BLです
ご注意ください
朝日が目にしみる……
カーテン閉めてんのに
なんでこんな明るいんだよこの部屋は…
起きたてそんな文句が出るくらい
今朝の目覚めは悪かった。
原因は言わずもがな
隣で 幸せそうに寝ているコイツだこいつ…
昨夜も馬鹿みたいに盛りやがって
それもなんか最近、中身を交代しながら
ヤるから実質2倍抱かれてる。
身体はひとつなのに心は2つだからってさ
同じ身体なんだから出来る回数って決まってんだろ?なのに2倍になる……
なんでだよ
サイボーグかよ
それともこいつ、人間じゃねぇな?
くそぉ……身体だっりぃ……
それでも起きて開店の準備しなきゃいけない
スタッフだってもうすぐ来る時間だ。
「おはょ、カズ」
「……あぁ」
そうこう考えているうちに
いつの間にか起きてたコイツに
抱き締められていた。
「ご機嫌ナナメ?」
「誰のせいだと思ってる?」
「んー……雅紀だな」
「おまえらだ!!」
「ぐっ!……いだぃ」
「自業自得、早く離せって」
「ヤダ」
「まーくん!」
「今は雅紀だよ」
「もうどっちでもいいわ!早く離せ!」
やっと離してくれて
ベッドから這い出る。
あぁもー遅刻すんじゃん
ヨロヨロした身体をわざと見せてやれば
直ぐに起きて支えてくれるジェントルっぷり
まぁ、当たり前だよね
原因作ったのこいつなんだし
「カズ…今日は仕事無理しなくても」
「……休めと?」
「だって、休んでもバイト君がいるんでしょ」
「まだ入ったばっか!そんな奴1人で昼ピークこなせるかっての」
そうでなくても何故か最近繁盛しちゃって
2人でも足りないくらいだ。
「でもかなり動いてくれるんでしょ」
「まぁ、そうだけど。でも1人は無理
早く離せ。そろそろ本気で怒るよ?」
「はぁい……送ってく?」
「…誰かさんのせいだし送られようかなぁ」
結局、俺もなんやかんや甘過ぎるから
こいつも調子乗るんだよ、分かってる。
甘えた声でお願いするとシュンとしてた顔が
パァっとキラキラと輝いた。
「うん!じゃあ今準備するね」
「おまえも仕事しろよー?」
「もちろん」
2人…いや、3人の共同生活は
振り回される事は多いけどとても順調だった。
「おはょ」
「あ、おはよーございます!」
「ごめん、殆ど準備終わっちゃった?」
やっぱり少し遅れて到着すると
既に開店準備をしていたスタッフが
キッチンカーの中で作業していた。
周りを見渡せば何時OPENしても大丈夫そうだ。
「あ、はい!後は昼の仕込みが少し」
「まぢか。流石早いね、ありがとう」
「いえ、ニノさんが良ければいつもこの位で大丈夫ですよ。俺もう開店準備なら出来るし、家遠かったですよね」
「お、頼もしいなぁ」
遅れても全く気にしてない彼は
更に明るく振舞って気遣いの言葉をくれる。
「早く1人前になりたいんで!」
「ンフフ、ありがと
じゃあお言葉に甘えちゃおっかな」
「やった!」
「そこ喜ぶとこ?」
普通、開店準備なんてダルいもんなのに
いつも元気でやる気もあって…
ほんと、良い子が雇えて良かったなぁ
「だって、ニノさんに少しは認めて貰えたって事でしょ?」
屈託の無い笑顔が今日の晴れやかな天気に映えて余計にキラキラしていた。
寝不足にはちょっとだけキツイ明るさだけど
懐っこいし、いつも楽しそうで
「おまえ、犬っころみたいだなぁ」
「えーーっ、ペットなんですかぁ」
「うん、大型犬」
ゴールデンレトリバーが似合うかなぁ
従順なラブラドールでもいいな
似合いそうな犬種をうかべているとさっきまでの笑顔が曇って不満そうな顔になっていた。
「ちぇ…ニノさんからしたら俺ってまだそんなもんなのかぁ」
「フフッ、なによ…不服?」
「ちょっと…いやっ、かなり!」
「ンハハハ、ごめんごめん(笑)じゃあ、今日は新しい仕事教えよっかなぁー」
「よっしゃ!お願いします!」
お陰様で繁盛してきたキッチンカーのカフェ。
もう1人じゃどうにも回せなくなってアルバイトを雇おうと募集ポスターを貼ったその日に「俺を雇って下さい!」と飛び込んで来たのは、ついこないだ。
その勢いにビックリしてその場で面接もせずに「じゃあ、よろしく」なんて口から出てしまった。
すぐ勢いで決めてどーすんだよ!と後悔したけど、蓋を開けてみたらめちゃくちゃ良い奴だし、やる気満々だし…あと、女性客の人気も凄いw
こういうのって出会いだって言うもんなぁ
募集をかけるタイミングが良かったのか…
そんな事を考えていたら
ふと、思い出す あいつとの出会い……
……じゃあ、あいつと俺が出会ったのは
運命…とかいうやつなのか……?
…って/////何考えてんだ俺は///////
「ニノさん?大丈夫ですか?
なんか、顔が真っ赤ですけど…」
「え!?/////ぃやっ、うんっ、平気!」
「熱とかあるんじゃ…ちょっと失礼します」
「?……わっ///////」
「んーー…熱っぽくはないかぁ
体調おかしかったらすぐ言って下さいね」
所謂、頭コツンで体温を計られた。
急激に近くなった距離。
端正な顔が目の前まで来てドキマギした。
「おまっ/////// 近いわ!」
「あ、すみません。俺、下に弟居て…小さい頃いつもこうやってあげてたから、つい…」
ビックリしたぁ…////////
…キスでもされんのかと…って、バカか俺
「弟と一緒かょ(笑)」
「でも……このまま勢いでキス、しちゃえそうでしたね」
突然、真顔で自分でも思ってた事を言われ
分かりやすく動揺する。
まだ頬に添えられた大きな手が熱く感じ
射抜くような瞳に囚われ、胸が弾んだ。
「はぁ?///////おまえ…何言って…」
「なーんてね(笑)」
「このやろぉ…やり返したな!」
「あははははっ!ごめんなさいー!
わっ、ぃてっ!…あぁ、また同じとこ(笑)」
「おぃ、大丈夫か?やっぱココおまえのデカさには狭いよなぁ…」
「大丈夫です、慣れたらそうでもないし」
そうは言うけどそこぶつけたの何回目よ?
やっぱ、何度もぶつけてるのを見てると
気になってしまう。
俺には丁度良くても、見上げる位デカいこいつにはこのキッチンカーは狭すぎる。
そろそろ、本気で考えてみても良いのか…
あいつがずっと言ってくれてる店舗を持つというのを……
そんな思考の渦に囚われていると
いきなり肩をガシッと掴まれて
「ニノさん!デカいからクビにするとかやめてくださいよ?!」
「……は?」
「だって!なんか考え込んでるからっ…
デカいのは使えないとかっ…思われてたらどうしようかと……」
必死な顔で縋り付かれて驚いたけど
そんな考えになるなんて…どんだけココで働きたいの?
そんな風に言われたら、なんかくすぐったい。
「ンフフ、なにそれ?そんなわけねぇじゃん
こんなに使えるスタッフ手放すわけないし」
「よーーかったぁぁぁ!!」
「ぅぶっ!!……ちょ、くるしっ…」
この馬鹿力!
思いっきり抱き締められて息すら出来ない。
こいつ……まーくんよりデカいから
俺なんか簡単に絞められそう……こわっ
「あ、すみません(笑)」
「ったくもぉ、ほら早く準備するぞ…涼真」
「!……はい!!」
新たに出来た相棒?
デカいけど可愛いらしい弟みたいな奴に完全に気を許して、ずっと下の名前で呼んで欲しいと言われてたから呼んでみる。
そしたら今にでも踊り出すんじゃ?ってくらいめちゃくちゃ嬉しそうだったから、こいつとはこれからも上手くやっていける気がしたんだ。
まさか……落ち着いた日常に水を差す奴になるなんて、この時は知る由もない。
つづく
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❁⃘*.゚
色々ありまして突如浮上してきた
『Pain』の番外編すたーてぃん☆←
(紅を書け…と思われそう)
そんな長くはしません。(たぶん)
勢いで書いたんで薄目で
よろしくお願いしまーす˙˚ʚ⸜(* ॑ ॑* )⸝ɞ˚˙