続きです。前回はこちら

第10位
TWO DOOR CINEMA CLUB『Beacon』
Favorite Track-Sleep Alone
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僕の勝手な法則でジャケットデザインが一貫してダサいバンドは信頼できるというものがありますが、彼らもご他聞に漏れず(曲中では)ナイスなセンスを発揮してくれています
内容は甘酸っぱい青春を彷彿とさせる爽やかなギターポップに電子音の味付けされたサウンドが、フニャいボーカルを引き立てます。
バルーンを使ったライブパフォーマンスもメルヘンチックでいて、尚且つ歌も演奏も音源超えしているという驚異のバンドでした。また観たい!!


フジファブリック好きならハマるはず。


第9位
fun.『SOME NIGHTS』
Favorite Track-SOME NIGHTS
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それこそファーストリリース時は、The Formatのフロントマンがはじめた、なんかググりにくそうなバンド名という印象しかなかったfun.ですが、今となってはGoogle様からすり寄って来てる状況。洋楽が小難しくなってきて何年か経ちましたが、この圧倒的なパワーというか、分かり易さ
はなんなのか。
僕は洋楽の入り口はGreen DayのバスケットケースとDAFT PUNKのONE MORE TIMEでしたが、あの頃は「えいごのうたをきくおれってかっこいい」という優越感が3割、門戸の広さが7割って感じだったと思います。これくらい分かり易いバンドがチャートを席巻する状況は健全だなと思います。(個人的には今の洋楽シーンの方が面白いと思いますが。今僕が中学生だったらアニコレとか余裕で聞いてないと思う)
iTunesから出てる(スタジオ?)ライブアルバムもオススメ!!iTunesリンク

ヒップホップ好きにはAll Aloneとかハマるんじゃないでしょうか。


第8位
VACATIONER『GONE』
Favorite Track-Good As New
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この作品は僕がいつも(勝手に)お世話になっているブログ(無断直リンク)で知ったのですが、インディーロックがヒップホップにナチュラルに恋してるサウンドは見事。


YouTubeの動画貼るためにさがしてたら、こんな素敵ライブ映像が!!すげ~気持ちいですね(自己完結)。


第7位
Various Artists『Kanye West Presents Good Music Cruel Summer』
Favorite Track-To The World
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昨年出たJAY-Zとのタッグ作は全くハマらなかった蟹江先生の作品ですが、この自身をトップとするレーベルのコンピ盤はかなり聞きました。一発目からレーベル所属じゃないRケリーが歌いだすというルール無視っぷりも、呆れを通り越して最早爽快(というかほとんどの曲にレーベル外からのアーティストが絡んでます)。
若手から重鎮までガッツリ絡ませて、ヒップホップの“今”を1枚のアルバムにまとめあげようとする剛腕さと、それをあっさりと成し遂げてしまう実行力は凄まじいの一言。


初手から素晴らしい。

あと関係ないですが本作収録のCliqueとPSYの「江南スタイル」をマッシュアップしたトラックで韓国人ラッパー達がラップする動画↓

5:00~始まります。Simon.Dが個人的に一番好きですが、このスタイルがポップスとして受け入れられてる韓国の音楽業界は単純に凄いと思います。


第6位
KENDRICK LAMAR『good kid m.a.a.d city』
Favorite Track-The Art of Peer Pressure
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本作を知る上ではYAPPARI HIPHOPの解説記事が必読。フェイバリットに挙げたM-4は、レイドバックしたトラック上に爽やかさすら感じるラップが流れる序盤と、不穏なビート上で緊張感あふれるラップにとたんに変わるドラマティックな展開が好みだったので選出(リンク先の解説によると、民家強盗で警察に追われている曲なんですね。パトカーのサイレンも聞こえてきます)。
必ず曲終わりに誰かの会話を挟んだ後次の曲が流れると言うストーリー性の強いアルバム構成でだけに、ここは一語一句対訳で確認したいところ!!
なんて言いつつ、国内盤発売のアナウンスがされたばかりの本作ですが、やはりライナーノーツ・対訳は必須なので買うことになりそうです。こういった事態(すでに日本で話題になっているのに、国内盤のアナウンスが輸入盤販売時点でない)は何度も経験していますが、やはり同じアルバムを何枚も買うことは気持ちいいことじゃないですね。レコード会社は本作がある程度売れることなんて分かりきったことなんじゃないのか??
こうやって後出し先方で小銭を稼ぐ魂胆なら(よく輸入盤は国内のレコード会社はタッチしていないと思われがちですが、そんなことありません)改めて欲しい。
まぁこんなテキトーなコメントばかりのブログで言ったところで説得力皆無なのは重々承知ですが

とは言っても作品に罪はない!
英語が分からなくとも、12分続くラップをストレスなく聞き通させるM-10も見事。



第5位
PARA ONE『Passion』
Favorite Track-Love Ave
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センス皆無ジャケは信頼できる法則発動。

世間がダブステップで浮かれているなか、彼はお得意のカットアップ手法を更に鋭意にして世界中を躍らせた。
……とか書くとカッコいい感じになりますが、その実態は要所要所で昨今のEDMの影響をあっさり受けて要所に散りばめた感じのアルバム。
しかし根底にある偏差値低めのヒップホップに溢れた愛。リミックスワークスで披露する細切れなトラックばかりかと思いきや、歌ものもエモーショナルで心地良い。
ヘンテコポップ聞くなら迷わずEvery Little Thingを。





第4位
BREAK BOT『BY YOUR SIDE』
Favorite Track-全部(あえて選ぶならEPで先行リリースされたBaby I'm Yours)
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続く4位もフランスのトラックメイカーの作品を。
「JUSTICEの次はこいつらだ!!」というキャッチコピーが付いていましたが、彼はジャスティスのようなロック路線というよりは、サンプリング重視のディスコサウンド中心。
今作は3人のシンガーバランス良く配置してポップでナイスなディスコポップを聞かせてくれます。
ジャスティスがDAFT PUNKの「ROBOT ROCK」のDNAを受け継いだのなら、ブレイクボットは「ONE MORE TIME」のDNAを受け継いでると言えるかも。
序盤のFANTASYにハマれば即買いの一枚!!





第3位
JOHN FRUSCIANTE『PBX Funicular Intaglio Zone』
Favorite Track-BIKE
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3位はレッチリの元ギタリスト、ジョン・フルシアンテの最新作を。
僕はミクスチャーロックの中でもzebraheadとSYSTEM OF A DOWNの大ファンなのですが、なぜかレッチリにはそこまでハマらなかったクチ(というか全く好きじゃない)。
しかしネット上ではジョンだけはカルト的な支持を得ていたので試しに本作の前にリリースされたEPを聞いたらのめり込むようにハマっていき、本作も速攻で購入。
ギターを主役に艶のあるボーカルとカオスな電子音で彩られた摩訶不思議な世界観は中毒になる事請け合い。
特にBIKEのズブズブとハマりつつも、トリップできて尚且つPOPであるという、針の穴にラクダを通すような荒業が素晴らしい。あんまり年末ベストに選出されていない印象ですが、もっと評価されるべき名盤。
ライナーノーツにも書かれていたけど「死ぬまで使いきれない金を(嫌々売れ線路線をやって)稼いだ後に、好き勝手に音楽を作っている様が幸せそう」に見える。
「スタジアムライブを続けたところで音楽性を高めることは出来ない」という古巣への喧嘩腰っぷりもいい。多作家のようなので今後も楽しみ。




第2位
Frank Ocean『channel ORANGE』
Favorite Track-Sweet Life
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2位は満を持してという言葉がふさわしいフランク海洋の初のパッケージアルバムを。
アルバムのイントロからプレステ1の起動音、ストリートファイター2(たぶん)のキャラ選択画面のBGMと、20代なら懐かしさのあまり速攻で共振できる導入部分で魅せてくれます。
続くM-2のThinkin' Bout Youも彼のカミングアウトを聞いた後だと一層深みが増す。初っ端から涙無しには聞けない展開。
古き良きR&Bやロックから、インディーロックにも通ずる現代的なサウンドまで当たり前のように乗りこなすバランス感覚も素晴らしく、アルバム全編がクライマックス。全曲シングル級なんて褒め言葉があるが、本作はアルバムという単位でまるっと聞いて展開を味わいつくすのが良いかと。Thinking Bout Youで始まり、Forrest Gumpで終わる構成が素晴らしい。
聞き終えたらアルバムジャケットを見るだけで、勝手に色んな甘酸っぱい記憶がよみがえってくる(僕は同性愛者じゃないけれども)。





LIVE版も。



こちらも。


第1位
Dirty Projectors『Swing Lo Magellan』
Favorite Track-Dance For You
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そして1位はダーティープロジェクターズの新作を。
前作がかなり評価されていましたが、それすらも軽々と越えてしまうロングストレスの才能の底なし具合に震える1枚。
冒頭2曲こそオルタナティヴロックのお手本のような曲ですが、以降はフォーキーなサウンドで統一されています。しかし変態的なリズムが随所随所に紛れ込んでいて、シンプルなのに決して古臭くない演奏と、ソウルフルな歌声に痺れまくる。
最高。明日のライブに行きたかったが今後の金銭状況を鑑みるとなぁ…



以上で昨年の洋楽ベスト終了!!
まさかのPC不調で記事作成中に電源が2回ほど落ちるという背水の陣の中書きあげました。
お待たせしてしまった方がいらっしゃれば本当に申し訳ないです。拙い言葉で綴られた記事ですが、百読は一見にしかず。ぜひ貼ってあるリンクで曲を聞いてみてください。

次は国産HIPHOPのベストディスクを挙げてラストに昨年の総合ランキングでもできるといいのですが…