったわけじゃないのも知っていて、あいつを助けてやりたい気持ちがある以上
どう考えてもおじゃま虫は俺の方だろ……


やっぱり、2人は離れられない運命なんだと
突き付けられたような気がした。



「翔ちゃん、振り回してばかりでごめんっ…」


「違うよ…俺は振り回されてなんかないよ」



だって俺は、勝手に募らせていた想いを
弱っていたおまえに「助けたい」と言ってつけ込んで押し付けただけなんだから…



「あいつを、助けたいんだろ?」



「!!………っ、ごめっ……」



だから……
ニノが言えない言葉は俺が代わりに言ってあげる



「ごめっ……しょ、ちゃん……ぅっ…」



ポロポロ零れる涙は俺への懺悔?
俺の為に流してくれる涙はとても綺麗に見えた。



「俺は、そんな一途なおまえが好きなんだよ」



俺の一世一代の告白は
結果が分かってても伝えたかった。

それは一方的な俺のエゴだけど…
伝える事だけは許してよ


次から次へと溢れる涙をどうにかしてやりたくて
胸の中に閉じこめた。


湿っていく胸の布地で
悲しみ全てを吸い込んでやれたらいいのに



「おまえが望んだ道に進めばいい
  また、俺…サポートするからさ?」



例えそれが 荊棘だらけの道だとしても
刺さった棘は、俺が一緒に抜いてやる。



今夜は月が無い
真っ黒な夜だった。


今夜だけは、暗闇に乗じて
全てを隠してくれるような気がして


だから…


これが最後だからとお願いして
胸の中にニノを抱きしめて眠った。











  続