サイレント③ 墓前 | 月と太陽

月と太陽

2年前に衝撃的な出会いがありました。自分の内面が変容するにつれて、現実も大きく変わってきて…
自分自身の思考の整理のためと、そして私の話が誰かを励ましたり、ちょっとでも参考になることがあればと思い、ブログを始めてみます。

何が起こるか分からないけど
とりあえず母の墓に行くことにした。

私に必要な気づき?
お墓の前に立つだけで??

自分がどんなことに気づくのか予想もできないけど、とりあえず行ってみよう。



叔母に連絡して墓のあるお寺を教えてもらった。かなり古くからあるお寺のようで、駅から歩いて行けそうだ。
平日で仕事が休みの日。
その日は占い師さんの言っていた通り、
気持ちのいい五月晴れ。

天気で、「今日だな」と感じ、
朝から一人で出発した。



片道2時間半。
道中、久しぶりに自分の家族のことを
振り返っていた。

乗り越えてしまった今となると、
ものすごく遠い昔のことのように
感じられる。
すごく辛いことであったけど、
今はそれも私の大切な一部だと思う。

占い師さんにも、
そういう環境に生まれることも
自分で決めてきた、
と言われたし、
あまり人が味あわないような体験を
私はしなければいけなかったのだろう。

辛いことがあったから、
今がある。

そういうことを考えながら、
純粋に母との楽しかった思い出を
回想していた。



高校の時によく友達と遊んだ街で
途中下車し、花束を買う。
白い花束を受け取り、実家へと向かうローカル線に乗った。
昔の日常だった世界に身を置くと、普段思い出されないことが次々と思い出される。
電車の中では思い出さなくていいような、小さな嫌なことをたくさん思い出し、ここまで来てしまったことを後悔し始めた。

墓参りするなんていう行動に出た自分に、急に自信がなくなってしまった。
だからといって、引き返すこともできずに懐かしい風景を眺めて過ごし、いよいよお寺の最寄駅に到着した。





田舎故に、無人の駅。
ものすごく静かだ。
鳥のさえずりが冴え渡る。
私の心細さをよそに空がとても美しい。
白い雲がいくつか呑気に浮かんでいる。

お寺までの道を誰とも合うことなく、黙々と歩いた。



お寺にも誰もいない。
小さな山の麓に墓地があり、鬱蒼としてした林に囲まれている。
対照的に、墓地は太陽に明るく照らされて暑いくらいだった。



一つ一つ、お墓の名前を確認する。
なかなか見つからない。
心細い。


お母さん、どこ?

いつのまにか、自然に心の中で母を呼ぶ。

お母さん、来たよ。どこ?








あった。








墓前に立つ。




涙が止まらない。
我慢した訳でもないのに
葬儀では流れなかった涙が、
今、その時の分まで流れているようだ。

次から次に、
止まることなく流れる。




私、お母さんが死んじゃって
悲しかったんだ。
私、お母さんのことが
大好きだったんだ。

お母さん、ごめんね。
私なりに頑張ったんだけど、
うまくやれなかった。
分かり合えなかったことで
辛い気持ちになって、
酷いこと言って、ごめんね。



こんなことを繰り返し思いながら、
涙を出るままに任せていた。


よく来たね。
お母さんは大丈夫だよ。
辛かったね。
お母さんもごめんね。


母からのメッセージを受け取ると
さらに涙が止まらくなった。


私は家族のことを
嫌いだと思っていたけれど、

本当は最初から
家族を愛していて、
それはどの時も変わらず、
そして、
今も愛している

という気付きを得た。
父のことも、母のことも、弟のことも。
きっと、そうは見えなかったとしても、
本人たちが意識していなくても、
父も、母も、弟も、
私のことを愛している。


占い師さんが
「この世は全て、愛でできている」
と言っていた意味をここで理解した。

確かに私が育った環境は厳しかった。
辛かったことも事実。
そういう環境に生まれることを
私が選んだ理由は、
愛を知るため
だったんだ。



来た道を引き返して駅を目指す。

彼のことと私が抱える家族の問題が、
愛というテーマで繋がっている。
愛という感情にもいろいろと種類があると思っていたが、元は一つってことなのか…