とある日、洗濯物を干していた私の足元には

す~こが遊びっぱなしにしていたボールが

2個、転がっていた


私は何となく、イケル感があって、物干しに

邪魔なボールを追いやろうと、1個目を蹴った


堅い方のボールは重かったので、ボテボテと

転がって、壁の手前で鎮座した


(よしよし、中々やるじゃんか)


私は心の中でほくそ笑んだ


もう1個のボールも同じ様に蹴ると、こっちは

軽いゴムボールだったため、壁で跳ね返り

私の足もとに舞い戻って来たのだっ


「チッ」




ちょっといらついた私は、今度こそはと

ボールを加減して、蹴った!


・・・・・・・・・・つもりだった


一瞬にして、私の体は宙に浮き上がり

次の瞬間には、下から物干しざおを見上げ、青々と

晴れた空が視界に飛び込んで来た


何が起ったのか、分からなかった

でも確かに、私は地べたに仰向けに寝転んでいる

上半身を起こすと、履いていたサンダルは脱げて

遠くに吹っ飛んでいた


そう、ボールを蹴るつもりが、ボールに乗っかり

転がったのだ


・・・情けない・・・つい、口に出た


立ち上がろうとしたが、しこたま尻を打った様で

右側の尻がジンジンする

スラックスの上から触ってみると、どうやら破れては

いなかったので、青あざができるだろうなぁ~と

気分は落ち込んだ


ま、仕方無い・・・ボールは壁の方に転がっていたので

残りの洗濯物を干し、その後、友達と出掛けた

押さなければ、尻も傷まなかったし、座り加減で

全く忘れてしまう程度だったので、ちょっと安心した


そんな生易しい事を言っていられなくなる出来事が

迫っているとは、誰にもわからなかった


ランチの後、トイレに行ってそれは起った

用を足すのに、下着を下ろした時、耐えがたい激痛が

私の尻を襲った!余りの痛さに


「いぇぇぇーー

  ーーいっっあせる


と叫んだ

下ろした下着が裂け、血まみれだった


そう、転んだ時、私はレンガで尻を打ち、スラックスは

無事だったのに、パンツと尻が裂けたのだった


その時は打ち身だと思っていたので、気にする事も

無かったが、裂けた尻から出た血は固まり、下着と

傷口を密接に塞いでいたのに、勢いよく下ろした

下着から引っぺがされた傷が新たに裂け、血が出たのだった

振り返っても、傷口は見えない


割れ目に近い所らしく、恐る恐る手で触ると、傷口は

こんもり盛りあがり、手にはヌルッとした感触が流血を

物語っていた



すっとこどっこい一家


(画像自粛中)

ヒッ・・・


どうしよう・・・こんなに大きな絆創膏の持ち合わせはない

止血すると言うよりは、応急処置で、おりものシートを尻に

当てて、下着を上げて、テープがずれない様に尻を押さえた

よく考えて見れば、こんな時に限って、新しいお気に入りの

おパンティだったりして、私は更に落ち込んだ


それにしても、スラックスは何ともなかったのに、尻と

おパンティだけが裂けるなんて・・・不思議だ


自分が考えていた以上に、老化はヒタヒタと忍び寄っていた

ああ~、ガッカリ


この事件を友達に話したら、甚く心配してくれた

す~こに話したら、半ベソで、ガーゼを貼ってくれた


す~パパに話したら


「バッカで~い」


と笑われた・・・


この人と結婚したのは間違いだったかも・・・

と思ったのは言うまでもない


怪我をして、約2週間・・・かさぶたになり、痒くて痒くて

仕方無い尻をさすりながら、もう決して無理はするまいと

誓った