BLです
ご注意ください。
普段、人を責めたり攻撃的になった事のない俺にとって今からする事は結構ハードルが高い。
正直、心臓はバクバクしていた
でも・・・・ビビってる場合じゃない
そんな事よりも大事な事がある。
意を決してまたあいつが
登校してくるのを待ち伏せした。
出来たらあまり人が居ない所で呼び止めたい
早く来い、早く来いと祈っていると
朝練の生徒がチラホラ登校して来る時間に…
待ち人来たる!
ハァーーーー、よし!落ち着け俺っ
大丈夫!出来る!出来る!出来る!!
相手が通り過ぎる前に
出て行き、そして
「おはよう!」
思いっきり棒読みの挨拶になった。
「・・・・おはようございます?」
「は、早いね」
「いつもこれくらいですよ」
「ふーん、そうなんだ
あのさ・・・・ちょっといい?」
「なんですか?」
既に気迫では負けている気がした。
でも先輩の威厳もあるんだと
いつもより低めの声を出して ついて来いと
体育館裏まで連れて来た。
「こんな所に連れて来られて・・・僕、告られるんですかね?」
「告るのはお前の方だよ」
「え!・・・僕そんな趣味は・・・」
「ちげーわっ!
お前さ、これ見ても何も思わない?」
さっきの封筒を見せつける。
その封筒を見た途端に相手の表情が変わった・・・ような気がしたけど全く変わらない
こいつ、可愛くない奴だな・・・・
「なんですか?その封筒」
やっぱり・・・・
しらばっくれると思ってたよ
「俺、見たんだよ
お前がコレを二宮の靴箱の中に入れてたの」
「は?・・・ぃや、入れてませんけど」
まだ惚ける気かよ・・・
それなら・・・・・
「あの植え込みの所のフェンス、穴空いてたんだな・・・俺、そこから侵入していくおまえを見たの。まだしらばっくれんの?」
少し動揺を見せた相手にコレがトドメだと
さっき、こっそりカズの靴箱に手紙を入れている様子を撮った写メを見せつけた。
「それはっ・・・ハァ…そこまで抑えられちゃってんですか・・・・ゲームオーバーですね」
証拠を突きつけてやっと白状してくれた。
あとは全てを話して貰おうと、まずは・・・
「なんでこんな写真をカズに?」
「・・・・ごめんなさい
それだけは言えません」
「はぁ?ふざけんなょ・・・こんなの明らかに故意的だし悪意しか感じないよね?」.
やっと真相が分かると思ってたのに
まさかのココに来てまたごねるとは思わない
出来る限り凄むような目で睨み付ければ
「ごめんなさい!
本当に言えないんです!!」
さっきとは態度が変わり泣きそうな顔で
頭を下げてくるから戸惑ってしまった。
「なんだょ、それ・・・言えないって
誰かにやらされてんのか?」
「ごめ、なさ・・・言ったら、俺が 殺 されるかもしれなぃ・・・・」
「え?そんな物騒な・・・」
「もう2度としませんから!
本当すみませんでした!!」
「あっ ちょっ!おいっ 風間!」
突然、逃げるように走り去る
風間の事を何故か追う事が出来なかった。
殺 されるって・・・・
誰かに脅されてこんな写真を?
なんなんだよ
どういう事なんだょ・・・・
わけわっかんねぇ!!
「と、言うわけなんだよね・・・」
「と、言うわけなのね・・・雅紀君」
「ごめん!もーしょうちゃんにしか頼れなくてっ
分かってる!しょうちゃんの言いたい事は!
先ずは謝れだよね・・・ごめんなさぃ」
「う、ううぅぅ・・・んっ、おまえの気持ちはよーーく分かったょ・・・それに、俺を頼ってくれるのは嬉しいよ」
哀しげに微笑むしょうちゃんに
土下座するように謝った。
昨日の事、気がついた自分の想い
今朝の出来事
全てを打ち明けた。
「しょうちゃんの気持ちには
応えられなくてごめんなさい・・・」
「まさか、こんな形でフラれるとは思わなかったけどさ・・・正直に話してくれてありがとう」
それでもしょうちゃんは俺に優しいんだ
ツキンと痛む胸を抑えきれず泣きそうになると
「わぁ!泣くなって!!大丈夫ではないけどっ
それでもまだおまえを好きな気持ちは変わらないしさ・・・それに、まだチャンスが無いわけじゃないだろ・・・おまえもね?」
悪戯っぽく笑うしょうちゃんにつられて
笑ってしまう。どこまでも優しい人だ…
「うんっ・・・俺もフラれたようなもんだけど・・・そぅだよね、好きな気持ちは変わらないんだよね」
「そうだよ、振り向かせればいい・・・
やってみて無理だと思うまで諦めるなってな!
あれ?なんか俺がおまえに言うのもおかしいな」
「クフフっ 本当だよ!(笑)」
なんだか妙な関係になる・・・
それでも接し方は変わらないままで居てくれるしょうちゃんに心から感謝した。
「先ずは、その手紙だな・・・その話からすると風間が誰かに脅されてやってんのは間違いないだろうね」
「うん・・・でもあんなに怯えるように逃げていったの見たら、これ以上追求して良いのかなって」
「おまえは優しいなぁ・・・俺なら脅してでも吐かすかも」
「え?しょうちゃんだってきっと無理だよ」
「うーーん?そうか?・・・じゃあ、そうなると・・・・」
「そうなると?」
「・・・・・尾行だな」
「尾行?・・・それなら俺得意だよっ」
「変なもん得意になってるし(笑)
じゃあ、絶対に気がつかれないように今日、風間を見張ってろ」
「風間を?」
「その写真が雅紀にバレた事を、脅してる相手に絶対に報告するか何かの接触はあるはずだ」
「なるほど!流石しょうちゃん頭いい!」
「まぁ、諸刃の刃だけどなぁ・・・
もしメールでやり取りされてたらおしまいだし・・・・」
「あーー・・・でもそれに賭けるしかないもんね」
「そうだな・・・尻尾掴んだら俺にすぐ連絡しろよ?相手が危ない奴かもしれないんだから」
「わかった!」