BLです。ご注意下さい。
「あぁ・・・そっか、それ見たのか」
嬉しさのあまりにすっかり忘れていた俺は
夕飯時に急に思い出して変な声を上げてしまい
兄弟みんなから変な目で見られてしまった。
その夜、一郎君の部屋に行き戸籍の事を話すとやっぱり長男だけあって養子の話しは知っていて
「あのっ・・・・俺、どうっていうか・・・その・・・・えっと」
「なぁ、さぶはさ、それを知ってどう思った?」
「えっ・・・・・」
優しい顔、いつもと何も変わらないトーンで
確信を突かれる。
上手く笑えなくなって顔が引きつった。
どう思ったか、なんて・・・・
そんなの言えるわけないよ・・・・・
俺が黙ってしまうと
「さぶ・・・・・四郎の事、好きか?」
「え!!//////」
一郎君に、心を奥を覗かれた気がした。
「まず家族として、な?」
「それはっ だいっ好きだよ!!」
「ん・・・それだけで十分だろ?」
そっか・・・・
血が繋がってなくても、その気持ちがあれば
なんの問題も無いんだ・・・・・
一郎君に言われた言葉がスッと自分の中に入り込んで、心の曇りを晴らしてくれる。
「じゃあ、四郎個人としてみたらって事が
きっとおまえには重要なんだろうな」
「いっ、一郎くん・・・・俺・・・・」
「わかるよ・・・お前らの兄ちゃん何年やってると思ってんだよ」
「でも、こんな気持ち・・・・本来持っちゃいけないのに・・・・・・」
「・・・・・人を好きになるのにいけない事が、まぁ、あるっちゃある・・・でもなぁ、そう簡単には止められないんだよなぁ・・・・」
遠くを見て話す一郎君は
凄く切なそうな顔をする。
まるで誰かに想いを馳せてるように見えて
俺まで胸が苦しくなってしまった。
その気持ちは、良く知っていたから・・・・
「だからよ、さぶ・・・まぁ、大っぴらには応援は出来ねぇけど、俺はおまえを否定したりはしないから」
「一郎君・・・・・」
「ま、四郎の気持ち次第だしなっ」
「ぅん・・・・ありがとう」
一郎君の言葉は充分に俺を掬い上げてくれた。
自分の部屋に戻ると一気に脱力感が襲ってくる。
今日は1日中、目まぐるしい気持ちの変化に振り回されて、疲れたなぁとベッドに身を投げた。
すると、布団の中から
ぐぇっ
って声がして、心臓が飛び出るかと思う位
びっくりして飛び上がった。
「さぶに・・・・いきなり苦しぃよ」
「しっ しろちゃん!?」
「驚かせようと思ったら俺が驚いちゃったょ」
あろうことか、布団の中から
涙目で見上げる四郎が出てきた。
一気にパニクる。
「な!何やってんだよ!?こんなっ
こんな場所で!いつから居たの?!」
「ぁ・・・・ごめんなさぃ・・・・」
俺の言い方がキツかったみたいで
シュンと元気が無くなる四郎に更に慌てた。
「あっ 違うの、しろちゃん ごめっ
俺、驚き過ぎちゃって・・・怒ってないよ?」
慌てて謝ると、ホント?って上目遣いで尋ねられ違う意味でドキドキした。
「もぅ、四郎は悪戯っ子だなぁ・・・・・
急にどうしたの?五郎とケンカしたとか?」
「んーん・・・//////あのね、さぶにぃ」
「ん?なに?」
肌が白いからほんのりと紅く色付く四郎に気がついて、ドキっとする。
動揺している自分を見せないように必死で
いつも通りに振る舞った。
なのに俺の気持ちを弄ぶように至近距離まで身を寄せてくる四郎は
部屋に2人しか居ないのに、内緒話をするように俺の耳元に口を寄せて来て、コソッと呟いた。
「さぶにぃ・・・俺ね、さっきの続きしたいな」
「え!!!!さっさっきってぇ?!」
思わず声が裏返った。
「/////////・・・・・キスの、つづき・・・」
つづく