1. The Boys (JAPANESE ver.)
2. THE GREAT ESCAPE (Brian Lee remix)
3. BAD GIRL feat. DEV (The Cataracs remix)
4. Time Machine
5. MR.TAXI
6. GENIE
7. Gee
8. I’m In Love With The HERO
9. HOOT
10. Let It Rain
11. Beautiful Stranger
12. you
13. Run Devil Run
14. BORN TO BE A LADY
15. Bonus track . MR.TAXI (Steve Aoki remix)
★★★
少女時代の初の日本語アルバム、『GIRLS' GENERATION』のリパッケージアルバム。2011年12月発売。
K-POPに馴染みのない方は「リパッケージアルバム」という言葉を知らないと思うので少し説明を。
韓国ではシングルCDという概念が(音楽不況と言う事もあって)あまりないので（あっても配信だったり、パッケージとしてはミニアルバムが主流だ）、ヒットしたアルバムに新曲を追加したり収録曲の1部を変えて再発売する事が多い。本作はそんな韓国の音楽マーケットにならって『GIRLS' GENERATION』のBAD GIRLとTHE GREAT ESCAPEをリミックス楽曲と差し替え、更に新曲を収録したアルバムだ。
しかし韓国でのフルアルバムの値段は日本円にすると1200～1500円程度。(通販サイトでこの値段だから現地ではもっと安いはず)これならリパッケージ作品が出てもファンの財布も余り傷まないだろうが本作の初回盤は定価4400円(!)前作もDVD付きだと4000円。正直ファン心理につけこんだ悪徳商法と言わざるを得ない。
だけど個人的には「昼飯1週間抜けば買える!!」と思ったので(←完全にカモ)値段と商法に関しては点数に影響していない。
ただ単に新たに収録された曲に不満がある。
本作の目玉として世界デビュー曲となる「The Boys」の日本語ver.(すでに韓国語、英語ver.があるので遂に彼女達の曲で3言語が出揃った瞬間だ)と完全新曲「TIME MACHINE」が挙げられるが、この2曲がどちらともクォリティが極めて低い。
丁寧に作られたオリジナル盤をすでに聴いている身としては、明らかに手抜きとしか思えない。
まず既発曲の日本語歌詞が酷いのは今に始まった事ではないが、「THE BOYS」はあれほど酷評した「Gee」を超えるハイパー原曲クラッシュ。
タイトルの通りBoysを奮い立たせるために作られた曲だが、前回の記事でも触れたように日本での売り出し路線が韓国とは異なる為、他人を応援したいのかセルフボーストしたいのかハッキリしない歌詞は読んでいるだけでも腹立たしくなる。更にこの曲から彼女達は従来の「フックソング」を脱却した為、単に言葉を連呼させて済ましてた今までとは歌詞が違うのでサビがかなり悲惨な出来になっている。
そして歌詞もそうだが、それ以前に日本語の発音が前作と比べると遥かにたどたどしい。
彼女達を逐一追っている人ならご存知だろうが、2011年前半は日本語でフルアルバムを1枚作り更に全国ツアー、秋頃韓国に戻って今度は韓国語のオリジナルアルバムに加えて新番組(各メンバーのドラマ、バラエティ、当然ながら音楽番組etc)の出演から世界デビュー用の楽曲のレコーディング→本作発売といった、日本で出された写真集の『Holiday』というタイトルが皮肉な程に過密なスケジュールで活動してきた。
慣れない言語には当然それなりのレッスンも必要だろうが、今作では上記の強行スケジュールが災いして殆どレッスンもせずにレコーディングしたのが素人目(耳)にも丸分かりだ。
先輩の東方神起は何故か日本語をじっくり聞かすバラードの方が日本語が上手く聞こえるが、彼女達の記念すべき初の日本語バラード「TIME MACHINE」は日本人としては終始違和感が拭えない曲だ。これならネイティブのジェシカとティパニを引っ張り出して全英詞のバラードでも歌ってもらった方が良かった。（寧ろ作ってくれ!!）
ただリミックス楽曲はどれもフロア仕様になっていて結構気に入っている。特にクレジットを見てから既に期待していたスティーヴアオキのMR. TAXIは、原曲の疾走感を崩さずUS現行（と言うかフレンチエレクトロ）の音に綺麗に昇華していると思う。
BAD GIRLには客演でFar East Movement周りでおなじみのDEVがラップで参加しているが、歌詞が載っていないのが残念。
こういう所で洋楽への入り口を作った方がユニバーサルとしてもビジネスのチャンスになり得ただろうに。
と言うわけで本作は洋楽好きであったりリミキサー陣に惹かれて、少女時代にアルバム単位で触れていない人か、彼女達の作品なら買い逃したくないと言うマニア気質な人以外にはあまりお薦め出来ない。
付属のDVDにはBAD GIRLとThe Boys(ENG ver.)のMVが収められているが、ぶっちゃけ両方YouTubeで見れるのでどうせならアルバムメイキングでも映像で見たかった。
【余談】
今作参加のDEVの曲「Bass Down Low」↓だが、
DEV Feat. The Cataracs-「BASS DOWN LOW」
GD&TOPの「KNOCK DOWN」とのマッシュアップがカッコいい。
GD&TOP-「뻑이가요 (KNOCK OUT) M/V」
GD & TOP-Knock Down Low (vs. Dev, Cataracs) (REX R Mashup)
詳細不明だがBIGBANGや2NE1といったYG所属のアーティストの曲と洋楽等のマッシュアップアルバム『YG IN DA MIX』シリーズがフリーダウンロード出来るので興味ある方は是非。↑の曲はPart2に収録されています。
こういう所で曲/アーティスト同士がリンクするのが気持ちいいので、音楽を聴く事はやめられない。