小学校入学前までに、これは出来るようにしておくと良いだろうな、と思う事のひとつが、「英語だけで会話する」事です。
文法的な正しさや、発音、単語力も同時につけていく努力は当然必要ですが、そのどれも後々強制する事が可能という事は覚えておくと良いと思います。
その中で、一番大切なのではないかと思うことの一つは、とにかく日本語という母語を介さずにコミュニケーションを取るという経験ではないかと思います。
相手と向き合って、相手の英語をまずしっかりと聞く。
理解して、それに対してまた英語で答える。
こういうトレーニングをするのは、日本語が確立された後でするのはとても大変です。
それこそ、経験しておくのは「早ければ早いほど良い」と思います。
０歳の赤ちゃんは、日本語で「可愛いねぇ」と話しかけても、英語で "Oh, you are so cute!" と話しかけても、同じように反応します。
赤ちゃんは褒められる事は何故か分かるんですよね。
驚く、喜ぶ、笑う・・・
こういう、感情表現をしっかり表情で見せてあげながら、正しいイントネーションで話しかければ、きちんと理解して喜んだり、驚いたり、笑ったりします。
お家でも、感情を込めて話せるくらい英語が話せる方なら、英会話は取り入れた方が良いというのが私の考えです。
もちろん、日本語を基本として、英会話の時間もつくるという意味です。
英語が苦手なママなら、ごく簡単な短い言い回しをしっかりと練習して、感情を込めて英会話タイムをしてあげるのは良いと思います。
一番いけないと思うのは、英語を過剰評価し、日本語という母語を軽視してしまう事です。
特に、英語が苦手なママが、「わが子には苦労させたくない」という思いから、ちょっと偏った事をしてしまうケースがあるので紹介させて下さい。
私が反対なのは、以下のようなやり方です。
× 家では出来るだけ日本語での語りかけをしないようにする。でも、自分は英語が出来ないから、英語ＣＤを聞かせたり、英語のＤＶＤを見せたりして、英語を聞く耳を育てる。
× 英語での話しかけをしたいが、やり方が分からないので、英語での会話集を片手に、朝から晩まで、出来るだけ英語フレーズを子どもに対して読みあげて、英語で子育てをする。
あくまで英語が母語ではなく、英語が苦手なママの場合です。
ここにあげたような事をすると、せっかくのママの得意な「日本語」の能力を、十分に子どもに与えないという事になりかねません。
これは、とても残念なことです。「英語が話せる」という事だけなら、英語圏の子どもに敵うはずがありません。
しかし、「英語と日本語が話せる」というのは、すばらしい能力と言えます。
実際、子どもに日本語教育をしている英語圏の保護者の方も、世界にはいる事を忘れてはなりません。
では、英語が苦手なママが、どうしたら英会話の時間を持てるでしょうか。
私が良いと思うのは、限られた状況で、限られた英会話をするという方法です。
例えば、お家にある英語の絵本。
これを、しっかりとママが読みこみます。
出来れば発音にもこだわって、自分がそれなりにきちんと読めるまで練習します。
それをもとに、毎晩読み聞かせの時に、英語を入れて会話をします。
What color is this? と、色を聞いてみたり、
Where is a table? と、何かの探しっこをしたり、
Who is this? と、登場人物の名前を聞いたり・・・
とても短く、限られた内容です。
その絵本についての、ママと子どもの英語です。
それだけですが、やり方によっては繰り返し、繰り返し、英語を話す練習になります。
ここに、I don't know. （分からない。）等々の言い回しを加えて行けば、とりあえずの英会話は成り立つはずです。
とても重要なのは、日本語を決して介入しない事です。
ただし、ママが英語が苦手で、自分が勉強するのも辛いという方には、実際、大変なことだと思います。
英語講師はこう言う事のプロですから、英語は講師にお任せして、日本語教育をママが頑張るというのもひとつの方法ではあります。
コストはかかりますが、一番確実な方法です。
おかしなセット教材に費用をかけて家で試行錯誤するなら、信頼できる先生を一人見つけて、レッスンをお願いしてしまう方がはるかに効果があるのは明白です。
ただ、４歳くらいまでの乳幼児はママへの依存が大きく、また、決まった時間に集中するのも大変だというのも事実ですね。
講師にお願いするにしても、やはり、お家でＣＤや絵本などを上手く活用して、ママがしてあげる英語教育というものは大きい時期です。
ママが作ってあげられるのは、あくまで基礎の部分です。
長く長く学習していく英語という言語の理解のサポートです。
聞く力、話す力、コミュニケーションを取る力の基礎を作ってあげて、後々の学習の助けになるようにしてあげるのが良いと思います。
そして、その幹の部分に、「英語のみでの会話」ははずせないと私は思っています。
これが出来ると、その次のステップとなる、日本語を介さない、「英語による学習」が出来るようになるからです。
SUNNY BUNNYでは、小学校の内容の先取りを英語のみでレッスンに取り入れて行く試みをしています。
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