今年聞いた日本語ラップのCDは70枚くらい。それでも買い逃したCDが20枚は軽くあるという…シーンの充実っぷりが窺える1年でした。
当初はベスト20でランキングを発表するつもりだったのですが、フリーダウンロードミックステープにも信じられないほどの量の傑作があったので急遽無料アルバムも組み込み、30枚(+3枚)のアルバムを発表する事にしました。
以前のポップ&ロックベストもそうですが、30位台だと一見僕が評価していなさそうに見えますがそんなことは無いです。寧ろどれも自身を持って薦められます。
そしてフリーのアルバムはヒップホップを聞いたこと無い人にこそ是非落として聞いてもらいたいです。なんせ無料なんですから。
それでは行きます!!
33位
だるまさん『SKILL & CONCEPT 2007-2010』
それこそ韻踏のOHYAのころから好きだったんですが、ブランクのせいか『HOW TO RIDE』の頃のような勢いが無くなり、落ち着いてしまった印象を受けました。しかしビートへのアプローチは相変わらず斬新だなぁと思います。
32位
KEN THE 390『NEW ORDER』
当時鳴り物入りでメジャーデビューしたKEN THE 390もセールスが余りふるわず…ただアメブレイクのインタビューでの「音楽に対する姿勢」はとても素晴らしく(これはだるまさんも同じ)作品に手を出したがしかし…というのは以前記事に書いたとおりです。
ただ「女の子に気軽に貸せるヒップホップアルバム」という課題はクリアできていると思います。それでいて「ポップ」に逃げない姿勢も信頼できます。彼主催の豪華なゲストを呼ぶイベント「超・ライブへの道」にもいつか行ってみたいです。
↑こちらは今年発表したフリーダウンロードアルバム。公式見たら無かったので、もし興味があればどこかで見つけてダウンロードしてみてください。
30位
DABO『HI-FIVE』
「ニトロ周辺の音源なら買って損なし!!」なんて頃が今では懐かしく思えます。なんといっても僕がヒップホップにハマったのはニトロとライムスターのお陰です。ニトロのようなスタイルのラッパーは、ビートへの言葉のアプローチに「瞬発力」が不可欠で、それが鈍ってきたのが翳りの原因なのかなぁと思います。
そんな中出されたニトロでもトップを争う人気のDABO氏の作品は、ツイッターの異常な褒め具合には疑問符が浮かぶにしても大健闘した作品でしょう。
かつての人気にすがることなく、しかしながら一体どれほどのプレッシャーを感じてこの作品を彼が作り上げたのか…それを真正面から受け止めて吐き出すラップは当時のふてぶてしさは無くなれど言葉選びもまだ衰えていません。元旦に発売されるニトロのアルバムにも期待できそうです。
29位
V.A.『24HOUR KARATE SCHOOL JAPAN』
カレンシーのアルバムでも生音を生かしたトラック作りで高い評価を得たスキービーツの、日本人ラッパーを招いたオムニバス盤。このアルバムに入っているアーティスト聞いとけば今年の話題にはついていける!!というくらい豪華なラッパー陣ですが、奈何せんスキービーツのトラックは日本人の耳で聞くと、ラップを乗せづらそうなものばかり………にも関わらず、健闘していたと思います。
やはり「24Bars To Kill」のカッコ良さは異常ですね。PVのクォリティも尋常じゃない。
↑最高!!!!
28位
Astro『PLAY』
大傑作だったメジャーファーストアルバムから一転、インディーズでリリースされた本作は、TAO脱退の影響もあってかどこか物足りない印象が強かったです。トラックも前作のロッキン・エレクトロなサウンドでなく、ピコピコサウンドの目立つポップミュージックな仕上がりに少し疑問が…
しかしそれらを器用に乗りこなす3人のMCのスキルは確か。まさかの佐々木希とのコラボをバネに、もっと売れていって欲しいと思います。
正直佐々木希はそこまで可愛いと思わない。
27位韻踏合組合『都市伝説』
10周年というアニバーサリーイヤーに出された本作はかつてのメンバーも客演に呼び、プロデュースもこれまた元メンバーのエヴィスビーツによるトータルプロデュースというなんとも豪華なアルバム。
バラエティ色に富んだ前作よりも雰囲気はメンバーの抜けた初めてのアルバム、『Trash Talk』に近い印象です。おちゃらけ感もありつつ、ラップは直球って感じで。
東京でのリリースライブに行けなかったのが何より心残りです、
26位
あるぱちかぶと『◎≠』
リリース時にあまり話題にならなかった印象が強い彼ですが、Shing02のフォロワー的なスタイルはただの模倣に終始することなく独自のスタンスを確立していると思います。
ただ言葉詰め込み具合が激しいため、歌詞カードを見ないとリリックを終えないのが難点。フロウが問題なのだろうか。
その分歌詞カードに記載されたリリックは聡明で文字を追うだけで物語を脳内に映し出せる写実性はこれがファーストアルバムとは思えないほどです。
スタンスは違えど彼ならビッグジョー級のストーリーテラーになり得ます。
27位
Shing02『400 REGGAE REMIX BY DJ A-1』
現在入手困難なShing02のアルバム、『400』のアカペラをレゲエトラックとブレンドさせた無料アルバム。
ダウンロードはこちらから
リミックスアルバムだったのでこの順位にしましたが、これはとんでもないアルバムです。
実は僕はシンゴツーのねちっこいフロウが苦手だったのですが(彼の英語のラップは好き)、レゲエトラックの上に乗っかると一切ストレスを感じることなく聞き通せました。
あるぱちかぶとの項で「言葉を詰め込みすぎて聞き取れない」と書きましたが、シンゴツーに関しては同じくらいの言葉の密度であるのに歌詞カードも要らないほどに鮮明に聞きとれます。それもあるぱちのほうが滑舌は良いのに!!
言葉の配置の仕方や韻の踏み方を徹底的に研究しているのがこの作品を聞くと分かります。本当に凄い。
25位
Cherry Brown『Where's Tha Lovvve :
Lil'諭吉としても活躍中のラッパー/トラックメイカーの、Cherry Brown名義でのフリーダウンロードアルバム。
ダウンロードはここから。
全30曲トータルタイム80分というとんでもないボリュームですが、そこはミックステープ、あきさせない構成になっているのでご安心を。
リル諭吉名義の作品をしっかり聞いた事がないのでアレなんですが、この人結構なオタクみたいで歌詞でも「俺の嫁がぁ~」みたいなリリックも多くて面白いです。特に「CB Takls」と題されたスキットでの独白は、嫁に対するアツい思いが伝わってきて面白いです(キャラ名は良くわかんないけど)。ギャグセン高いなぁ~
特筆すべきなのはMINTを招いて作った「よりどりみどり」のリミックスバージョン。オートチューンで加工しまくったこの曲はPerfumeのかしゆかやAKBや声優(?)へ愛に満ち溢れたリリックもさることながら楽曲自体のクォリティがとんでもなく高いです!必聴!!!
「AB-BOY SWAG」なんて曲でビーボーイの成り上がり精神に対する自身のスタンス表明も面白いです。ある意味スワッグありまくりで。
…とめどなく書き連ねてみたらとんでもない長さになってしまいました。ここまで読んで下さった人がいたら本当に感謝です。そしてよろしければ後24作品、お付き合いください。。
マジで長すぎるんでこれ以降は次回にします!!
当初はベスト20でランキングを発表するつもりだったのですが、フリーダウンロードミックステープにも信じられないほどの量の傑作があったので急遽無料アルバムも組み込み、30枚(+3枚)のアルバムを発表する事にしました。
以前のポップ&ロックベストもそうですが、30位台だと一見僕が評価していなさそうに見えますがそんなことは無いです。寧ろどれも自身を持って薦められます。
そしてフリーのアルバムはヒップホップを聞いたこと無い人にこそ是非落として聞いてもらいたいです。なんせ無料なんですから。
それでは行きます!!
33位
だるまさん『SKILL & CONCEPT 2007-2010』
それこそ韻踏のOHYAのころから好きだったんですが、ブランクのせいか『HOW TO RIDE』の頃のような勢いが無くなり、落ち着いてしまった印象を受けました。しかしビートへのアプローチは相変わらず斬新だなぁと思います。
32位
KEN THE 390『NEW ORDER』
当時鳴り物入りでメジャーデビューしたKEN THE 390もセールスが余りふるわず…ただアメブレイクのインタビューでの「音楽に対する姿勢」はとても素晴らしく(これはだるまさんも同じ)作品に手を出したがしかし…というのは以前記事に書いたとおりです。
ただ「女の子に気軽に貸せるヒップホップアルバム」という課題はクリアできていると思います。それでいて「ポップ」に逃げない姿勢も信頼できます。彼主催の豪華なゲストを呼ぶイベント「超・ライブへの道」にもいつか行ってみたいです。
↑こちらは今年発表したフリーダウンロードアルバム。公式見たら無かったので、もし興味があればどこかで見つけてダウンロードしてみてください。
30位
DABO『HI-FIVE』
「ニトロ周辺の音源なら買って損なし!!」なんて頃が今では懐かしく思えます。なんといっても僕がヒップホップにハマったのはニトロとライムスターのお陰です。ニトロのようなスタイルのラッパーは、ビートへの言葉のアプローチに「瞬発力」が不可欠で、それが鈍ってきたのが翳りの原因なのかなぁと思います。
そんな中出されたニトロでもトップを争う人気のDABO氏の作品は、ツイッターの異常な褒め具合には疑問符が浮かぶにしても大健闘した作品でしょう。
かつての人気にすがることなく、しかしながら一体どれほどのプレッシャーを感じてこの作品を彼が作り上げたのか…それを真正面から受け止めて吐き出すラップは当時のふてぶてしさは無くなれど言葉選びもまだ衰えていません。元旦に発売されるニトロのアルバムにも期待できそうです。
29位
V.A.『24HOUR KARATE SCHOOL JAPAN』
カレンシーのアルバムでも生音を生かしたトラック作りで高い評価を得たスキービーツの、日本人ラッパーを招いたオムニバス盤。このアルバムに入っているアーティスト聞いとけば今年の話題にはついていける!!というくらい豪華なラッパー陣ですが、奈何せんスキービーツのトラックは日本人の耳で聞くと、ラップを乗せづらそうなものばかり………にも関わらず、健闘していたと思います。
やはり「24Bars To Kill」のカッコ良さは異常ですね。PVのクォリティも尋常じゃない。
↑最高!!!!
28位
Astro『PLAY』
大傑作だったメジャーファーストアルバムから一転、インディーズでリリースされた本作は、TAO脱退の影響もあってかどこか物足りない印象が強かったです。トラックも前作のロッキン・エレクトロなサウンドでなく、ピコピコサウンドの目立つポップミュージックな仕上がりに少し疑問が…
しかしそれらを器用に乗りこなす3人のMCのスキルは確か。まさかの佐々木希とのコラボをバネに、もっと売れていって欲しいと思います。
正直佐々木希はそこまで可愛いと思わない。
27位韻踏合組合『都市伝説』
10周年というアニバーサリーイヤーに出された本作はかつてのメンバーも客演に呼び、プロデュースもこれまた元メンバーのエヴィスビーツによるトータルプロデュースというなんとも豪華なアルバム。
バラエティ色に富んだ前作よりも雰囲気はメンバーの抜けた初めてのアルバム、『Trash Talk』に近い印象です。おちゃらけ感もありつつ、ラップは直球って感じで。
東京でのリリースライブに行けなかったのが何より心残りです、
26位
あるぱちかぶと『◎≠』
リリース時にあまり話題にならなかった印象が強い彼ですが、Shing02のフォロワー的なスタイルはただの模倣に終始することなく独自のスタンスを確立していると思います。
ただ言葉詰め込み具合が激しいため、歌詞カードを見ないとリリックを終えないのが難点。フロウが問題なのだろうか。
その分歌詞カードに記載されたリリックは聡明で文字を追うだけで物語を脳内に映し出せる写実性はこれがファーストアルバムとは思えないほどです。
スタンスは違えど彼ならビッグジョー級のストーリーテラーになり得ます。
27位
Shing02『400 REGGAE REMIX BY DJ A-1』
現在入手困難なShing02のアルバム、『400』のアカペラをレゲエトラックとブレンドさせた無料アルバム。
ダウンロードはこちらから
リミックスアルバムだったのでこの順位にしましたが、これはとんでもないアルバムです。
実は僕はシンゴツーのねちっこいフロウが苦手だったのですが(彼の英語のラップは好き)、レゲエトラックの上に乗っかると一切ストレスを感じることなく聞き通せました。
あるぱちかぶとの項で「言葉を詰め込みすぎて聞き取れない」と書きましたが、シンゴツーに関しては同じくらいの言葉の密度であるのに歌詞カードも要らないほどに鮮明に聞きとれます。それもあるぱちのほうが滑舌は良いのに!!
言葉の配置の仕方や韻の踏み方を徹底的に研究しているのがこの作品を聞くと分かります。本当に凄い。
25位
Cherry Brown『Where's Tha Lovvve :
Lil'諭吉としても活躍中のラッパー/トラックメイカーの、Cherry Brown名義でのフリーダウンロードアルバム。
ダウンロードはここから。
全30曲トータルタイム80分というとんでもないボリュームですが、そこはミックステープ、あきさせない構成になっているのでご安心を。
リル諭吉名義の作品をしっかり聞いた事がないのでアレなんですが、この人結構なオタクみたいで歌詞でも「俺の嫁がぁ~」みたいなリリックも多くて面白いです。特に「CB Takls」と題されたスキットでの独白は、嫁に対するアツい思いが伝わってきて面白いです(キャラ名は良くわかんないけど)。ギャグセン高いなぁ~
特筆すべきなのはMINTを招いて作った「よりどりみどり」のリミックスバージョン。オートチューンで加工しまくったこの曲はPerfumeのかしゆかやAKBや声優(?)へ愛に満ち溢れたリリックもさることながら楽曲自体のクォリティがとんでもなく高いです!必聴!!!
「AB-BOY SWAG」なんて曲でビーボーイの成り上がり精神に対する自身のスタンス表明も面白いです。ある意味スワッグありまくりで。
…とめどなく書き連ねてみたらとんでもない長さになってしまいました。ここまで読んで下さった人がいたら本当に感謝です。そしてよろしければ後24作品、お付き合いください。。
マジで長すぎるんでこれ以降は次回にします!!