さてさて続きです。
14位
EGO『EGOLOGY』
『秋場所』で知ったラッパーのファーストアルバム。歌詞記載はリードトラックの「No Reaction」のみですが、カッチリ聞かせるスキルを持っているので問題なし。
「No~」は東京の持つ孤独感、哀愁を丁寧に描き出している名曲。
客演陣もインヤンの二人やOKIにL-VOKALなど実力派揃いでがっちり主役をサポート。
OKI参加の「CUT」も会社勤めをする幼馴染と自分にエールを送るOKIのバースも素晴らしいですが、EGO自身のフックが良い。「武士は食わねど高楊枝」を地で行く姿勢は憧れる。
それでいて「頭だけ見たらお寺の住職」なんてB系ファッションを自嘲気味に言うおどけた感じも好印象。最近の若手はこのバランス感覚が絶妙ですよね。
13位
SUIKA『スイカ夜話』
バンド主催のイベント、「スイカ夜話」をタイトルにした5枚目のアルバム。
まるでこのイベントのセッションライブを音源で再現するかのようにイベント出演者達とコラボして作られたこのアルバム。スイカだから素晴らしい作品なのは間違いないのですが、インタビューでプロデューサーのタケウチカズタケが言っていたように、今作はトラックがどれもヒップホップ指数が高い。それが「スイカとヒップホップシーンの距離感」がストレスになっているのではと思いました。(実際アメブレイクのインタビューでそれを匂わす発言がありまして…)
今作のトラックも好きですが、やはりバンドサウンドが一番スイカには合うんじゃないのかなぁと感じてしまったりもしてこの順位に落ち着きました。
しかし15分もある降神との「タマキハル」の完成度は異常です。15分もあって曲調が派手に変わるわけでもないのに、ダレる事がない。凄すぎ。
12位
mikE maTida『Hey Mikee! Vol.1:Deluxe Edition』
フリーミックステープ。ダウンロードはこちらから。
お菓子のパッケージのパロディであるジャケット通り、ユーモアあふれるラップが聴ける作品です。
今年のトレンドだったSWAG HIPHOP(自身を洗練されたラップスタイルでカッコ良く魅せる※定義が曖昧なので必ずしもこういう意味だけではないと思います)の中でも、マイキーはひと癖ありまして、まぁ彼のスワッグはギャグです(多分)。
ユーモアあふれるラップで出身の大分や現在住んでいる(僕の地元でもある)杉並区を面白おかしく賛美したり、更には自身のバツ一経験も赤裸々にラップするというラップするネタの出し惜しみの無さが魅力です。
以前の奥さんとの思い出を「BABY」や「Divorce」で感傷的に振り返ったと思いきや次の曲では、「バツ一はモテるってジンクスがあるッ」とナンパに精を出すショーもなさっぷりも人間臭くて、何より面白くて良いです。
ラップスタイルは般若が一番近いです。オーソドックで韻も丁寧に踏んでいるんで聴き心地も良いし、しかもユーモアに関してはマイキーの方が上手かもしれないです。
「頼むか~ら/無料(タダ)だか~ら/ダウンロードして!!」
「ギャグのセンスなら勝ってんぜ!/俺の彼女のおやじも笑ってんぜ!」
などパンチラインだらけです。取り敢えず杉並区民は必ず聞いて下さい!!
↑こちらは先日発表されたvol.2。ニッキ・ミナージュのヒット曲「Check It Out!」のジャックもあって面白いです。ダウンロードはこちらから!!!!
彼のブログもヒップホップネタに事欠かないんで読むと面白いですよ。
11位
KREVA『OASYS』
クレバの作品の中でも異彩を放つ作品になりましたね。
記事に書いたとおり、衝撃的な言葉の数々…受け止めてみてください。
10位
klooz『NO GRAVITY』
こちらもフリーミックスアルバム。ダウンロードはこちらから。
タイトル通り重力を感じさせない奔放なラップを人懐っこいフロウで繰り出すクルーズ。
AKLOを始めとする、ビートジャッキンで名を挙げたアーティストが勢揃いしているお得感も高順位の要因でした。
それにしてもはやくMoNDoHのアルバムを聞きたい…
細かい感想は記事にあるんで宜しければどうぞ。
9位
RAU DEF『ESCARATE』
ついに僕とタメでガッツリアルバムを作れてしまう人が出て来てしまいました…(去年もPOCKYがいましたが)しかもPUNPEE全面バックアップで!!
キンキン声寸前の高音でラップするラウデフは何よりビートへのアプローチがエネルギッシュでカッコいい。
キレキレのフロウで一聴すると歌詞の中身が無いように思えますが、業界の年功序列に苦言を呈したり、「同情するなら仕事をくれ!!」と言い切るプロフェッショナルぷりにハッとさせられる時があります。
さすがにスラックとのコラボ曲はスラックの実力の高さを改めて実感させられましたが…僕とタメだもんなぁ。凄い。
8位
やけのはら『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』
いわゆる「日本語ラップ」文脈からは外れたアルバムですが、素晴らしいラップアルバムには変わりありません。
「Rollin' Rollin'」でご存じの通りとぼけた感じで鼻声気味にラップする彼のスタイルは人を選ぶかもしれませんが、飄々とした佇まいで繰り出される言葉は、誰かにとってはきっと懐かしい夏の思い出の数々。
特に夏の涼しげな夜の雰囲気を纏った「Rollin'~」とは打って変わって夕暮れを表現するようなアーバンソウルバージョンの「Rollin'~」から「時は経ち人は去り思い出が置き去り」「イツカ思い出すかなこんな日々を」と七尾旅人と歌う「I REMEMBER SUMMER DAYS」。そしてこれ以上ないくらいキラキラしたトラックで「BYE BYE 俺達が見つけた(壊した/守った)ナニカ」と、思い出にも別れを告げる「BYE BYE BYE」の流れがクライマックス。泣かずには聞けません。
しかし「未開封の未来へ/まだ何にも始まっていないぜ」とどこまでもポジティブな彼の姿勢にも同時に励まされます。
透明なノスタルジックに彩られたアルバム。
懲りずに長々と書いていきましたが、次でいよいよラストです!!日本語ラップランキング。
余裕があれば洋楽編もやりたいのですが僕の浅はかさが益々ばれてしまいそうなので 笑悩んでいます。
ご覧の方で日本語ラップリスナーの方がいらっしゃったら今年のベスト5なんかを書いていただけたら喜びます!
お暇なときにでも。
それではまた次回に。
14位
EGO『EGOLOGY』
『秋場所』で知ったラッパーのファーストアルバム。歌詞記載はリードトラックの「No Reaction」のみですが、カッチリ聞かせるスキルを持っているので問題なし。
「No~」は東京の持つ孤独感、哀愁を丁寧に描き出している名曲。
客演陣もインヤンの二人やOKIにL-VOKALなど実力派揃いでがっちり主役をサポート。
OKI参加の「CUT」も会社勤めをする幼馴染と自分にエールを送るOKIのバースも素晴らしいですが、EGO自身のフックが良い。「武士は食わねど高楊枝」を地で行く姿勢は憧れる。
それでいて「頭だけ見たらお寺の住職」なんてB系ファッションを自嘲気味に言うおどけた感じも好印象。最近の若手はこのバランス感覚が絶妙ですよね。
13位
SUIKA『スイカ夜話』
バンド主催のイベント、「スイカ夜話」をタイトルにした5枚目のアルバム。
まるでこのイベントのセッションライブを音源で再現するかのようにイベント出演者達とコラボして作られたこのアルバム。スイカだから素晴らしい作品なのは間違いないのですが、インタビューでプロデューサーのタケウチカズタケが言っていたように、今作はトラックがどれもヒップホップ指数が高い。それが「スイカとヒップホップシーンの距離感」がストレスになっているのではと思いました。(実際アメブレイクのインタビューでそれを匂わす発言がありまして…)
今作のトラックも好きですが、やはりバンドサウンドが一番スイカには合うんじゃないのかなぁと感じてしまったりもしてこの順位に落ち着きました。
しかし15分もある降神との「タマキハル」の完成度は異常です。15分もあって曲調が派手に変わるわけでもないのに、ダレる事がない。凄すぎ。
12位
mikE maTida『Hey Mikee! Vol.1:Deluxe Edition』
フリーミックステープ。ダウンロードはこちらから。
お菓子のパッケージのパロディであるジャケット通り、ユーモアあふれるラップが聴ける作品です。
今年のトレンドだったSWAG HIPHOP(自身を洗練されたラップスタイルでカッコ良く魅せる※定義が曖昧なので必ずしもこういう意味だけではないと思います)の中でも、マイキーはひと癖ありまして、まぁ彼のスワッグはギャグです(多分)。
ユーモアあふれるラップで出身の大分や現在住んでいる(僕の地元でもある)杉並区を面白おかしく賛美したり、更には自身のバツ一経験も赤裸々にラップするというラップするネタの出し惜しみの無さが魅力です。
以前の奥さんとの思い出を「BABY」や「Divorce」で感傷的に振り返ったと思いきや次の曲では、「バツ一はモテるってジンクスがあるッ」とナンパに精を出すショーもなさっぷりも人間臭くて、何より面白くて良いです。
ラップスタイルは般若が一番近いです。オーソドックで韻も丁寧に踏んでいるんで聴き心地も良いし、しかもユーモアに関してはマイキーの方が上手かもしれないです。
「頼むか~ら/無料(タダ)だか~ら/ダウンロードして!!」
「ギャグのセンスなら勝ってんぜ!/俺の彼女のおやじも笑ってんぜ!」
などパンチラインだらけです。取り敢えず杉並区民は必ず聞いて下さい!!
↑こちらは先日発表されたvol.2。ニッキ・ミナージュのヒット曲「Check It Out!」のジャックもあって面白いです。ダウンロードはこちらから!!!!
彼のブログもヒップホップネタに事欠かないんで読むと面白いですよ。
11位
KREVA『OASYS』
クレバの作品の中でも異彩を放つ作品になりましたね。
記事に書いたとおり、衝撃的な言葉の数々…受け止めてみてください。
10位
klooz『NO GRAVITY』
こちらもフリーミックスアルバム。ダウンロードはこちらから。
タイトル通り重力を感じさせない奔放なラップを人懐っこいフロウで繰り出すクルーズ。
AKLOを始めとする、ビートジャッキンで名を挙げたアーティストが勢揃いしているお得感も高順位の要因でした。
それにしてもはやくMoNDoHのアルバムを聞きたい…
細かい感想は記事にあるんで宜しければどうぞ。
9位
RAU DEF『ESCARATE』
ついに僕とタメでガッツリアルバムを作れてしまう人が出て来てしまいました…(去年もPOCKYがいましたが)しかもPUNPEE全面バックアップで!!
キンキン声寸前の高音でラップするラウデフは何よりビートへのアプローチがエネルギッシュでカッコいい。
キレキレのフロウで一聴すると歌詞の中身が無いように思えますが、業界の年功序列に苦言を呈したり、「同情するなら仕事をくれ!!」と言い切るプロフェッショナルぷりにハッとさせられる時があります。
さすがにスラックとのコラボ曲はスラックの実力の高さを改めて実感させられましたが…僕とタメだもんなぁ。凄い。
8位
やけのはら『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』
いわゆる「日本語ラップ」文脈からは外れたアルバムですが、素晴らしいラップアルバムには変わりありません。
「Rollin' Rollin'」でご存じの通りとぼけた感じで鼻声気味にラップする彼のスタイルは人を選ぶかもしれませんが、飄々とした佇まいで繰り出される言葉は、誰かにとってはきっと懐かしい夏の思い出の数々。
特に夏の涼しげな夜の雰囲気を纏った「Rollin'~」とは打って変わって夕暮れを表現するようなアーバンソウルバージョンの「Rollin'~」から「時は経ち人は去り思い出が置き去り」「イツカ思い出すかなこんな日々を」と七尾旅人と歌う「I REMEMBER SUMMER DAYS」。そしてこれ以上ないくらいキラキラしたトラックで「BYE BYE 俺達が見つけた(壊した/守った)ナニカ」と、思い出にも別れを告げる「BYE BYE BYE」の流れがクライマックス。泣かずには聞けません。
しかし「未開封の未来へ/まだ何にも始まっていないぜ」とどこまでもポジティブな彼の姿勢にも同時に励まされます。
透明なノスタルジックに彩られたアルバム。
懲りずに長々と書いていきましたが、次でいよいよラストです!!日本語ラップランキング。
余裕があれば洋楽編もやりたいのですが僕の浅はかさが益々ばれてしまいそうなので 笑悩んでいます。
ご覧の方で日本語ラップリスナーの方がいらっしゃったら今年のベスト5なんかを書いていただけたら喜びます!
お暇なときにでも。
それではまた次回に。