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「迷いと再会」櫻井side










俺はいつも臆病者だ。



今も自分の行動が正しいのかすら分からないまま走っている。


カズの言ったように雅紀を探す方が最善な気がしていても、あの時の言葉を引っ込められない自分は、意地になっているだけなんじゃないか?


万が一…3人共あいつに葬られるなんて事が頭を過ぎり、俺は安全パイを選んでしまったのでは?


今、何が正しい事なのか全然分からない。


助けられる方法は何処にある?


考えている時間すらない状況だった。


それでも何かしないと…
動かなきゃ!急がなきゃ!
それだけで手足が動いていた。


もうすぐっ
もうすぐホームに着く!!


足がもつれそうになりながら全速力で走った。
ホームの屋根がチラホラと見えて来て少しホッとする。


でもなんて説明したらいい?!
とにかく助けて欲しいって言うしかねぇよな?!


なりふり構ってなんていられないんだ。
誰も失いたくない!
誰も傷付いて欲しくない!!



お願いだから早くっ、早く足っっ!



動け!!




ドンっっ!!




「ウァッ!!…………なっなんだぁ?!」




「っってぇーー…………な、なに??」





・・・・・・・・・・・!!!!




「翔くん!」
「松潤!?」




茂みから急に出て来た何かと衝突して
弾かれるように倒れた。

目がチカチカする位の衝撃で一瞬何が起きたのか分からなくて。

ビックリして出てきたモノが何かを見ると
2年前、あの別れから1度も会う事の無かった
松潤が突然目の前に現れた。



「え!!え?!えーーー??!
   なんで?!なんでいんの?!」



「翔くん!会いたかった!!」



「お、俺もっ 会いたかったよ!
   けどっごめん!!!!
   今感動の再会とかが出来ない状態でっ
   急がなきゃ!!ごめん!!」



「え!!ちょっ、ちょっとっ
   何があったの?!」 



そこでハッと気がついた。



そうだ!松潤にも助けて貰おう!!



「松潤!!ごめん急にっ
こんな事頼むのも訳わかんねーと思うけどっ
今!雅紀がヤバイ状況で…真彦が!
雅紀を殺そうとしてるかもしれなくって!」



「はぁ? なんだよそれ?!」



「そんでっカズが2人を追って山ん中探してて!崖まで行ってみるって!!俺は施設長に助けを呼びに来てっそれでっあのっだから!
あーーーーーー!上手く言えねぇ!!」



「わかった!崖に俺も向かう!
   翔くんも急いで助けを呼んできて!!」



「あ、あ、あ、ありがとう!!!」




もぉ、お互いに焦ってしまい上手く会話になってなかったけど、とにかく助ける人出が増えて心強くなった。



大丈夫!きっと、大丈夫だ!!



無理矢理でもそう思う気持ちがもつれそうになる足を前へと運ばせた。



ずっと会いに来ると言って来なかった
松潤が今、このタイミングで来てくれた奇跡。



きっとどうにかなるんじゃないかって気持ちになった。
 


でも…



そんなにうまい話なんて転がってるもんじゃないって事をこの後嫌になるくらい思い知らされる。




どうか、神様…お願いだから




2人の事を助けてくれよ………
















久々にこちら更新します。
ちょっと「愛の在処」に集中し過ぎてますね。
2つを同時に出来ないヤツなんですみましぇん…
こちらはじっくりと進めていく予定です。
よろしくお願いします♡