『錦の松 着物始末暦(六)』(中島要著)を読みました。 | ARTS&WORDS

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こんばんわ。
今日も1日お疲れ様でした。


さて、私は『錦の松』を読みました。
錦の松 着物始末暦(六) 中島要
着物始末暦シリーズの6冊目です。

4作の短編が収録されている中で、表題作が『錦の松』なのがいいな、と思いました。
人のために着物を縫うこと、その着物に願いをこめること、
それってすごくいいですよね。
今の洋服ではできないことの一つだな、と思います。
そもそも洋服の柄って由来とか験担ぎがあるのかしら?
江戸っ子の洒落のきき具合も素敵です。
個人的には、『なかぬ蛍』が表題作でもよかったと思うんですよね。
恋し恋しと鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす。
昔の人は乙なことを言うものです。

お糸ちゃんの縁談話も動きだし、不穏な動きをしていた井筒屋もついに直接対決の様相。
これはますます続きが気になります。
けれど、もう結末の気配が見えてきて次で終わりなのかな、とも思います。
ここまで来たら7冊目で終わるよりも末広がりな8冊目までひっぱってほしいかな。
無駄に間延びしてしまうのも話としては面白くないのかもしれないけれど。

それにしても、幸せになりたーい。
結婚したーい。
海に向かって「ばかやろー」と叫ぶような気持ちでそんなことを思っても、
何も変わらず。
自分で動くしかないんですよね。
相手に気持ちを伝えて、自分の希望をいっぱい伝えて、相手のこともしっかり考えて、
黙っていたって伝わらないし、自分の中に籠もった願いは次第に痛みに変わるから。
正直すごく疲れるし、傷つくことだってあるけれど、
そうやって進んでいくしかないんですよね。



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詳細はこちら。
錦の松 着物始末暦(六) (時代小説文庫)

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明日もいい日になりますように。

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