BLです。ご注意下さい。












どうしよう・・・・


止められねぇよ・・・・・




だって、ニノが俺の腕の中にいるんだ。


ずっとずっと、


叶わないと思っていた。



でも、今・・・俺の中に居る・・・・




抱き締めていた腕を外し、俯いているニノの頬に手を添えてこちらを向かせるように力を少し入れる。


顔を上げた俺を見るニノの瞳は濡れていて


とても綺麗だと思った。



右の目尻にチュっと音を立て 吸い付く。
反対側も・・・・・


頬へは流れている涙を拭うように
ペロっと 舐める。


何も動かない。何もしないニノを他所に
調子に乗ってそのまま唇もペロリと ひと 舐めしてみる。


濡れて 艶が 出た唇。


そして、そのまま食らいついた。





「ンッぁ・・・・・・・・・」





舌で無理矢理口をこじ開けてニノの 舌 を絡め取ると苦しいのか弱々しく手で胸を押してくる。


それが拒否されているような気持ちになり
1度、体を離してニノの事を見ると
さっきよりも目を赤くして悲しそうな瞳で俺を見ていた。



その目は嫌だ・・・・・




「・・・・・・もぅ、いいや」



「・・・・・え?」



「おいら、そんな目で見て欲しいわけじゃ
   ねぇもん・・・
   もっと、求めるような目で見ろよ・・・」



「・・・・・・大野さん」




「今日はもぅ、いい。帰りなよ・・・」




「・・・・・・ぅん・・・・」




黙って出て行くニノの後ろ姿を
ただ、何も出来ないで見つめるしかない
自分が・・・・・



虚しく感じる。




どうしたら、あの時のような目で
自分を見てくれるかな?



あの


全てを求めるような


熱くて、艶っぽい


想いの詰まった瞳を


俺に向けるには・・・・・




スマホを操作してフォルダを開けると
あの時の写真を、あの時のおまえのような目で見る事しか出来ない自分がとても滑稽に思えた。




俺は、何がしたいんだろうな・・・・




自分でも自分が分からないまま




ただ、己の欲望だけを押し付けるしかない。




こんなの、間違ってる。




そんな事は、分かりきっていた。




それでも止める事が出来ないのは




どうしてなんだろう・・・・・・