誰にもある

幼い頃の忘れられない思い出は


虹の雫のように

心の中の隅っこでキラキラと光る

小さな宝物

 

その一粒一粒を

思い出すたびにちょっぴり心が切なくなって

ほろりと涙がこぼれそうになる


そんな幼い女の子の愛情物語


*

*

*




女の子には


物心ついたときから


ずっと一緒だった幼馴染みの友達がいます




幼馴染みの子とは同級生で


女の子同士いつも


おままごとやぬり絵をしたり


お揃いの小さなぬいぐるみを抱っこして


一緒にあそんでいました




幼馴染みの子にも弟がいて


弟も同級生同士だったので




よく4人でも


ブロックやトランプゲームなどして


本当に家族や兄弟のようにして


楽しく遊んでいました




幼稚園は別々のところに行きましたが


小学校は同じになって


朝は一緒に登校し




帰りは


1年生2年生とクラスが違ったので


時々一緒に帰っていました




3年生になったときには


同じクラスになれたので


2人で嬉しいねって喜びあいました






3年生になってすぐのことでした




女の子はクラスメイトの男子から


からかわれたので


言い返しましたが


泣かされてしまいました





休み時間に先生に訴えても


先生はあまり取り合ってくれず


とても嫌な気持ちで泣いていました




その様子を幼馴染みの子が知って


女の子に駆け寄り



「わたしは何があってもずっと味方だよ」


って言って励ましてくれたのです




傷ついていた女の子の涙は


その言葉をもらってピタリと止まりました




『わたしには


わたしのことを1番わかってくれる


親友がいる』



そう思ったら悲しくなんかなくなりました




からかわれて傷ついた心も


ぜんぜんへっちゃらになって


女の子は強くなれた気がしました





親友ってこんなに勇気をくれるんだ


こんなに心が強くなれるんだ!


って思いました





そして心の中で


「ありがとう!


わたしもずっとずっと1番の味方だよ」



と、幼馴染みの子に心から感謝しました





そんな3年生のある日



女の子も


幼馴染みも




同じ時期に


お互いのお父さんお母さんの事情で


それぞれ


おじいちゃんおばあちゃんの住む


関西に引っ越しすることになりました




偶然にも2人とも


おじいちゃんおばあちゃんが


関西に住んでいて


引っ越し先は隣の県だったのです




ですが


女の子達にとっては


今と比べると


ちょっぴり遠くなってしまったように


思えました





寂しいけど


また絶対手紙書くね!




そう言って


お互いにゆびきりをして


約束をしました





つづく