BLです。ご注意下さい。














急にガクンと重たくなった体に違和感を感じてのぞき込むと、カズの意識が無い事に気がついて、慌てて揺さぶった。



「カズ?!  
  ねぇ!カズ!!大丈夫?!」



急な異変に松潤も心配そうに寄ってくる。



「どぅした?!カズ?おい!
  斗真おまえ何した?!」



「・・・・・大丈夫
 まだ薬が効いてるからだよ・・・
 本来なら飲んだ量からして、まだ目覚めたりしないのに、無理に覚醒したから・・・」



「安心したら耐えられなくなったのか・・・」



「・・・ぉい、カズの服どこだょ?」



「持ってくる・・・」




一触触発。

そんな空気を自分が出しているのは分かっていた。

こんなに怒ってるのは初めて見たと思っているだろう松潤も何も言えないで見ている。




濡れタオルと着替えを持って来た斗真は
直接俺には渡さず、松潤に渡していた。


それを受け取り、体を拭いていく。

多分、無理矢理に出されただろうそのアトも、何も無かったように綺麗にしてやる。


拭いている最中、腸が煮えくりかえるような
初めて湧き上がる感情を何とか押し殺す。


着替えさせている間、誰も何も発せない。

重たい沈黙の空気の中、黙々と服を着せた。





「・・・なぁ、なんで、こんな酷い事したんだょ?ずっと、カズの事、好きだったのか?」




一通り終わり、そのままこの場を後にしても良かったんだけど・・・やっぱ納得いかないまま帰る事は出来なくて、重い口を開く。




「・・・・ぅん・・・ずっと、昔から
  好きだったょ・・・・きっと、誰よりも
  1番早く好きになったんだ・・・・」




「・・・・・昔さ、カズんちに
   おまえ 、来た事あったよな?」



「・・・相葉ちゃんが遊びに来てた時?」


「そう。あの時カズと揉めてなかった?
  部屋にも上がらずに帰っていったから
  ずっと変だと思ってたけど
  あいつは何も言わないから・・・・」



核心を突かれたような
そんな表情で俺の事を見た斗真は
何か諦めたような態度で
次に信じられない言葉を放った。



「あの時、少しの間だったけど
 俺たち、付き合ってたんだよ・・・」


「!!・・・・ウソだっ
  俺、そんなの聞いてない!」




信じたくない事実に
すぐに否定した。



だって・・・・
カズを1番知ってる俺でさえ
2人の関係を知らなかった事実に
醜い嫉妬心が湧き上がってしまう。



「あの時のニノはさ・・・・
  すっげぇ自暴自棄になってて、弱ってて
  俺は、そこに付け込んだんだよ」




あの頃を思い出すように
ポツリポツリと贖罪のように話し始める
俺の知らないカズの話。



聞きたくないけど、聞きたい・・・・

聞かなきゃいけないんだと思った。




「逃げ道を与えながら、自分のもとに
 来るように・・・・罠もいっぱい作った。
 なのに、あいつはやっぱりおまえが好きで
 俺の所に来たと思ったのも束の間に・・・
 離れていったよ・・・・・・」
  



「前に・・・こいつ、すげぇ心配になる位
 荒れてた事あったけど・・・・・
 壁を作られてて聞けなかった・・・」




あの時、カズを支えていたのは

斗真だったんだ・・・・・・




「・・・・おまえの事を特別な意味で
想ってしまった罪悪感と、報われない気持ちを持て余してたんだよ」




「俺の、事を・・・・・」





斗真が話す俺の知らないカズ・・・・

自分の中で渦巻く感情で胸が苦しくなる。




「どうにもならなかったのにね・・・
 本当・・・・バカだわ・・・・・・
 いつまで拗らせてんだって話しだよな」




自分自身を嘲笑うかのような言い方を
する斗真を見て
そんな、話しを聞いてしまったら

それ以上に責める気にはなれなくなる。




でも・・・・・



でもっ!!



色んな感情がもつれて、絡まり合う。




嫉妬の渦に、押し潰されそうだ・・・・・