$雑食食堂

★★★

ネタバレアリ

公開当初普段映画を見ない友人からも「面白い!!」と言われ、『ダークナイト』が大好きという事もあって観に行ったが、前日の不眠が祟ってか序盤の長いルール説明で鬱陶しくなり、尚且つ重要なシーンでは登場人物が全員椅子にもたれて爆睡していて、「なんで画面の奴らはグースカ寝ているのに俺はこんなに眠い中頭をフル回転させて小難しい映画を見なきゃいけないんだ…」と意味不明の怒りが込み上げてきて(逆恨み)、気付いたら寝ていた。

慌てて起きると序盤のディカプリオがある島に流されるシーンになっていて、「完全入れ替え制のシネコンで爆睡して、次回上映が始まっているのに居座ってしまった…しかもまだ始まったばかりのシーンだから立ち去りづらい!!」と物凄い羞恥に襲われるが、隣席に同行していた友人が呆れた顔でこっちを見ていた。どうやらまだ映画は終わって無いようだ。最後にディカプリオがコマをくるくる回していてその駒が回り終えるか終えないかでエンドロールが始まる。
何が何だか分からないまま劇場を後にした。


…というなんとも恥ずかしい失態を犯し、「難しい映画はこりごりだ」と思ったが、年末になっても『インセプション』絶賛の声は鳴りやまない。
僕自身もその輪にどうしても混ざりたくなり、先日三軒茶屋でリベンジ。なんか十分に寝てから臨んだら負けた気がするので3時間寝てから行った。

前回のように寝る事は無かったが、文句なしに「面白い!!」と言えるかと聞かれれば年間ベスト10には入らないくらい、という感想が正直なところ。

個人的な考えだが、映画監督は「“画”として見せたいもの」と「“メッセージ”を映像で見せたいもの」二つがあるから映画という作品で表現活動を行うんだと思う。
今作で言えば前者は「エッシャーのだまし絵を実写で再現」や「折れ曲がる街」、後者は「親子のきずな」といったところだろうか。

しかしこの二つが映像の中で喧嘩し合っているなと感じた。2時間半という娯楽映画としては長めの尺になったのもそれゆえんなのではないだろうか。

そして一回目に見事爆睡したルール説明。やっぱり長い。長すぎる。尺的な問題もあるだろうが映画で感じる長さは物理的なものより体感的なものにウェイトがある。簡単に言えば退屈だったのだ。

登場人物が、自己中心的なディカプリオ以外敵も味方も善人すぎるのもまた不満だった。
『ダークナイト』はジョーカーがいるから二時間半もったようなものでやはりキャラの魅力も『ダーク~』より劣っていると感じた。

と、ここまでだらだら不満点を挙げたのも本作が絶大な支持を得ているから、敢えてこういう気になる部分もあるよという意味で書いたのであって、僕自身はとても楽しめた映画だった(2回目のみ)。

序盤のルール説明がクドイと感じるかそうでないかで好みが分かれそうだ。

インセプション Blu-ray & DVDセット (初回限定生産)/レオナルド・ディカプリオ,渡辺謙,ジョセフ・ゴードン=レヴィット

¥3,980
Amazon.co.jp