BLです
ご注意ください
「カズっ……起きて
ほら、着いたから…ねぇ、起きてよ」
「ぅんん…んー…」
「もぉ…」
「んんん…」
フワフワゆれる
まるで揺り籠の中みたいに
温かい…
懐かしく思う匂いに包まれて
もうこのままずっと眠っていたい……
覚えのある浮遊感に目を覚ますと
相葉さんにお姫様抱っこの形で運ばれていた。
「そんなに飲ませてないけど
……思ってたよりもよく効いてるね」
「ん……なぁ、に?」
あれ…ココ……どこ?
ん…なんか……体、動けない…
そんなに呑んだ覚えは無いのに
久々に酔いが回って頭も上手く働かない。
ソファにそっと降ろされた時やっと
見慣れた部屋に、ココが自分の家ではなく
相葉さんちだと気がついた。
「あ、ごめ……俺、帰んなきゃ…」
流石にまだ家に来るまでの気持ちは
出来てはなかった。
急いで起き上がろうとする。
でもそれを阻まれ、体を押し戻された。
「相葉…さん?」
綺麗に微笑んで見下ろしているその顔に
違和感を覚えた。
おまえ……そんな顔、するの…?
「ねぇ、カズ…そう言えばさぁ…
ココに付いてる痕は……なぁに?」
「アト?……えっと…」
痕って…痣?
そんな所ぶつけたっけ…?
指を差されたのは鎖骨の辺り…
自分の目では確認出来ない場所だ。
何かしたっけ?思い出そうとしていると
突然、強引に手首を掴まれた。
「いっ!…てぇよ…なに?離せって…」
あまりの強さに睨みつければ
嘲笑うような表情で俺を見る相葉さんの
真っ黒で 綺麗な瞳が……
「!!…おまえっ……目が、赤くっ…」
気がついた時にはもう既に手遅れだった。
そういえば…
店に向かう道で見えた
夜空に浮かぶ月はまん丸で
今夜は満月だった……
紅く染まる瞳がゆっくりと 弧を描いていた。
どちらかと言えば鈍感な方だ。
特に人の色恋沙汰に関しては…
でも、思ってたよりは
そうでもなかったみたい。
カズと翔ちゃんの関係が変化したのは
すぐに分かってしまった。
お互いに隠していて、周りには内緒にしようとしてるのも全てが見えた。
なんでだろう?
お前の事だけは全部透明がかって見えてくる。
久しぶりに重ねた身体を堪能し
満足するまでシ尽くした。
違う男のモノを受け入れていたナカは
変わらず蕩けていくように熱く
自分のモノで 形取るように
変えられてしまったナカが馴染むまで
攻め立て、沢山の 蜜を 注ぎ込むと
やっと、満足出来た。
泣いて、やめてと懇願していたのに止められず
それでも快 楽 を覚えてしまった身体はすぐ
素直に 欲 してくれて……
意識を無くした愛しい存在の
泣いた痕に口付ける。
罪悪感は……
あるような気がする
でも今は、狂いそうな嫉妬の方が強かった。
それと同時に、湧き上がる興奮
もう、意識を支配されてはないのに
それでも 欲しい衝動だけは止められない
オマエガイルカギリ
ズット、ズット……
本能には抗えない ─────
「あぁ…ココにもあったんだ」
その痕の上にキツく吸い付き
上書きをする。
「カズはずっと…オレのものだよ」
その声は、狂気を感じるくらいに優しい
再開の合図だった。
続
