BLです

ご注意ください










「え!!……ラっ ぶふぉっ!!」


「しー!しー!声デカいから!!」



大声で驚くから慌てて口を塞ぐ。
周りに聞こえたんじゃないかと
「んーんんんんっんー!」
とか、苦しそうな翔ちゃんを無視して
キョロキョロするけど
人が大勢いるファーストフード店は
誰も俺達の事なんか気にしちゃいなかった。



「あー、やっぱ言わなきゃ良かった」


「だって!ビックリするだろ?」


「///////俺だってビックリだよ」


「いや、連れてったのおまえだろ?(笑)」


「まぁね。そうだなんだけど
  今思うと大胆過ぎたかなぁって…」


「でっでっ?どうだったわけ?」


そんな興味津々聞きますか?って位
前のめりの翔ちゃんに
つい、正直過ぎる顔は緩みまくっていた。


「グフフ///////最高だった♡」


まだあの日の エ ロい カズ君の顔が、脳裏から離れる事も無く、思い出すだけでニヤついてしまう。


「うおぉぉぉぉ…勇者!!」


「だから意外と大丈夫だし行けるって!」


「パイセン!勇気が出ました!」


「まぁ、松潤が素直についてくるかってのは知らないよ?(笑)」


「あーーな……肝心なのはそこだよ」


カズは何だかんだ言って俺のワガママ聞いてくれるけど……松潤はどうだか知らないし

でも、初めてがそんな場所ってのもどうなんだ?


「でもさ、初めてはやっぱ温泉とか連れてってあげて…とかのが良いんじゃない?」


「あーー、おまえらみたいに?
 全く同じってのもなぁ…でも良いよね?」


「翔ちゃんのおかげで素敵な 初 えっ ちになりました//////」


「だろ?でもおまえらのお膳立ては出来たけど自分の事となるとさ……」


想像したのか急に緊張感を纏った翔ちゃんが
なんか可愛いく見えてきた。

いつも余裕そうな翔ちゃんだって
こういう事になると余裕なんて無くなるんだね


「ビビってんの?」


「ビビってねぇし!(笑)
 や、でも……うーん……
 やっぱ…ヒヨってるのかも」


「ん、わかるよ…やっぱその先へ進むってのは…覚悟がいる事だよね……」


同性同士 ともなれば
簡単じゃない事が多い

あの日だって、俺の軽いひと言で
あいつを不安にさせちゃったしさ……


「覚悟…か……そうだよなぁ
相手の操を奪うわけだし…生半可な気持ちじゃダメなのはちゃんと分かってるのよ」


そう言った翔ちゃんの顔を見て
きっと2人なら大丈夫だと思えた。


「うん……でもね、結ばれると
もっともっと、大事にしたいって思えたよ」


「そっかぁ……いいな、それ
もっと相手を好きになれるって事だろ?」



もっと、好きに……

好きどころか…それ以上になるよ……



「そうだね…もっと大切な存在になったよ」


その分、厄介な感情も増えもするけど

それでも……
幸せの方がもっともっと増えたから…


「よっしゃ!幸せお裾分けされたし
  春休みに旅行でも計画すっかな!」


「ついてってあげよっか?」


「やっだねー
  絶対次の日に冷やかすんだろ?」


「俺らん時だってみんなに冷やかされたし」


「だから嫌なんだよ(笑)」


2人には 上手くいって欲しいな
まぁ…それは大丈夫だろう


それよりもまず、俺の目下の課題は……


どうやったらまたあの場所へ
カズを連れていけるか……だ。



"//////もう絶対行かねーーし!!"



帰って来てまた行こうねって言ったら
真っ赤になって拒絶されてしまった…


うーーーん……
調子に乗ってャり過ぎてしまったのは自覚してるんだけどさぁ…

あんな可愛いカズ見たら 
止められないじゃん?

まぁ…でも
しょっちゅうは無理だけど

宿泊代とか、今のバイトだけじゃキツイのが現実で、行けても月イチとか?
ご休憩くらいならもうちょい行けるか…
あー、でも足りる?
きっと帰したくなくなるよなぁ…うーん…




ゴンッ!!




「ってぇぇーーーーっ
  ……え!なに?!わっ カズ!!」


「おまえ、なんつぅ顔してんだよ…」


「へ?…あれ?翔ちゃんは?!」


「潤くんと帰ったけど?」


「いつの間に……」


「おまえがだらしない顔でボケっとしてるから迎えに来てくれって言われたんだよ…」


「だらしない顔って!」


あんなにアドバイスしてあげたのに
翔ちゃん酷い!


「来たら本当にだらしない顔してたけど?」


「えーーーー(笑)」


緩み切った顔をぺちぺち触ってると
俺が食べた後のトレーを持って近くのゴミ箱に捨てに行ってくれた。

カズのそういうとこも好き。


「ほら、もう帰るよ?
 俺 明日早朝にバイト入ってんの」


「もう1つのバイト?」


カズはきみちゃんちのパン屋の他に
欲しいギターがあるらしくて
コンビニのバイトも増やしていた。


「そう、だから今日はそっち行かねーから////」


「なーんだぁ…」


そういう事かぁ…


「おまえも明日バイトだろ」


「俺は夕方だよ…じゃあ明日も無理だ」


「////////いいだろ、そんなしょっちゅう一緒じゃなくてもさ…」


「いーや!
  大学行くまでは俺の貯蓄期間だし」


「じゃあ働け」


「ちがう!カズ貯蓄期間ね」


「////////なんだそれ」


「だーかーらーー
次のバイト代出たらまたお泊まりしよーね♡」


「ヤダよ//////金だって勿体ないよ」


「勿体なくない!  
 2人だけで居られる時間を買うんだよ」


「//////…上手いこと言ってもダメ」


「なーーんでぇー?」


「うるさい//////なんでも!」


「……そんなに恥ずかしかった?」


「それ以上言ったら暫くお預けだかんな?」


「ヤダーー!」


「ヤダーって子供か!!(笑)」


「良いって言うまでずっとくっ付くぞ!」


「どんな脅しだよ//////」


「だって……
  カズはさ…本当は嫌だったの?」


騙し討ちみたいに連れてったのは
ちゃんと分かってるけど……
それでも最後はあんなに求めてくれたから
大丈夫かな?って ちょっと軽く考えてたかも…



「はぁ……違うし、お前が言ってたんだろ?
 将来、家出て…一緒に住めたらいいねって
 だったらそれこそ今から貯蓄期間だろ?」


「え……一緒に…住む…って…」



それは…… その話は………











「カズ……ごめん…
  いっぱい無理させちゃった……」


「ほんとだ。ばかやろぉ……」


「うっ…反省します……」



全部綺麗にして
やっと布団の中に入れたのは
もうすぐ朝ですって時間だった。


周りを気にしなくていい
我慢しないでいい え っち…


カズも…いつもより素直に求めてくれて
すげぇ嬉しくて
あんな エ ロ い子 を目の前にしたら
止められるわけもなくって
いつもより激しくなってしまうのは
当然ちゃ当然なんだけど…


あー…やり過ぎちゃった……


流石に 呆られたり、なんなら怒ってもうヤダって言われてもしょうがないレベルだ。


さっきまであんなに盛り上がってた気持ちは
何処へ行ってしまったのか

分かりやすく項垂れている俺に
擦り寄るように胸の中へ入って来たカズは
甘えるような仕草でひと言……


「俺だって不安ぶつけちゃったし/////
  だからもう、謝んなくていいよ…」


ほら、そうやって許してくれるから…

そのおっきな心にいつも救われるばっかで
甘えちゃっていつも無茶振りしてしまうのは俺の悪いとこだ。


「カズぅーーー」


「くるしぃってバカ……も、眠ぃ…よ…」


そりゃそうだよね…
何回シたっけ…?

うっ…分かんないや… 
ずっと無理させたしなぁ…


「うん…もう寝ようね……おやすみ」


「ん……おや、すみ……」


スゥー…

すぐに寝息が聞こえてくる。
やっぱ無理させちゃったなって
そっと頭を撫でてやり、腕の中にいる大切な存在を優しく抱き締めた。



込み上げてくるのは

愛しいと思う気持ち…



「ありがとう……カズ……」
 


聞こえてないのは分かってたけど
溢れた想いは 自然と出ていて


大好きなんて言葉じゃ足りないよ


じゃあ…
それ以上の気持ちを言葉にするなら



1つしかない

1人だけにしか湧かないこの気持ちは……





 「カズ……愛してるよ」





ピクって、身体が動いた気がした。

でも、規則正しい寝息が聞こえてるから
起きたわけじゃないんだと思ってた。



「社会人なって家出たら、一緒に住んでさぁ
 こうして夜は毎日隣に居れたらいいな…」



だから、独り言だと
夢みたいなことを呟いたのに……
  





「//////////き、聞いてたの?」


「/////////恥ずかしくて起きてるなんて言えるわけないじゃん」


耳まで赤くなってる顔に
水分量の多い瞳が 更に潤んで
その顔が真実なのを分からせる。


「ぅわっ////// うそ!え!?
  めちゃくちゃ恥ずかしい!!//////」


愛してるってのも……

ぅわーーーー////////
直接言った事なんてないのに!!


「俺だって恥ずかしいわ//////」


「///////…え!!でも待って!!
  カズ………一緒に住んでくれるの?」


さっき言ってたのは…そういう事だよね?って期待した目で見てしまえばぶっきらぼうなひと言。



「っ//////////…いつかだけどなっ」




祝!同棲快諾🎉🎊🎉



ぃやっったーーーー!!!!!

夢だけどっ
夢じゃなーーい!!・:*+.\(( °ω° ))/.:+



「かっ  かずぅーーーーー!!」


「おいっ/////
 往来では抱き着くなって/////」


「よしっ…わかった!俺貯金する!」


「うんうん、そうだその意気だ」


なにそれ何目線?(笑)その返事も気になったけど、やっぱりまだアレは諦めきれなくて…


「あーー…でもさ、たまーーーーに?
  たまにでいいからぁ〜〜…ね?」


頑張るご褒美だって欲しいじゃん?なんて

こんなしつこいと折れてくれるのはいつだってカズの方だと知ってるからこそお願いする。



「……たまーーーに、ね//////」

  
「やった!!」


ほらっ
やっぱり受け入れてくれる♡


「でも、たまーーーーーーーーーにね」


「ながっ 
  それっていつー?」


「知らなーい」


「じゃあ、来月…卒業祝いで!」


「それ今回の前払いじゃなかった?」


「ん?そうだっけ?(笑)」


「…しらばっくれてるし」


「じゃあ、入学祝い?」


「ンハハッ!ばーーーか(笑)」





将来


そんな遠くない未来




その先だって


ずっとずっと…





おまえと一緒に









居られたらって思うんだ


  






《もういいから、黙って》
  学パロ番外編  END