BLです。
ご注意ください。
最近、自分の中に
湧き上がってくる気持ちに
自問自答を繰り返していた。
今・・・
俺はどうすればいいのかな?
俺はどうしたいんだろ・・・・?
目の前にかかったモヤは晴れるどころか
どんどん濃くなるばっかりだ。
分からないと思うと
いつまでもわかんねーし
それなら
もう何も考えたくないって思ってしまう。
それと・・・
いつも不意に思い出す
あいつのこと・・・・
いま、何してるかなぁ・・・って
でもその度に悲しくなって
どうしようもなく凹むから
我武者羅に練習に打ち込んだ。
それが逃げてる事だって
微塵にも思わずに、ただひたすら
見ているのは、ボールだけ・・・
こんなに自分勝手な俺を
いつも気遣ってくれるしょうちゃんには
もう、罪悪感しか湧かなくなっていた。
好きになろうと思った
うんん、好きになれると思ったのに・・・
でも、簡単には
そんな気持ちに なれなくて
優しくされればされるだけ
待たせてしまってる事を悪い気がして
だから
少し距離を置いたら
また変わらないかなって・・・
そんな想いが生まれたのもあって
今日の誘いも断ってしまった。
のに・・・・・
「よ!精が出ますなー」
「あ・・・しょうちゃん」
突然現れたしょうちゃんを見て
固まってしまう。
「大丈夫、差し入れ持って来ただけだから
邪魔しないで直ぐ帰るよ?」
「あっ・・・ありがとうっ
丁度ねっ、休憩しよーとしてたから!」
「そっか・・・
じゃあ、良ければ食べて?」
「うんっ いただきます!」
ヤバい・・・
困ったのがつい顔に出てたかも・・・
少し気まずいまま
しょうちゃんが差し入れてくれた
ハンバーガーを頬張った。
落ち込んでても、腹は減っていた。
黙々と食べてる横で
俺より 口に頬張ってモグモグしてた
しょうちゃんの頬は
まるでヒマワリの種を詰め込みまくった
リスの頬袋だ。
目に入った瞬間
ブフッ!って思い切り吹いてしまった。
「むぐっ・・・きたね!え?ナニ?!」
「( ゚ཫ ゚)ゴフッ ごめっ・・・
でもずりぃよ!しょうちゃん!!」
「え?何が?(笑)」
「だってそんなに詰め込むとか反則!」
「・・・・え?
ハンバーガーって詰め込んで
ナンボなんじゃないの?」
「誰にそんなの聞いたんだよぉ」
「アハハっ・・・違ったか?
でも、良かったよ・・・笑ってくれて」
ホッとした顔で
いつも優しく見守ってくれる彼に
申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「あ・・・その、ごめん・・・
・・・ しょうちゃん・・・俺・・・」
「うん・・・雅紀
あのさ・・・・俺も、ごめんな?」
「え?な、なんで!」
「なんか、色々と・・・俺ね
おまえが俺の事見てくれないのは
もう十分、分かってたんだよね・・・」
ドキリと心臓が跳ねて
何も言えなかった。
分かってても
優しくしてくれるしょうちゃんに
俺は酷い事をしている・・・・
「ははっ・・・そんな顔すんなって!
今日はさ、差し入れとかただの理由つけで
俺ね、本当は確かめに来たの・・・」
「・・・・なに、を?」
「本当は、少しでも脈があれば
ちょっと強引にでも襲ってやろうと思ってた」
「え!!
ご、ごーいん?!」
「でもココに来て、お前の顔見て・・・
・・・すぐに諦めの気持ちが湧いたよ」
悲しそうにポツリと呟いてたのに
何も言葉が出ず、声も出ない。
「それに俺、今みたいに笑い合ったり?
一緒に居て楽しいならそれで良いかなって」
「うん・・・ 俺もっ
しょうちゃんとはね・・・
ずっと仲良くいたい・・・友達として」
自然と口から出てきた自分の気持ちに
ハッとなる。
それを聞いたしょうちゃんは
満足そうな顔で笑ってくれた。
そっか、俺・・・・
自分の素直な気持ちが
見えなかった想いが
やっと、見えた気がした・・・・
しょうちゃんの手を借りなきゃ
自分の事さえ分からないって
どんだけ甘ちゃんなんだと戒めたくなる。
でも、俺が好きなのは・・・
やっぱり・・・・・・
持っていたボールを思いっきりゴールへ
放ってシュートする。
綺麗に弧を描いたボールはゴールに
吸い込まれていった。
「ナイッシュー!」
しょうちゃんが拍手して笑ってる。
だから俺も久々に思い切り笑えた。
「あ!!」
「え、なに?」
何かに向かって声を上げたしょうちゃんの
目線は、俺を通り越した後ろを見ていた。
なんだ?と同じ方へ振り向くと
そこには・・・・
松本の隣に並んで カズがいた。
「・・・・なん、で?」
「ま、雅紀っ」
「ココは、俺たちの秘密の・・・」
もう、そんな事すら
どうでも良くなったのか?
「雅紀っ おまえに話さないといけない事が
あるんだ!」
しょうちゃんが何かを叫んでいた。
でも、もう・・・
そんな声も聞こえないくらいに
俺の中の何かが
プツっと音を立てて
弾けてしまったみたいだ。
「雅紀!おい!ちょっ・・・」
ズンズン歩いて2人の所に向かう。
近付けばカズの表情が見えてくる。
久々に俺と顔を合わせて
まるでオバケでも見たような顔だった。
対峙して
そして・・・・・
「なんでだよ!!!!」
心から叫んでいた。