シリーズものです。初めての方はこちらからどうぞ~。
まだ続いていたんかい!と思われたそこのあなた。
あと数回の辛抱ですのでしばしお付き合いを![]()
非常にヒマな、
食べて寝るだけの入院生活を余儀なくされてたけど、
その間にお友達も出来たりもした。
最初は6人部屋ってどうなのかな?
変な人がいたらどうしよう、
とか色々考えたりしたけど
実際に入院してみると同室の方々はみんなとてもいい人ばかりで
すぐに仲良しになった。
6人のうち、4人が私と同じ約10日間程度の滞在者で
残りの二人は白内障などの眼科医系の手術のために入院していて、
手術当日のみの入院、次の日にはもう退院というパターンだった。
ある日の午後、みんなで集まった時に、
どうして入院をしているのか、という話題になった。
一番廊下に近いベッドのHさんは、
40代前半の女性で、小学生のお子さんが二人いた。
あまりカーテンから出てくることが無かったので
様子がよく分からなかったけど、
いつも消灯前になると看護師さんに睡眠導入剤をお願いしていた。
鎮痛剤ではないので、痛いというわけではないらしく
でもどうして眠れないのかな、
何か辛いのかなと思っていたけど
Hさんは網膜剥離で入院していたことが分かった。
網膜剥離の手術は、
術後にずっとうつ伏せにしなければいけないらしい。
一時的にうつ伏せになるのはいい。
でもこれを24時間やるとなると、相当にきついらしい。
しかも、寝ている間もうつ伏せをキープしなければならず
辛い上に気になってなかなか眠れないので
睡眠導入剤をもらっているんです~
と話してくれた。
Hさんは数日後、まだ視界がクリアではないけれど
退院できるまでに回復したということで、無事に退院していった。
ある時突然目に異変が起きて「手術!」と言われて
しばらくは目が良く見えない状況になったら
それってどんなに怖いことなんだろうと思う。
無事に回復して本当に良かった。
私と同じ窓側一番奥に入院していたのはF井さんだ。
F井さんは以前に脳腫瘍の摘出手術をしていて、
その際に頭蓋骨の一部を人工骨にしたんだそうだ。
所がその人工骨と自分の骨の相性があまり良くなくて
継ぎ目の辺りがグチュグチュと膿んできてしまったので、
今回の再手術ではその人工骨を取り外してしまったらしい。
つまり、頭蓋骨の一部がなくなっている状況。
え!脳がそのまま出てて大丈夫なの?!
と思ったけど、どうやら頭蓋骨が無くても、
その下にある何とか膜というものが脳を守ってくれているので、
よく絵で見るような、あのシワシワの脳が
直接見えている訳ではないそうだ。
しばらくして傷が落ち着いたら、
今度は自分のあばら骨を使って、脳をカバーするために蓋をするらしい。
それこそバーコードのようにかぶせるのだという。
「聞いてたらなんだか怖いわよね~
あばら骨でフタをするなんて。ふふふ」
なんてF井さんは言ってたけど、
聞いてて私は腰を抜かすかと思った。
なんか怖いとかいうレベルじゃありません。
次は私の左隣、F田さん。
おっとりした、とても優しそうな40代後半の女性。
社会人になったばかりの息子さんが夜お見舞いに来てくれると
「疲れているのに、わざわざどうもありがとうね~
お母さん嬉しいわ~。顔を見られて嬉しいわ~」
とお礼を言っているのが聞こえた。
F田さんの声はいつも、とても優しい。
F田さんは10年ほど前に胃がんの手術をしていて
今回は胃潰瘍が更にできてしまい
旦那さんとデパートで買い物をしていたら
突然大量に吐血して運ばれたらしい。
数日は一切何も食べられず、点滴で寝たままで
やっと起き上がってお粥が食べられるようになった所だった。
吐血って結構すごい状況じゃないかと思ったけど、
F田さんが気にしているのは
次の週の水曜日に行くことになっていたコンサートのことだった。
大好きなアーティストのコンサートで
なかなかチケットが取れなかったのに、
やっと取れて、ずっと前から楽しみにしていたらしかった。
吐血を心配するよりもコンサートのことが心配で、
来週の素曜日までになんとかならないかしら・・・
と何度も言っていた。
皆さんがそんな状況の所へ私と言えば、
頭を切ってピンポン玉サイズの腫瘍を摘出。
頭に空洞が出来たけど先生が
周囲の組織を引っ張って埋めておいたよ、
と言ってくれたし
若干悪性の可能性もあったけど、とりあえず元気。
当時は悪性なのかもしれないという恐怖もありましたが
こうやって周りの人たちと話していると
自分だけ風邪か何かで入院しているような、
そんな気がしていた。

