BLです


ご注意ください












な、に・・・・・これ・・・


これは・・・・

夢なんかじゃ、ない・・・・


キスを・・・・・


2人はキス、してるんだ・・・・



暫く写真を見たまま動けなくて

いくら 見ても 
受け入れるのは無理で


何か


体の中から

湧き上がるように


何かが・・・・・せり上がってきた。



「カズ・・・・」



その

潤君の心配そうな声が

まるで
よーいどん  と

自分の中で変換され


体がビクッてなったと同時に
勢いよく その場から駆け出した。



走って  走って  走って



勝手に溢れ出てくる モノ 

すべて 吹き飛べばいいと


全速力で走った。



はぁ  はぁ  はぁ  はぁ  はぁっ・・・・



手足がもつれる位に走って
倒れこみながら開けた扉の先には


自分の心とは正反対の
真っ青な空が広がっていて


また、泣きたくなった



「うっ・・・ぅぅう〜〜〜・・・・」



歯を食いしばっても 溢れる涙と声を
我慢しようと天を仰いでも 


何も変わらない



もう、ダメだ・・・・・



屋上には誰もいないじゃないか


我慢するのは・・・・


もう・・・・・



無理だょ・・・・・




「ぅあぁぁぁぁぁっ!!」



タイミング良く近付いて来た
ジェット機の音が
俺の声を掻き消してくれる。



今だけだから・・・・


全てを出し切るまで

どうか・・・



俺を隠して ・・・・











どのくらいの時が過ぎただろう


ひとしきり泣いて

さっきまで苦しくて 
潰れそうだった心は
少しだけ楽になった気がした。


たかだか
失恋しただけじゃん?


ふふっ・・・そうだよ
それだけなんだよ・・・・

こんな、全てを失ったみたいにさ

違うじゃん
あいつが居なくなるわけじゃない


『これからも俺達は何も変わらないよ』
 って笑う。そんなあいつが想像出来て


「そーだね…」って呟いた。


手に握ったままだった写真を
もう一度だけ 勇気を出して見ると


夕暮れの優しい光が2人を照らして
重なる影がまるで絵画みたいに綺麗で


これ、合成なんじゃない?・・・とか


まだ 悪足掻いてる気持ちは

さっさと無くそう・・・・・


諦めるのは 


しょうがないって思うのは


得意な方だ。





ガチャン!!



突然開いた扉の音に体がビクッと弾む。


「はぁっはぁっはぁっはぁっ!
  カズ!はぁぁー…ゃっと、見つけた!」


「潤君・・・・」


汗だくになって現れた彼は
俺を見るなり思いっきり抱き締めた。


「バカ!おまえっ 超心配した!!」


「あ、ごめ・・・」


「違う!そうじゃないっ馬鹿は俺だ!!」


「じゅ、潤くん?」


「おまえ、足早過ぎだからっ
  あっという間に見失っちまって・・・」


抱き締められる腕の力が強くなる。


「色んな場所 探しても探してもいねぇから
 まさか早まったんじゃって、すげぇ焦って 
 屋上に来たらっお前居るから・・・はぁ…
 良かった・・・見つけられて・・・・」


体が凄く熱い。

いっぱい走り回ってた事が
荒い息と共に伝わってきた。


「ふふっ  俺、失恋したくらいで
  そんな事したりしないょ?大袈裟だなぁ」


「・・・・俺の前で無理して笑うなょ」


「え・・・?」


「俺の前で我慢するな、隠すな、泣いてくれ」


「・・・・なんだょ、それ」


急に無茶な事ばっかり言うから
そんなの無理だよって言えば


悲しそうな、今にも泣きそうな
そんな表情に変わるからドキっとなる。



「なぁ、カズ・・・もうさ・・・
  あいつじゃなくて・・・俺にしなよ」


「・・・え?」



真剣な瞳が真っ直ぐ俺を見つめて来て
反らせなくなる。



「俺、お前が好きだ!!
  俺はカズを泣かせたりなんかしない」



突然の告白に

ギュッと 胸の中心が捕まえられる。



「じゅっ・・・・んんっ!」



そのまま・・・

少し乱暴に 潤君の唇が 
俺の唇に押し付けられて

くっ付いてる所からも
気持ちが流れてくるみたいで

熱くて

でも・・・すごく切なくなる





「ごめっ・・・返事聞く前に・・・」


「////// あ、えと、うん・・・・」


「なぁ、カズ・・・あ、あのさっ
 きっと俺と一緒に居れば 苦しくないよ!」



苦しく、ない・・・・



そうなのかな・・・・?



潤くんと一緒に居れば

もう 辛くて 

苦しい事はない?




「潤くん・・・俺・・・・」