BLです
ご注意ください
影ちゃんHBD編
「なぁ、小動・・・」
「あ、来てたのか?
気が付かなくてごめんな」
「いや、今来たばっか…
それよりさぁ…チョコとチーズって
組み合わせられたりしないかな?」
「チョコとチーズ?」
いつも何をあげたら良いか
凄く悩むんだよね…
あいつは執事なだけあって
俺の好みを熟知してる。
逆に俺はあいつの事、あんまり知らない。
出会ってから今までひと通り
上から下まで使える物を選んできたけど
果たしてホントに喜んでたのかな?
今でも使ってくれてる?
プライベートで使う物だと
使ってんのか分かんないし…
あ、万年筆は今でも愛用してた。
どうせなら使ってくれてるのを見たいと
去年あげたやつだ。
あいつは誕生日の時だけしか
贈り物は受け取ってくれないから
出来たら喜ぶ物をあげたいんだよね
「なるほど、それで何でチーズ?」
「俺が調べた所によると
あいつ、チーズケーキが好きなんだよ」
「へぇーーー…聞いたの?」
「田中さんからね」
「あー、同じ使用人だからか」
「そうっ
後、コーヒーはラテのが好き」
「ラテ・・・意外(笑)」
「俺が作ったショコラとラテで
たまには俺がもてなしてやろうかなって」
「ふーん、いいじゃん」
「だから、チョコにチーズはどう?」
「チーズケーキのチーズクリームを使えば
合うかもしれないな・・・」
「それでいこう!」
「もしかしたら
良い新作が出来るかもなぁ」
あいつの誕生日までバレないように!
いや、影山よりも
バレたらマズいのがいる…
極秘任務だ!
「・・・あの人にも?
隠し通せるとは思わないけど・・・」
「む・・・がんばる」
かくして、
俺のプレゼント大作戦が始まった。
影山が屋敷に居る時を狙って
チーズショコラを完成させるべく
小動の所へコソコソ通い続けた。
仕事が立て込んでるとか嘘をついて
でもそろそろ影山じゃなくて
あいつを誤魔化すのが限界かもしれない。
毎晩遅く帰って来る事に
不満、漏らしていたしなぁ・・・
「はぁぁぁ〜〜・・・
思うように上手くいかないもんだなぁ」
理想の味に近付けなくて
2人して頭を悩ませて、今日も帰ってきた。
連日の疲れもあってか体に力が入らない。
夕食前に部屋に戻ると
吸い寄せられるようにベッドへダイブした。
「間に合うかなぁ・・・・」
思わず弱音を吐いた。
だってもう誕生日は明後日だ…
「何が、間に合わないのかい?」
「んーー・・・影にあげる
・・・・ん?あれ?」
自分とは違う声が
背後から聞こえて飛び起きると
窓辺にある椅子に悠然と座っていた…
1番知られたくない奴
「おっま・・・いつからそこに?!」
「君が帰ってくる少し前から?」
「そ、そそそーなんだっ
・・・・あ、ただいま?」
「おかえり。早く君に会いたくてね
部屋に入ってすぐ驚いてくれると思ってたのに
まさか全く気が付かないとはね…」
「そ、そうだったんだ?
ごめんごめん!
でも今すげぇビックリしたから!」
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!
「で、影山には…何をあげようと?」
ギラり
目の奥が光った気がした。
「んーーーとぉ・・・」
「使用人に、何をあげようと?」
真顔でゆっくり近寄ってくる。
もうベッドの端にまで来ていた。
ダメだ!!
もう・・・誤魔化せねぇ!!
「あのほらっ・・・えーと
あのねっ・・・だから、ほら」
どんどん迫ってくる貴族を前に
しどろもどろで上手く言葉に出来ないし
絶体絶命だ。
「君は・・・
私を嫉妬させるのが得意だね」
「だっ、だから!
違うんだって!誕生日!
あいつの誕生日が明後日あって!」
じりじり後ろへ下がって逃れても
逃げる場所が無い所まで
追い詰められてしまった。
もう・・・観念するしかない。
「・・・それで?」
「あいつに・・・
プレゼントをあげようと」
「ほぅ・・・執事にプレゼントねぇ」
「あのねっ、俺んちさっ
母さんがまだ生きてた頃…
使用人とかみんなの誕生日はいつも
みんなで祝ってて・・・だからさ…」
もう、くっ付きそうな位の
距離でやっと止まる。
フッと三日月みたいな目で笑った
おまえにドキっとする。
「素敵な、母上だったんだね」
「うん・・・」
「それならそうと私にも言えばいいのに」
「・・・馬鹿にされっかなって」
「君は私をどんな人間だと思ってるんだ」
「傍若無人の貴族」
「・・・・・・」
このあと
ちょっと膨れた顔で拗ねてみせた
貴族に揉みくちゃに擽られた。
「んはははははっ!
やめて!!やめろーー!!」
「今夜はお仕置きだ」
「ヤダーー!!
あっ・・・まっ、て・・・
やめっ・・・・んっ・・・」
「まずは、和也から試食しないと」
「///////ばっっかじゃねーの?!」
「上手くいった時には御褒美を所望しよう」
「勝手に話進めんなってっ…ばぁっ」
誕生日当日
「坊ちゃん・・・こっこれは!!」
「俺が作った…いや、それだと語弊があるか
貴族も手伝ってくれて作ったショコラ」
「きっ!貴族様も?!」
「それがさぁ…あいつのおかげで
上手く出来たっつーか・・・」
全てがバレた次の日
小動の所へ一緒に来たあいつは
試食したショコラにこうして見ては?と
まさかの的確なアドバイスをくれて
見事
チーズショコラが完成出来た。
小動も唸るくらいのモノが出来たから
商品化するとか張り切ってたけど
「坊ちゃん・・・
私の好物ばかりを作って下さって
私、感動で・・・震えておりますっ」
「そんなに?(笑)
まぁ、喜んでくれて良かった」
「有り難き幸せですぅぅぅ」
でも・・・
このプレゼントの代償は
色々デカかったけどな・・・(泣)
まぁ…
影がいっぱい喜んでくれたからいっかぁ
「そんなに泣くなって」
「うぅぅぅ・・・
ラテも美味しゅうございますっ」
「そりゃ、良かった」

Happy Birthday
Sho Sakurai
2017.1.25
降りてこなかった(;_;)
苦し紛れのお誕生日話ですんません
やまもおちも意味もない…
そして主役ちょっとしか出てない(笑)
m(_ _)m陳謝
