〜eternally〜 # 3
俺が、弟の智久の元へ訪れたのは
内通者を探し出す為だった。
相葉組の本家と分家が組頭を筆頭に
お互いに譲るつもりは無いと睨み合う最中
まず最初に動く人間
そいつが探している内通者だろうと
踏んでた俺は いつでも飛び込めるように
身を潜めていた。
「智久……おまぇ…どういうつもりだ」
「そんなに怖い顔しないでくださいよ」
虫も殺さないような顔で笑う弟は
「兄さんをもてなす為に色々準備したんですよ?」なんて、呑気なフリをしている。
「カズを早く返せ」
一方兄の方は、表の顔の中でも誰もが黙り怖気付く、ドスの効いた声を響かせていた。
あぁ…やっべぇ
あれ、ちょーキレてるわ……
真実を知った時、彼はすんなり許してくれるだろうか?相談もせず勝手に動いた自分を……
ふと思ってしまった余計な考えに身震いする。
「人聞き悪いなぁ…二宮さんは自らの足でこちら側に来たんですよ?」
「そう、仕向けたんだろ?」
「フフッ……珍しく、余裕がありませんね」
「智久……言ったろ
この組の頭はおまえでいいと」
「えぇ…そうですね。だから欲しいんですよ
僕の右腕に彼が……トップに立てば人事位自由に出来るでしょう」
「あいつだけはダメだ」
…若………
「フフッ……兄さん、カズちゃんはお嫁さんには出来ませんよ?」
「それは、おまえに関係ないだろ…」
ちょッ……ったく///////
あいつら、何の話してんだよ…
いきなりプライベートをぶっ込んだ智久に
さっきまで表の顔で話していたあいつも
思わず拗ねたような声音に変わった。
張り詰めていた空気が和らぐのが分かる。
その瞬間を待っていたんだ。
「久しぶりに会ったんだからたまには兄弟の話でもしましょーよ」
「智久……すまないが、そんな時間は無いんでね」
その言葉を合図に
突然、2人の目の前に現れた大野が
一瞬で、この状況を変えた。
続