誰にもある

幼い頃の忘れられない思い出は


虹の雫のように

心の中の隅っこでキラキラと光る

小さな宝物

 

その一粒一粒を

思い出すたびにちょっぴり心が切なくなって

ほろりと涙がこぼれそうになる


そんな幼い女の子の愛情物語


*

*

*




女の子が小学校一年生になった時の


お話です。。。





桜が咲く季節


女の子は小学一年生になりました




入学式には


お母さんが参列してくれました




新しいランドセルと


入学式に合わせて買ってもらった


新品のお洋服を着て




同じ年の幼馴染の子と一緒に


手を繋いで元気いっぱい登校しました




歩きながら女の子が振り返ると


お母さん達は後ろから


女の子達の晴れやかに登校する姿を見ながら


とても嬉しそうに微笑んでいたので




女の子はお母さんのその笑顔を見て


もっともっと


嬉しくて幸せな気持ちになりました





式が終わると


上級生のお兄さんやお姉さん達が


お花のアーチのトンネルを作って


出迎えてくれて



女の子達一年生はその中を


ワクワクドキドキしながらくぐり抜けました




教室では先生から


入学おめでとうの言葉と共に


これから使う


いろいろなものをもらいました





教科書やお道具箱や連絡プリントなど


新しいランドセルに入りきらないくらい


沢山あります




お母さんと一緒に家に帰ってからは


沢山の物達に名前を書きました




女の子も自分で名前を書きたいけれど


まだ上手くは書けないので


お母さんが名前を書いてくれました





何冊もある教科書にも学習帳にも


お道具箱の中のおはじきや磁石などにも




名前を書くものが


本当にたくさんあります




色鉛筆やクレパスにも一本ずつ


名前を書いてもらいました





お母さんが女の子の名前を


何回も書いてくれるのが


女の子はなんだか嬉しくて





大事にしよう


大切に使おうって




名前を書いてもらった物達を見ながら


そっと思ったのでした






幸せな幸せな


一年生になったばかりのときの


女の子の思い出。。。






女の子が大人になって




そして母になって




子供が小学一年生を迎えたときに




女の子のお母さんがしてくれたことを


自分の子供にも同じように




優しさと暖かさで包み込みながら




してあげたのは


言うまでもありません