ブログ3周年ありがとう短編企画
にのあい学パロシリーズ「今日から」番外編
BLです
ご注意ください
「チッ……なんだよ おまえら」
「はぁ?なんだとはなんだコラ」
「っ?!」
「はっはっはっ!
昔のクセが出ちゃってるよ」
「潤くん…」
久々に見たやんちゃだった時の彼の圧に
周りにいた奴らは圧倒されていた。
「お、おまえらには関係無いだろ!?」
「は?」
「はぁ?」
「おまえらだって関係ないだろーが!!」
ドカッ!
そのひと言が逆鱗に触れてしまったようで
傍にあった椅子を蹴りあげたのは
まさかの櫻井先輩。
今にも全員殺っちゃうんじゃないか?ってくらいに怖い顔で睨み付けるのは潤くんと変わらない位の迫力があった。
「クククッ…先輩かーっけぇ」
「やっべぇよ!逃げるぞ!」
一目散に逃げていく男達に
ホッとして全身の力が抜ける。
「カズ!大丈夫か?!」
「変なことされてないか?」
すぐ心配そうに駆け寄って来てくれる2人に
鼻の奥がツンとした。
「うん…大丈夫、ありがと」
「あーー良かった」
「ほんと…肝が冷えたわ」
「どうして…潤くんと先輩が?」
俺の言葉に意外そうな顔で
なーに言ってんだよって小突かれた。
「そんなの…カズを守ろうって
みんなで探しまくってたんだよ」
「みんな?」
「まぁ、殆どが敵だけど
おまえを守ろうとしてる奴ら結構いるからな」
「……うん」
ずっと周りはみんな敵にしか見えてなくて
怖くて、孤独で、不安だらけだった。
でも、俺は1人じゃなかった
きっと…友達みんなが探してくれてる。
ずっと震えていた身体に力が漲ってくる。
「よし、タイムリミットまで後少しだぞ」
「カズ、早く見つけてもらえ!」
「え?」
見つけてもらう?
何を言ってんのか一瞬分からなくて
首を傾げると、先輩が優しく微笑んで
俺の頭をポンポンしながら…
「雅紀も必死でおまえを探してるよ」
1番、欲しかった言葉をくれた。
「うん……」
ずっとずっと 気になっていた。
もしかしたら、こんなに危ない事だと理解せず参加したのを怒って探してくれないんじゃ…とか
不安もあったんだ。
そんなわけないのに……
俺が1番、まーくんの事分かってるのに
疑った自分が馬鹿過ぎる。
「もう絶対、相葉君以外に捕まるなよ?」
「見つけて貰うの待ってるんじゃなくて
おまえから見つけて貰いに行け!」
そっか……俺がまーくんの所に
飛び込んで行ってもいいんだよね?
2人が力強く背中を押してくれる。
「うん//////ありがとう!!」
その押してくれた勢いに任せて飛び出してった。
俺は弱い女の子でも、ましてやご主人様の帰りを待ってるだけのペットでもない。
俺が手を伸ばせば
きっと……
・
・
・
もう、大丈夫だな…
ココに入って来た時の弱々しかった顔とは全く別人の顔で飛び出して行くのを安心して見送った。
きっと、大丈夫
あの二人なら……
「にしても、先輩さ…
さっきの蹴り…超かっこ良かったよ」
「えっ///////// そ、そう?」
先輩のあんな意外な姿が見れて
あれからずっとドキドキしていた。
「まさかあんな啖呵切るとは思わなかった」
「ぃや、なんかカチンと来て…
でもちょっとスカッとしたよ(笑)」
しばらく夢にまで出てきそう…
かっこよすぎ
あんなの反則だろ?
「フフッ…惚れそうだった」
「え!うそ!マヂで?!」
「…うそ」
「え?うそ?」
真っ赤になったと思えばオレの一言に
しょぼんとする先輩に
自惚れてもいいんだよね?
「もう…とっくに惚れてるよ//////」
「!?////// ま、マヂッスかぁ///////」
オレも勇気を出して
1歩、踏み出してみよう
・
・
・
・
まーくんが俺を探している…
それだけで勇気が湧いてきた。
今なら誰にも捕まらない自信まで出てきて
全速力で校内を駆け抜けていく。
まーくんが俺の事を探してくれてるなら
きっと、探してるだろう場所へ
俺も向かって行けばいいだけ……
はじめから
それだけでよかったんだよね
きっと あそこに行けば!
信じる気持ちを原動力にして
追ってくる奴らを軽くかわして
途中、まだ捕まってなかったすばるが居て
満面の笑みで「がんばりや!」って声を掛けてくれた。
他にもいっぱい
ニノちゃんがんばれ!って声が聞こえてきた。
その声に後押しされて
1番上まで駆け上がって行く。
思い切り扉を開けたその場所は
綺麗なオレンジ色から紺色に
グラデーションの空が広がっていた。
ハァハァハァハァ…
走り切った身体はもう限界で
大きく肩で息を整える。
周りを見渡せば
屋上には誰も居なかった。
…ココじゃ、無いのかな?
でも、きっとココも探してるはず……
ふわり
突然、包まれる感覚
「つーかまーえたっ」
「まーくん!?////////」
「ハァー…やーーっと会えたぁぁ…」
強く、強く 抱き締められた。
「まぁく…っ……ごめん!」
くるりと翻し、胸に中に飛び込んだら
腕の中へ閉じ込めるように強く抱き締めてきた。
もう離さないという気持ちが流れ込んでくるように伝わってくる。
一気に涙腺が崩壊してしまい…
「まったくぅ…
カズは手がかかるんだから」
「ごめっ…俺っ、なんも分かってなかっ…」
「クフフ…大丈夫だよ
おまえが無事で良かった…」
ジリリリリリリリリリリ
『ゲーム終了です』
アナウンスが全て終わった事を告げた。
でも、そんなのもうどうでも良くて
今はこのまま…
この温かい腕の中から離れたくなかった。
"ねぇ、まーくん…"
"…ん?"
"これからも俺が伸ばした手を
こうやってギュッてしてて欲しいな…"
"もちろん!もう離さないよ
伸ばす距離すら無いからね?(笑)"
・
・
・
・
・
「最後まで逃げ切れた渋谷すばる君には
彼の望みだったものが贈られます」
「ぃやぁったーー!!待ってろやぁー
俺のギタ──────────ぁ♡」
表彰式が終われば
今年の学祭が全て終わる。
「あぁ、そういう事だったの?
逃げ切ると景品が貰えるからか!」
「そそそ、だからあいつも参加したの」
「なるほどなぁ…まぁそんなことだろうと思ってたけど(笑)……そんでニノは何が欲しかったの?」
「フフッ…温泉旅行2名様分の旅行券?」
「ふはっ……愛だねぇ」
「まぁ、ネコ役は参加するだけでもランチ権は手に入れられるから、参加だけでも得だと思ったんだと思うよ?相葉君がいつも食べたいのに食べれないよなぁとか言うのあいつ聞いてたし…」
「ぅーわっ!けーなーげー
お兄さんはキュンとしたよ!」
「……翔君も、そういうのが好き?」
「え?……ンフフッ
俺は潤が好き♡」
「あっそ/////////」
♡
♡
♡
オマケ♡
「ちょっ///////おまっ…
なんっだよ!これは!!」
「だって捕まえた鬼のお願いをネコは聞くんでしょ?」
「そ、そうだけどっ…でもコレはっ//////」
「なーにー?聞けないの?
だいぶ かっわいいお願いだと思うけどぉ?」
「っ////////
あぁもう!わかったょ//////」
「やったぁ!大丈夫だよ?ちゃーんと気持ち良くするからねっ 俺の子猫ちゃん♡」
「クソ…//////////」
俺を捕まえた鬼まーくんのお願いは…
「俺の可愛いネコちゃんになって♡」
(ネコ耳を付けたままのカズを食べたいな)
…だった//////////
俺…
こいつが1番変態だと思う
《手を伸ばせば届くから》
おしまい♡