あけましておめでとうございます。
いよいよ、2024年が始まりました。
昨年について言えば、11月と12月の2回にわたって妊娠出産のコラボセミナーをしたことが一番印象に残る行事だったと思っています。
最初は、11月23日。
出張さんばステーション聖護院 海(まある)助産所をされている、助産師の宮川友美さんに来ていただきました。
やってくる新しい命を、あふれる愛情で受け止めてくれる、経験豊富な宮川さん。
お話は、妊娠の土台となる女性の月経周期から始まりました。
知っているようで、知らない。
とても大切なことなのに、あまり気にも留めず、外に向きがちな私たちの意識。
女性の体は、男性とは全く違うことを、パートナーに伝え、理解してもらうことの大切さ。
そんなことを教えていただきました。
そして、女性の体は、受胎と共にドラマチックに変わっていく母体となります。
出産はそのクライマックス!
自宅出産の動画を見せていただきましたが、涙が止まりませんでした。
昔、お産が家で行われていた頃は、母親になる人はみな、命を張って見せる、ドラマの主役だったんだ。
2回目は、12月23日。
今回は、宮川さんから、バトンをうけとって、「妊娠出産」の時に、ホメオパシーでは、どのようなお手伝いができるかというセミナーになりました。
女性とお母さん、子供たちの強い味方、人気ホメオパスの松本美紀さんと一緒に担当させていただきました。
妊娠すると、つわりが始まります。
時には、不正出血があって、びっくり。
妊娠すると、ほとんどの人は、貧血になります。
これで、あこがれの助産院出産をあきらめる人も多いのです。
早産。
逆子。
なかなか進まない陣痛。
出産後の回復促進。
産後の鬱。
授乳のトラブル。
これらについて、私はホメオパスとして個人的に経験した等身大のお話をさせていただきました。
そして、こういった場面にいつも登場する女性のための3つの大レメディについては、少しだけ、詳しくお伝えしました。
まずは、シミシフガCimicifuga racemosa.(Cimic)
アメリカ先住民が女性の特有の不調に使っていた薬草が原料です。
このレメディは、主に神経と子宮の筋肉に作用してくれます。
レメディの原料には、この植物の根を使いますが、その「根」の写真を見ていただくのがこのレメディの理解には、役立ちます。
もじゃもじゃな、黒いワイヤーのような姿をしています。
有名な精神症状があって、
MIND; DELUSIONS, imaginations; wires, is caught in 妄想:ワイヤーに捕まえられた。
赤ちゃんの世話にかかりきり、かわいいけれど、家に閉じ込められ、社会から切り離されて産後の鬱状態になっていく人にマッチするレメディです。
また、赤ちゃんは、流産や早産にならず、適正な時期にきちんとした陣痛が来て、適正体重で出てきてくれるのが理想ですが、なかなか順調にいかないのが現実。
大切なのは、適切な子宮の筋肉の、緊張と弛緩です。
順調な妊娠に必要なのは、子宮の筋肉が、赤ちゃんの成長に合わせて、全体は柔らかく膨らんでくれるけれど、入口はしっかり絞めておいてくれること。
そして、いざ、出産となると、入り口は柔らかく開いて、赤ちゃんが外に出ていくようにある部分は収縮してくれる。
Cimicは、子宮の筋肉の調和的な収縮に力を貸してくれるレメディです。
ですから、早産、流産、出産時だけでなく、鬱的状態まで、広くカバーしてくれるのです。
次は、セピアSepia officinalis(Sep)。
コウイカの墨を原料にする、女性のための代表的なレメディです。
皆さんは、コウイカが、スーパーの魚売り場に並べられている姿を見たら、まるで、子宮の形のそっくりなのに驚かれると思います。
料理をするなら、まず、足と内臓をごっそり引きずり抜かなければなりませんが、このレメディにマッチする人は、「押し下げられるような痛み」を持つのが特徴です。
イカは、敵に襲われそうになると、墨を吐いて身を守ります。墨には、敵の活動能力を低下させ脱力させる成分が含まれています。
また、イカは、身体能力が高く、すごいスピードで泳ぎ、海のハンターと言われています。
このレメディは、本来は、有能で、活発に活動できるのだけれど、疲れ果て、どんよりと無気力で無関心になってしまっている状態にマッチします。
外で生き生きと激しく活動していた女性が、妊娠出産、育児をしていく中で、徐々にどんよりと、鬱的になっていく姿と重なります。
家族を愛しているんだけれど、身動きのとれない現実に苦しみ、嫌悪感を持ってしまいます。
仕事で疲れていても、早く帰って休むよりも、ジムによって、身体を動かして発散したいタイプです。
最後にご紹介したのは、Pulsatilla (Puls.)プルサティラ。
レメディの女王といられるほどに、女性の多様な適応症状を持っています。
原料は、西洋翁草。全草が老人の白く柔らかい毛におおわれているところから名付けられました。
ヨーロッパの涼しい地方原産で、春一番、寒風の吹くところで元気に咲きます。
水はけのよいやせた土地に咲き、風を好みます。
風に吹かれるままに柔軟に花の向きを変えるので、ウインドフラワーとも呼ばれます。
地上では、背丈の低い可憐な姿をしていますが、根っこが発達しているので、丈夫で、水も栄養もさほど必要としません。
このレメディを体質的に必要とする人は、粗食好みで、喉が渇かず、案外丈夫です。
でも、子供なら、親の注意を引く程度の病気をよくします。
「ママ、お耳が痛いの。」「お腹が痛いの。」「お鼻が詰まって、苦しい。」
Pulsの特徴は、「変化」と「見捨てられたくない気持ち」です。
逆子のレメディとして有名です。
逆子は、第2子や第3子に多いような気がするのですが、お母さんは、上の子の世話に追われて、お腹がどんどん大きくなっていくのにあまり気が向かないことが良くあります。
そんな時、おなかの赤ちゃんは、「見捨てられたくない気持ち」が働いて、逆子になるケースに良く出会います。
Puls.200c.で、よくなったケースは何度も経験しています。
お腹の赤ちゃんに呼びかけること。
そして、身体を冷やさないこともとても大切なようです。
妊娠出産時のお助け三大レメディは、現物質情報から立ち上げて、少し詳しくお話をしました。
すると、女性性について、何だかよりわかる気がしました。
女性は、生理周期を持っている。
母であること、妻であること、娘であることは、家族からの期待が大きい。
その縛りは辛いなあ。
妊娠、出産、育児中はとりわけ、状況の変化が激しい。
そうでなくても、刻々と変化していくホルモンに身体だけでなく心も、ものすごい変化にさらされている。
男性からの、理解と、いたわりは、やはり、欲しいな。
そんな気持ちになりました。