BLです。ご注意下さい。












なに、これ・・・・・




元々普段の俺達はくっ付いているのが当たり前みたいな関係だったけど、それでもこんなに近くに居ることは今まで1度も無かった。

でも、当然だ。

この距離はお互いに同じ気持ちでないと
あり得ない距離なんだから。



一瞬、驚き過ぎて思考が止まり
体が固まってしまっていた。

ハッと我に返り、反射的に拒絶を感じて
腕で思いっきり押して引き剥がそうとする。


でも、こんなに力を入れているのにビクとも動かない。



どうしよう?!  どうしようっ!?!?



何も出来ないでいる間もどんどん口付けが激しくなってくる。
顔を背けても両手で顔を挟まれて戻され、また口付けられる。
無理矢理押し入った舌で口内を蹂躙される。




「んっ・・・・・やっ・・・・だっっ」




涙が頬を伝う。
1度流れた涙はどんどん溢れてくる。



どうしてこんな事になってるんだ・・・?


もう、何も分からない・・・・


けど・・・・


こんなのは・・・・こんなのっ・・・




嫌だっ!!!!!




押しても駄目ならと拳に力を込めて
思いっきり腹に拳を食らわせてやった。




「ウッ・・・・・・ってぇーー・・・・」



「ハァ、ハァ、ハァ、ハァっ・・・

   ばっっかやろぉっ・・・・・・

   いきなりっ  何すんだ!!!!」



キッと睨みつけた。でも普段と変わらない穏やかな表情で微笑む大野さんに戸惑う。




なに、その顔・・・・・




「いってぇーなぁ・・・・
   ニノぉ・・・・・なんで?
   なんでおいらは駄目なの?」 



「あ・・・ったり前だろ?
   あんた・・・・自分がした事
   分かってんの?」



「うん・・・・・・
   でもな?  今、おまえにキスしたら
   ココの苦しいのが楽になったよ。」



「・・・・・・そんな事・・・
   ・・・・言われても・・・・・」




ずっと、こいつはこんな事したのに
平気な顔して俺を見ていると思っていた。



でも、違う・・・・



目を潤ませながら、熱く、熱の籠った眼差しで、縋るように俺を見つめていて・・・・



こんなに弱った目をした大野さんを見るのは



初めてだった・・・・




「ニノぉ・・・・もぅ、

  見ているだけは辛ぇんだよ・・・・

  俺、ずっと・・・ニノが好きだった・・・」




その言葉と表情を見て
拒絶する言葉を吐き出す事なんて
出来るわけがなかった。





でも、



気持ちに応える事は



もっと・・・



出来るわけ、ないじゃんか・・・・・