近所のコンビニに、温水(ぬくみず)がいる。


以前、ミクシィの地域コミュニティの、とあるスレで
「駅のそばのコンビニに温水そっくりなおじさんがいる」
と書いてあり
「んな訳ねーだろ」と思っていたが
その店員さんを見て一発で彼が温水だと分かった。
っていうか、本人が働いているのかと思った。


会社帰りにコンビニに寄ると急行停車後ということもあって
コンビニはちょっと混雑していた。


温水と呼び捨てにしているが、実際この店員さんはとても礼儀正しい。
列に並び、奥のレジから「こちらのレジへどうぞ!」
と呼ばれていくと温水のレジだった。

温水は常に挙動不審であり、しゃべり続けていないと
沈黙に耐えられないタイプの人らしかった。

「大変お待たせしました」を数回早口でまくし立て、
私の買ったアイスとゼリーの値段を一つ一つ声だし確認し、
合計金額を読み上げる。


その間も店内のお客さんに向かって
「いらっしゃいませどうぞー!」との掛け声を忘れない。

ここまでほぼ、オドオドとしながらもよどみ無く進めていった。
所が、言われた金額をお財布から出そうとすると、

私のほうで手にしていたビニール袋と、iPhone のイヤホンがこんがらがってしまった。

私はそれを必死にほどこうとしていたが、
その沈黙が、どうにもこうにも温水には耐えられないらしかった。
モジモジソワソワとしながら、温水は私に向かって言った。


「大変お待たせしております」


っておい。
待たせているの、あたしだし。
それ、どちらかというと、あたしの台詞だし。

温水は、自分でもしまった!と思ったらしく、
私からお金を受け取ると、1006円お預かりいたします、
と言いながら必要以上に急いでお金をレジにしまい
「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!」と連呼した。

あまりに動揺が激しいので、私は楽しくなってしまい
先ほどの逆ギレも急におさまった。

温水に「ありがとうございます」とお礼を言いながら、
必死に笑いをこらえて荷物を受け取った。

でもほんと、あの人普段どういう生活してるんだろう。
顔は温水なのに動作が江頭2:50の彼の日常、ちょっと見てみたい気がした。