BLです。

ご注意下さい。











あまりにも周りのガヤが凄くて
どんな事が書かれているのか
やっぱり気になってくる。

だから昼休みが終わって
みんなが教室に戻っていくのを見計らい
新聞部の前に貼り出している
その、新聞を見に来てしまった。


新聞に載っていた写真は
あいつが俺に見せてきたのも含め 
変装した俺が歌っている
色んな角度やアップ、引きで撮られていて


まーくんと手を繋いで走ってるのもある。


こう見ると、なんかカップルみたい・・・


まるで他人事のような目で見ていた
自分に気がつく。


そして「アリスの正体は?!」
って記事にデカデカと普段の俺が載っていて
何処で調べたんだか勝手にプロフィールや共通点などが書いてあり検証されていた。


こりゃあ・・・みんな信じちゃうか

知らない人間がコレだけ読めば尚更だ・・・


あとは、正体が俺だと知ってる誰かが
あいつに証言してしまえば
それでジ、エンドだ。


・・・ココまで来ると、だんまりを貫いて
相手にしないのが1番かもしれない


意外と冷静にこれからの事を考えられた。


やっぱ、見に来て良かったかもしれない

あ・・・
もぅ、5限目始まっちゃったな・・・・


このまま家に帰ってしまおうか?
そんな事まで考えたけど、カバンが教室だ。


はぁ・・・・面倒くせ


俺、これから平凡に過ごせるのかな・・・

あの新聞部のヤツ、しつこそうだったし
もし、あの変装が俺だと
みんなが知ったら・・・・・



ドン引かれるよな?



一気に色んな不安が押し寄せてきた。

周りにどう思われようが
どうでもいいと思ってるのに・・・・

なんでこんなに不安なんだろ?


深く考えるとか
そう言うのは嫌いだ

気分が悪くなる


お先真っ暗になった気持ちで
立っている事も辛くなり
その場にしゃがみ込んで膝を抱えた。


・・・・何処かで、時間潰そうかな


先生に見つけられたら教室に戻される。


でも・・・

こんな気持ちのまま戻りたくない・・・




突然だった。


ふいに、そっと頭を撫でられる感覚に
ビックリして顔を上げた。



「大丈夫か?具合い、悪いのか?」


「・・・・さくらい、せんぱい」


「保健室で少し休もうか」


なんで、先輩がここに?


支えられながら立ち上がる。


「3年は選択制だから
  授業の空きが出来る時があるんだよ」


顔に出ていたのか聞いても無いのに
疑問に答えてくれた。


「そうだったんですか」


「あんなの見てたら気分悪くなるよな」


「・・・ぃや、
  そんな別に・・・大丈夫です」


「そぅ?とりあえず保健室行って
  なんなら今日はもう帰っちゃえば?
  カバン持って来てやるよ」


「すみません・・・・」


「ははっ いつもの威勢は何処行った?
大丈夫、あまりにも個人を尊重しないようなら新聞部に警告出しとくから心配すんな」


「・・・櫻井先輩が頼もしく見えます」


「あっはは!今更かよー(笑)」


実際、悔しいけど物凄く見直してしまった。

まーくんがこの人を頼りにしている気持ちが
少しだけ、分かってしまう。


分かりたくなんて、ないのにな・・・



別に、特に目標があるわけじゃない

特別な事も考えたりしてなかったけど


これからの自分が

見えなくなった・・・・・