BLです。ご注意ください。














「ほら、これ目に乗せとけ」



冷たいタオルを渡す

明日に支障のないように
少しでも腫れを取らないと・・・・



「ぅん・・・・ありがとう潤君」



「ん・・・・落ち着けた?」



「・・・なんか、スッキリしたかも」



「そうか・・・」



でもきっと、それも 一時的な事だ


ずっと溜め込んでいたものが
堰を切ったように溢れて、出して
今はスッキリしてるだけ


その気持ちがどうにもならない限り


きっと、ずっと


呪縛のようにおまえに纏わり付くんじゃないか?



そんな事は

おまえが1番 分かってるか・・・・




「潤くん・・・俺、もう平気だから」



「なにが?」



「何も変わらないよ、前と・・・・」



「・・・前と?」



「うん、戻るだけだから」



それは、ムリだろ?



1度、繋がりあったじゃん

気持ちも身体も、愛された事すら

無かった事にするのか?


言葉にはせず、飲み込んだ。


そんな、責めてるみたいな事

今のこいつに言えるわけがない



「俺は、いつでもおまえの味方だから」



苦しいほど

誰かを好きでも

伝わらなきゃ意味がない


伝わっても

繋がる事が出来ても

意味が無い事もあると知る





恋が

叶うって


幸せな事じゃなかったっけ?
















「それって、ニノの事?」


「え!へ?な、なんで?!」


「んー・・・・勘かな?」


「・・・・やべぇ、余計な事話したっ
  ごめん、今の話忘れてくんない?」


「ふふっ・・・それは良いけど
  ニノ、元気無さそうだったよね・・・」


「・・・分かるの?」



「普通の人なら分からないんじゃない?
  あんだけ鉄の壁作ってれば気がつかないよ」



「じゃあ、何でおまえは分かるの?」



「・・・ニノと僕は同じだから、かな?」



「・・・・・そか」



「暗い顔しないでよ(笑)気にしないで
  それはもう、分かりきってる事なんだよ」



諦めたような目がカズと同じだと思った

胸の奥がズキンと痛む



「分かりきった事、か・・・」


「好きになったのが、同じ種類の人間ならすんなり行くんだけどね・・・・」



同じ種類・・・・



「ノンケを好きになるのは傷付くだけだよ」


「おまえも・・・・」


「あるよ、何度かね・・・・」



遠くを見つめて話すこいつに
カズが重なった気がした。



「でも潤が傍に居るのはデカイと思うよ」


「そうかな・・・・俺はあいつに昔から何もしてやれてないのに」


「大丈夫、聞いてくれる、吐き出せる場所がある。それだけで十分救いだから」




その言葉に、俺も救われた気がした。




でも、この後


何気なく酒の席で呟いてしまった俺の贖罪は

思っても無い方向へと事を進んでいく




「今度、ニノとサシで飲みたいなぁ」