BLです
ご注意ください
おかしい
絶対におかしい
最近、あいつの様子に違和感を感じて
目で追うのが止められない。
そりゃずっと無理してるのは知ってる。
でも、やっぱ流石 昔馴染みと言うか…
そこはきっちりと前の…ジュニアの頃から変わらない2人に照準を合わせるように
……今は演じてるのかもしれない。
何も知らない人が見ればおかしいなんて思わないだろう……まぁ、元々そうやってテレビの前も、裏でも、その姿を見せる事が当たり前だったわけだし……
ただ…ずっと、それだけで……
俺らにも見せる事はない、お互いが素で居られる大事な時間はもう…あいつらには無いんだ。
いつか、仕事が終わると別々に帰っていく後ろ姿も当たり前になっていくのかもしれない。
でも…智君の言うように
俺は解決策を調べる事がやめられないでいた。
自分でも、今の自分がよく分からなくて
俺は、2人をどうしたいんだろう?
「ニノ!」
帰り際、何度目だろうか…
懲りもせず引き止めてみる。
ビクって小さく弾む肩に、振り返る前に少し深呼吸してたのを見逃さなかった。
「……おつかれ」
振り返ったニノは、少し気だるそうにしてて
見つめられただけなのに、ちょっとだけ…ドキリとした。
「具合悪いのか?」
「?……なんで?」
「いや、平気なら良いんだけど
さっきからこの辺…汗かいてるから」
「っ!!………な、に……」
あまり汗をかくことが無いお前の額に珍しくうっすらと滲む汗に違和感があって、確かめようと手を伸ばせば、反射的に避けられていた。
バツが悪そうな顔をして、拒絶するような瞳を向けたおまえに、余計なお世話かもしれないけど
心配する気持ちが膨れ上がっていく。
「……ニノ?本当に大丈夫なのか?」
「っ……大丈夫だからっ」
「…そ?それなら今日飯でも食ってく?」
「ぃや、今日はごめん……先約あるし」
「そっか……でも体調悪いならすぐ帰れよ?」
「ぅん……ありがと」
あの日から
ニノは必要以上に俺達と関わらなくなった。
人の目がある時は以前と変わらないくせに
5人だけになると、途端にスイッチを切り
部屋の隅っこで小さくなって、自分の世界へと入っていく。
それを、隠れて悲しげな目をして見ている雅紀も見てるから……
だからきっと
俺は諦められないんだろう…
この時の俺は、いちいち最もな理由を探して
無理矢理でも言い訳しないといけない気がしていた。
何も見えない 暗闇の中
機械音だけが微かに聞こえていた。
……んんっ……ふぅっ……っ
んぁっ………………ハァッ……あっ……
あいつの指……
こんなんじゃない
こんなに丸っこくもないし 小さくもない
ゴツゴツしてて…長くて…綺麗で……
あんな風に動かして
あいつの真似事をしてみても
やっぱ、自分じゃ全然違う……
奥まで届く指に
何度も何度も翻弄されて
ヤダって…
待ってって……
お願いしたって止めてくれない
快 楽 の 高みへ 極限まで昇らせて
追い立ててくる、激しい…あの手……
そして、あの紅い眼に見つめられたら……
あ、はぁぅっ……んんっ!///////
処理するように機械的だろうが
1人でだって 亻 く事は出来る。
でも……
はぁ はぁ はぁ…はっ……フゥッ……ハァ…
………全然っ
こんなんじゃ……足りないっ………
吐き出したモノを 掬い
なんとなく見つめる。
その手を、雲の切れ間から姿を現し
窓から覗いていた 満ちた月へと 伸ばせば
届きそうな気がした。
でも、そんなのは幻でしかない
一生、届く事は無い
自分の気持ちを突き離されたような気がして、目頭が熱くなってくる。
ブゥン………ブブブブブ……
「んあぁっ//////」
虚しい
虚しい
虚しい
寂しい……
いくら、何かを埋め込んでみても
足りない…
全然、足りないよ……
どうしたら 埋められる?
もっと、もっと……もっとっ!
ブブブブブッ!!
「あ''あ"ぁんっ////////」
…………まぁ、くん……
おまえが 欲しいょ……………
続
