BLです

ご注意ください





 


ニノが倒れた。


ずっと様子がおかしいと思ってたのに
目の前でスローモーションのように倒れていくニノを受け止めたのは……雅紀だった。


俺の後ろを歩いてたはずなのに
なんて速さで飛び込んでくんだよ……

でも、それだけいつも
あいつを目で追ってるって事だよなぁ



「カっ……ニノっ!ニノ!!」


「雅紀、いいよ…俺が連れてく」


「……え?」



なのに、分かってるくせに…

なんでだ?

奪い取るみたいに
ニノから雅紀を離したのは……


周りも慌てて病院へ!とか声が飛び交う中
ニノを持ち上げた俺は、呆然と立ち尽くす雅紀を置いて、病院へと急いだ。


診断結果は睡眠不足と過労…そして栄養失調気味だと言われた。


そんな事だろうと思ってた。
クマをいくら隠しても、やつれていく様は
ネットでも、何かの役作り?なんて囁かれていてファンすら気がついてしまう程だったから…

そろそろ、見守っていくのも限界だ。


自宅まで連れてきたニノをベッドに寝かせ
一緒に運んでくれたマネージャーに「俺が説得する」なんて、それらしい理由を付けて先に帰ってもらった。


説得って、なんだょ…
俺は何を言おうとしてる?

ちゃんと食え?
もう少し自分の体を考えろ?
眠れないのなら、そういう機関へ頼る事も考えようか?


どれも、言わなきゃいけないとは思うけど
何か違う気がした。


なぁ……
どうしたら、元気になってくれる?

雅紀の元へ戻れない限り
おまえ、このままずっと苦しむ気かよ……


自分には無頓着なくせに
雅紀の事となると、一気に弱くなるニノ。

あいつの存在が無くなるって事、それはきっと自分の中の一部が無くなるような感覚と同じなのかもしれない……


どうしてやる事も出来ないもどかしさで
俺が胸を痛めたってしょうがないのに…

なんでこんなに苦しいんだろう?


ずっと、こんなにもおまえでいっぱいになってる自分が信じられなかった。


なぁ…ニノ……

俺……何としてでも紅い眼の真相を突き止めてやろうって思ってたけど……

他にさ、何か救える方法があるのなら
俺……そっちにシフトしていいかな?

まだその方法すら分からないけど
でも、少しでもおまえの心を救えるのなら…



ポケットの中で携帯が震えた。
取り出して見ると、雅紀からニノの様子を心配するメールだった。
それに短く、もう大丈夫って返す。



お互いが今でもずっと、想い合う2人…



でも…神様は残酷だ

そんな2人を引き離すんだから……



一刻も早く…
この呪縛からおまえを解放したい

じゃないと…俺…

ずっと、あの時の光景が頭から離れねぇよ…


あの時

助けてって
言わないニノが悪い


……違う
そうじゃないだろ?


あそこで、止めに入る事も出来ずにただ見てるだけで……あろうことか、下腹部に痺れを感じて熱を帯びていく自分が情けなかったんだ…


あの場から逃げ出した自分は
その後、家で何をした?


熱を 吐き出す為に思い出したのは……









「に、の……?」


「ぃやっ/////// ごめっ……みないでっ…」



あの時から、俺の中で何かが
止まったままになっている。



「えと……これは///////」
 

「ごめっ……ごめん、なさぃ……
 こんなっ 気持ち悪い事……ごめんっ」



いつの間にか
ベッドの縁で眠ってしまっていた俺の身体に何かの違和感を感じて、目を覚ますと…



ニノの自 慰 行為に 俺の手が使われていた。



何が起きている?
ぃや、目に入った事が全てなんだろうけど
信じ難い現状に、冷静に判断が出来ない。


自分が掴んでいるのは…
硬くなったニノの、自身で…… 

先から溢れるモノがあと少しで
限界へと 達 する事を顕していて……



ウソ……だろ?……



目の前で起きてる事に現実味が無い。
反射的に思わず、掴んだまま の手を
強く握り締めてしまった。


「ヒャァッ…///////」

「わっ///////ごめっ!」


慌てて掴んでた手を離す。
でも、ニノの 熱からは目が離せない…

フラッシュバックするように
2人の行為が脳裏に過ぎった。

ゴクッ…なんて喉が鳴ってしまい
余計に気まずくなる。


だって……

だってさ、俺……

あの日、あの時から

1人で 慰める時、吐き出す為に
思い出していたのは……



あいつから受ける 快 楽 に乱 れる


おまえだったから……




真っ赤に染まった頬

涙をいっぱい溜めた瞳 

震える唇から出てきた言葉に


全ての何かが崩壊していく、音がした。






「ァッ////……しょ、ちゃ……ゴメッ……


  …………………………………助けて…」






おまえは……今、俺を求めてるのか?