BLです。ご注意下さい。
「してやったりとか思ってんじゃない?」
「え?・・・何が?」
さっきまでの騒ぎが嘘のような
静かな時間が流れていた。
いろんな意味でやっと、安心っつーか
心置き無く落ち着ける気がして
俺は完全にオフモードに入る。
今、傍に居るのは愛しい存在だけ
それだけで十分なんだけどさ・・・・
「んーー・・・分かんないけどね・・・
斗真に一杯食わされた気もすんだよなぁ」
「・・・・・もぉ、いいょ
あいつの話しなんてしなくて・・・」
不貞腐れた声を出して
後ろから少し強めに抱き締められる。
そんな柔らかい束縛が
今はなんだか擽ったい。
「なにょ、まーくんヤキモチ?」
「そぉ!今回は大いに妬いてやるっ」
こいつが大っぴらに態度に出さない感情を
ストレートにぶつけて来るのは珍しい。
よっぽど腹立ったんだなぁ・・・・
ニヤける口元をなんとか我慢しつつ
振り返り、肩口にすぐある顔に
躊躇わずに口付けた。
それに少し機嫌が良くなったのか
黒目がちの瞳に自分が映る程近い顔は
一瞬で色を持った。
「カズ・・・・」
「んむっ ・・・・っぁ・・・・」
すぐに 舌が 割り入れられると絡め取られ
立場逆転、翻弄される。
ちょっと、余計なスイッチ押してしまったかも・・・?
なんて思いつつも、体ごと振り向き
腕を伸ばして 首に回し
もっと深く口付けて応えてやる。
「・・・・誘ってんの?」
「ちげぇし・・・・」
「ふっ・・・どぅだか・・・・」
フカフカのラグの上にそのまま
押し倒された。
「・・・・嬉しかったよ」
「え、何?」
「カズの気持ち、嬉し過ぎて泣きそうになった・・・・」
「///// 泣かなかったのかょ」
「2人きりなら泣いてた」
「・・・・俺もね、ちゃんと・・・
ケジメつけなきゃいけないと思って・・・」
「・・・・ありがとう」
「泣くなょ・・・・」
「へへっ ・・・・嬉し過ぎると
なんも言えねぇなっ!」
大事な時こそ真っ直ぐに
気持ちをぶつけてくれる。
そんなおまえに何度も救われた。
だから俺だって、たまにはさ
ちゃんと・・・・・
ちゃん・・・・・と・・・
「こら、何も言えなくても手は動くんだな」
「だって!カズがそんな事言うからー」
どんどん止まらない手は
服の中まで浸入して好き勝手動き回る。
擽ったくて身を捩ると
もう片方の手でホールドされてしまった。
「まぁくん・・・・」
「なーに?カズ 」
「こないだみたいなのはゴメンだからな?」
「・・・・はぁーい」
可愛いく返事をされるけど
している事はエロいだけだ。
暫く黙ったまま見つめ合う。
その気にさせられてしまった俺も
抵抗はする気がない。
なら、もぅ
このまま愛し合えばいいだろ?
そんな風に目と目だけで会話をする。
少しずつ見つめ合う距離が縮まって
あと少しで唇と唇がくっ付く寸前・・・
寸止めで急に声を上げて顔の距離もあいた。
「てかさ!
なんでカズばっかなんだ?」
「?・・・・・何が?」
「なんかさー・・・俺らがくっ付いてから
おまえ、狙われ過ぎじゃね?」
「え?・・・・えーと・・・そぅ?」
「気がついたら3人目じゃん!」
「・・・・も、モテ期なんじゃん?」
「それも男ばっかり!」
それは、言ってくれるなよ・・・・
「でも、カズ最近可愛いもんなぁ
しょうがないのかなぁ・・・・」
「はぁ?やめろよ
可愛いとか嬉しくねーし・・・」
「え?俺に言われるのも?」
「//////っ・・・・お、おぅ」
「ぶっ!くふふふっ
それは嘘だなーーおまえ、俺に可愛いって
言われると顔が真っ赤になるもん!」
「はぁ?! うっせー!/////」
ムッとしたから離れろって胸を押すけど
ビクともしない。
むしろ調子に乗った雄兎はどんどん
色を増して攻めてくる始末。
「そんなとこが、たまんないんだけどね」
耳朶にフッと息を吹きかけられ
そのまま食いつき、舌が 這 い、刺激される。
ゾワッと甘い痺れが 下腹部 を襲う。
「ゃっ・・・・ちょっ、やめっ」
「ビクビクしてる」
結局、こいつのこういう行動に弱い俺は
何も出来なくなる。
これからもこんな風に翻弄されるんだろう・・・・・
惚れた弱み、か・・・・
きっと、一生敵わないんだろうな・・・・
「まーくん・・・・」
「ん?」
「ずっと、おまえはそのままで居てよ」
「・・・・このまま?」
「これからも、変わらず俺を愛してよ」
俺のその言葉に目をまん丸に見開いて
兎耳がもし生えていたならピクッて
動いてんじゃないか位に反応したおまえは
うっすら頬を染め、微笑んだ。
「カズも・・・ずっと俺と一緒に居てね」
「・・・んっ////////」
影を落とし、甘ったるくて
蕩けるような口付けをされる。
こいつの優しさを全て感じるようなキスは
胸の奥底からじんわりと暖かくしてくれた。
「あっ!そぅだ!!
ちょっと待ってて!」
せっかく良い雰囲気だったのに・・・
突然思い出したように飛び起きて
ソファ横にある引き出しから
小さな箱を取り出すと
何故かモジモジしながらそれを
はい…と
俺に渡してきた。
「これ・・・・って・・・」
「いつか渡そうと思ってたんだけどさ
なんかタイミングが分かんなくって」
「マヂで・・・言ってんの?」
それはあまりにもベタすぎるモノで
誰がどう見てもすぐに分かるような
意味のあるモノで・・・・・
本当に?本気で?ウソだろ?
その箱の蓋を開ければ
中にはシンプルなシルバーリングが
2つ、並んで入っていて
「・・・まぁくん、本当に?」
「ぅん・・・貰ってくれる?」
「あ、たり・・・まえじゃ・・・・」
上手く言葉が出せずに
ポロっと一雫の涙が頬を流れ落ちた。
「ふふっ もーー泣くなってば(笑)
カズは俺のって証だよ?普段は付けられないけど、寂しくなったり、不安になってもコレで繋がってるから、大丈夫っ」
そっと俺の左手を取り、薬指に
その指輪をはめてくれた。
「ピッタリだ・・・」
「おまえが寝てる時に測ったかんね!」
「///////まぢかょ・・・」
「カズ、俺にもはめてょ」
「ぅ、うん」
もう1つのシルバーリングを手に取り
まーくんの左手の薬指にそっと通すと
こちらも当たり前だけどピッタリで
細く長い綺麗な指にキラキラと輝いていた。
「・・・・すごぃ」
思わず口から漏れた言葉だった。
こんなにも威力のあるモノだったんだ。
同じモノを身に付けて繋がれる手と手は
もぅ、2度と離れたりしないっていう
証のように思えた。
「これからも、一緒に歩んで行こうね」
「そりゃあ、素晴らしい人生になるわ」
見つめ合い
お互いに ふふっと笑い合えば
そのまま2人の距離は
ゼロになる。
2人の愛の在処は
ずっと、ココにある・・・・・
Aino Arika Ⅲ end ♡
thank you ♡
あとで後書き書きます。
ココまで読んで下さって
ありがとうございました♡
