$雑食食堂

★★★★

9月29日発売の3.5thアルバム。
高校生の時に『17歳』がやたら人気でどれ聞いてみるかと気軽にレンタルしてみるとなんだかふにゃふにゃした演奏に、これまたふにゃふにゃした歌が乗っかっていて1曲目でさようならした記憶がある。

それ以来全く聞いていなかったが、今作はなんと元ズットズレテルズの呂布がラップで参加(1,7)していると聞いて早速聞いてみるととても良い。
今年出たロックアルバムの中でも相当好きな部類に入る。

アマゾンのレビューでは「ヒップホップにサウンドが接近した」なんて書かれているが、寧ろ逆。「ギターロック」なサウンド上で自由にねっとりとしたラップを呂布が聞かせているのだ。

呂布は恐らく僕より年下のはずだが、いったいどれだけの研鑽を積んでこのスキルを手に入れたのだろう。

もちろんゲストだけでなくベボベ本体も緩やかなギターロックがとても心地よく、なんだかモヤシな歌詞もあんなに当時嫌悪感があったのが嘘みたいにすんなり体に馴染んだ。多分僕の中での「青春」がとっくのとうに終わっているから、「居心地の悪さ」みたいなのが薄れたんじゃないのかなと思う。そういう意味では「青春ロックバンド」の代名詞であるベボベは、「青春を終えた人達のためのバンド」であるのかな、と。

なんだか既視感バリバリのサウンドも、ボーカル小出の独特な言語センスと関根嬢の鬼キュートなコーラスでどうでも良くなってしまう。
そんな本作には関根嬢が4曲目でメインボーカルをつとめていて、これがまた良い曲なんです。
『17歳』の時より明らかに骨太になった演奏と言葉遊びが巧みな歌詞はこのバンドの強みだなと思いました。

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