BLです。ご注意下さい。
暫く振りに来た部屋は
なーんにも変わっちゃいなかった
やりっぱなしのゲームからは
聞き慣れたゲーム音楽が流れていて
ニノんちのBGMになっている
それがなんか安心した。
「突っ立ってないで座ったら?」
「あ、うん・・・」
どうしよう・・・入ってしまったけど
自分に気持ちの整理が出来たわけじゃない。
そんな現状で
俺はニノに何を言う気だ?
''心の声に耳を澄ませば
見えてくるだろう 大事なもの''
そんな歌詞が嵐の歌にあったな・・・
なんて思って心の声を素直に聞いてみれば
自分が決めた意思とは間逆の答えしか出てこない。
「・・・座る気ないの?」
「あ、はいっ座ります!座ります!」
「・・・どうぞ?」
俺の事を訝しげに見ながら
コトンと、当たり前の様に俺が大好きな
ビールを出してくるニノ
俺の事を 何でも知ってるニノ
きっと今日、俺がココに来たのも
何で来たのか分かってくれているニノ
俺が、ちゃんと答えを出すまで
いつもいつも見守ってくれるニノ
大切な、大切な・・・ニノ・・・・
これからもし、松潤と付き合ったりしたら
自分の知らないニノになっちゃうのかな?
俺の見た事の無い顔をあいつに見せるの?
その口から、俺じゃない人を
大切にするような言葉が出るんだ・・・・
やっぱり・・・
やっぱり・・・
「ニノ・・・大好きだよ・・・・・」
自分の意思とは裏腹に
一気に溢れた想いで
不意に出てしまった言葉だった・・・
涙も一緒に溢れて、視界がボヤけていく
そこでハッと我にかえる。
俺・・・・今、言っちゃった?
現実を受け止めたくない気持ちが
まさかな…なんて思わせるけど
でも、 目をまん丸くして驚いた顔のニノを見て
自分が今 心の声を口に出してしまった事が
事実だと知る。
いっきに血の気が引いた。
「ぅわーーーーーっ!!!!
ご、ごっごめん!違うんだ!!
いやっ 違くもないけどっ でもっ!!」
パニクる自分を自分でどうにも出来なくなって慌てて荷物と上着を引っ掴み、もぅ逃げるようにでも帰るしかないと勢いよく立ち上がった。
「ごめん!!!!
今日はもぅ帰るから!!」
でも俺の行動を黙って見ていたニノが
帰ろうとした俺の腕を思い切り掴んできた。
「に、ニノっ」
「・・・・冗談、でしょ?」
「 ・・・・うん、冗談だよ・・・」
目を擦って拭いて 涙をなかった事にした。
俺はまた、自分とニノに嘘を付く。
「嘘・・・・相葉さんの嘘つき・・・」
いっぱいの涙を浮かべて俺を真っ直ぐみるニノに、自分のグラついてる決心なんてすぐ崩れそうになる。
「ニノ・・・俺・・・・」
RuRuRuRuRu
RuRuRuRuRu
ニノの電話が鳴った。
すぐ側にあった電話のディスプレイが見えて
それが松潤からだとすぐ気がついた。
「・・・電話、出なくていいの?」
「今はいい。それどころじゃない」
松潤より俺を選んでくれるニノが
素直に嬉しいと思ってしまう?
もし、俺が今
自分の気持ちに素直になれば
ニノと・・・
幸せになれる未来があるんだ・・・・
甘い誘惑はもぅ目の前にある。
元々我慢なんて性に合わないし
考える事だって得意なわけじゃない
「相葉さん・・・
俺も、あなたが大好きだよ・・・・」
その甘く痺れるような言葉がトドメとなり
ニノを思いっきり抱き締めていた。
俺の中が ニノでいっぱいになった。
「うん・・・・もぅ、離したくない」
好きが
止められない・・・・
