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プロローグ②
相葉雅紀




トントントントントン




いつものようにリズム良く夜の営業の下ごしらえをしているとポンと肩を叩かれた。



「雅紀、コレ今日お前に任せるから」



料理人を目指してる人間にとって嬉しい言葉をかけて貰えた。


今日はなんだか良い日だなぁ なんて、
ちょっと良いコトがあると単純に思ってしまうのが俺の性格だ。


一日の中で新しい事があり浮かれてしまっていた。




「帰ったらこれと同じの作ってやろっ」


「え?なんだよ。彼女が出来たのか?」


俺の独り言を聞いた先輩が声をかけて来た。


「違いますよ~友達ですよ」


「ホントかぁ?なんだ、つまらないな…」




期待する言葉が出てこなくて残念と言った仕草で自分の仕事に戻っていく。






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仕事が終わる。
その後は決まって自分の家には帰らない。


用事が無い限りいつも、あの場所に向かう。



特に待ってるわけじゃないって態度で待つ君の元へ。



美味しい料理を待っている



君の元へ……