BLです。ご注意下さい。










すれ違い


そう言えば簡単かもしれない。


あの日から、
お互いに個別の仕事が立て込んでしまい
5人の仕事の時以外は会う事が出来ないでいた。


でもそれは今までも何度もあった事だし、ほぼ毎日どちらかの家に行き来している時期もあれば誘われて呑みに行くことが立て続けば暫く会わないなんて事もあったから普段はそんなに気にしていなかったと思う。


けど、こないだのあいつの様子がおかしかった事がずっと気になっていたから・・・


みんなで居る時はそんな話も出来ないし、
ニノの様子も特に変わらなかったから
大丈夫かなって思うけど・・・・・・




「ニノーー今夜空いてる?」



「あ、あーー・・・・ぅん」



「じゃあ、ニノんち?俺んち?」



「どっちでもいいよ」



今夜は大丈夫だった。
やっと2人で会える。
それに浮かれる気分を隠せなかった。



「俺んち来れる?」



「ぅん、分かった。じゃー次の仕事で
  今日は終わりだからその後行くわ」



「うん、なんか作っとくね」



その言葉にありがとうって素直に言うニノの笑顔の裏に隠された不安を、この時の俺は汲み取る事が出来なかった。





夜、夕飯を作っているとメール音が鳴る。


スマホを開くと


[ごめん、やっぱり行けなくなった。]


ってひと言。


[なんかあった?]


[次の仕事の偉い人とご飯しなきゃ。ごめん]


[ならしょうがないね。大丈夫。]


[ありがとう。じゃあまたね。]


[またね、おつかれさま]



そこであっさりと会話は終わり
会えるはずだったのに会えなくなると 
無性に寂しくなった。



電話、出来なかったのかな?

声が聞きたかった・・・・

しょうがないよね。
それが俺達の仕事だし・・・・・



一気に食欲も無くなってきた。



あと、焼くだけだったけど
このまま冷凍しちゃおうかなぁ・・・・

あーー・・・・

暫く、体も触れあえてないし

いっぱい

抱きしめたいよ・・・・


ニノ・・・・・






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「相葉ちゃん、なんて?」



「・・・・・大丈夫だって言ってた。
   それより、大野さん・・・もぅ
   こんな風に会うのはダメだよ
   いくら待っても、俺はやっぱり・・・・」



「ヤダ。無理。おいらはニノが居ないと
   駄目なんだ・・・・・」
  


「・・・・気持ちに応える事は出来ないって
  ハッキリ言ったじゃん」



「・・・・・コレ、いいの?
   もう、要らない?」



「それはっ・・・・要らない

   ・・・・・わけない」



「・・・コレ、相葉ちゃん見たら
   どうなるだろうな?」



「・・・・・それだけは、お願いだから

   ・・・・俺は、何したらいいの?」



その言葉に微笑む大野さんは
俺を引き寄せて抱き締めた。




「このまま、ずっと・・・傍にいてよ」





まーくん・・・・ごめん・・・・