名目上
祖父母宅にある
仏壇へのお参りだ。
なぜ?と聞かれても理由はない。
あえて理由を探すなら、
行った方がいいような気がした
ということ以外ない。
私の父母の実家は
九州にある田舎だ。
空を遮るものがない。
360度、
どこを見渡しても
どこまでも空が続いている。
遠くの方に山も見える。
東京とは違って視界を遮るものがない。
視界が開けると、
心も開けた気分になった。
父方と母方の実家にある仏壇に
手を合わせた時、
全く同じ現象が起こったので
そのことを書いてみようと思う。
祖父母の家に着き、
親戚と久しぶりの再会に
話に花が咲く。
お茶を頂く前に
仏壇に挨拶をさせてもらう。
祖父母の家といっても、
祖父母はもう亡くなっていて
おじやおばに代が変わっている。
正座して仏壇を眺める。
かつて、
仏壇のこちら側で
私と一緒に手を合わせていた祖父母が
仏壇の中から私を見ている。
この位置関係に時の流れを感じる。
そして、
もう何度も見たことがある、
会ったことのない何代か前の方々の写真も
私を見下ろしている。
ここが私のルーツ
そう心で感じる。
遠くで
私のためにお茶を準備する音や、
他の親戚に連絡するように伝える声なんかが
聞こえてくる。
それを心地よく聞きながら、
私のルーツであるご先祖様に
心を合わせていく。
お線香を立て、お鈴を鳴らす。
そして
目を閉じて手を合わせる。
???
だれ?
ご先祖様だ。
おじいちゃん、おばあちゃんもいる。
みんな喜んでくれている。
よく来てくれた
ということと、
私の"働き"に喜んでいる。
あなたは家系のカルマを解消する
役割を持って生まれた…
とても根深く、
長い間続いてきたカルマの連鎖を
断つために生まれた…
あなたは
その役割を果たしてくれた…
どうもありがとう
その役割を果たすために
あなたが背負う必要のないものまで
あなたは背負わなければならなかった
そういう星の下に
生まれなければならなかったこと、
つらかっただろう…
ありがとう…
こういう言葉が聞こえた。
父方でも、母方でも、
どちらも、仏壇に手を合わせている時に。
私は幼少期から
父母のどちらとも関係性が悪かった。
(*私の家族のこと)
この言葉を聞いた時、
なるほど、
私があんなにつらい思いを
しなければならなかった理由は
こういうことだったんだ…
と理解した。
そして、
"あなたが背負う必要のないものまで
あなたは背負わなければならなかった"
というのは、
母亡き後、父・弟と分かり合えず、
家族と音信不通になっていることだと
理解した。
家族の歪みを私一人が背負い、
家族と離れる選択をせざるを
得なかったこと…
そうか…
私って、
家系のカルマを解消する係だったんだ…
って、
そんな役割があるんだ…
しかも、
どちらの家系のカルマも…
そりゃ大変だよね…
「お茶入ったから早くおいでー」
おばが呼んでいる。
「はーい」
と大きな声で返事をして、
私を見下ろす写真の顔を見上げた。
とにかく、
自分の役割が果たせてよかった。
おじやおば、いとこたちに
質問攻めにされながら、
カルマ解消は大変だったけど
もう終わったことだからいいかな、
と全てを水に流したくなった。
この世はロールプレイングゲーム
と、どこかで聞いたことがある。
父も母も、弟も、
そして私も、
ただそれぞれに
必要な役割を取っていただけ。
その役割の目的は全て記憶喪失のまま…
そんな風に考えたら、
全て許せるような気になった。
旅のもう一つの目的。
それは、
家族のカルマ浄化の、
最後の仕上げをするためだったのだ。
家系のカルマを解消する
星の下に生まれたことを
知るためだったのだ。
だから、
私は二つの仏壇に
手を合わせる必要があったようだ。
放浪するための言い訳のつもりが、
本当は導かれていた。
なんとなく
行った方がいいような気がした、
という自分の感覚は間違っていなかったと
いうことだ。