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手術後2時間くらい経つと、意識も大分はっきりしてきた。
酸素マスクがしばらくあてられていたけど、数時間後にはそれも取れた。
麻酔が切れると、傷口は猛烈に痛くなるのかなぁと思っていたけど
実際は点滴で痛み止めを入れてくれていたので、
そんなことはなかった。
ただ、完全に何も感じなくなるような麻酔ではないので
「我慢できない痛み」ではないというだけで、
右側の後頭部全体がズキズキする感じはずっとあった。
枕があるんだけど、傷にあたると痛いので
左側を向いて寝るか、
それで体が痛くなってきたときは上を向いて寝るんだけど
傷に何かが当たると痛いので、
枕を左半分だけ当てて寝るようにしなければならなかった。
これはこれで、結構不安定で難しい。
だからと言って枕を使わないと、ベッドにもろに後頭部全体がついてしまう。
そうなると、首に刺さっているドレーンも奥に突き刺さってしまいそうで
なんだか怖かった。
頭の左側だけに枕を当てている図。弟撮影。
事前にMIRに撮影した時は
腫瘍の大きさは2cmちょっとにみえたのに、
実際に摘出してみると、4cm以上もあった。
先生も、開けてみると予想していたものと違ったので、びっくりしたそうだ。
頭からピンポン球を取り出した感じになるので、
取った場所には空洞ができる。
腫瘍には、沢山血管が絡まっていたらしくて
腫瘍が摘出されるということはその血管も切られてしまう。
つまりどうなるかというと、その空洞に切れた血管から出血した血がたまる。
バスタブに水をためているようなイメージだ。
その血を外に出すために、うなじの辺りからドレーンを入れる。
これは細いチューブで、
刺さったところから、血の溜まっている空洞までつながっているらしい。
写真でピンクのポシェットをしているのは、
そのチューブの先にある、血をためるパックをこのポシェットにいれておくため。
このポシェットから上に伸びているチューブが
そのままうなじまでつながっている。
出血が止まる3日目くらいまではそのままこれをつけていた。
ドレーン自体は痛くないんだけど、
なんか首にそのまま刺されていると思うと気分的に痛かった。
その日だったか別の日だったかはっきり覚えてないけど、
取った腫瘍をビンに入れたものを、執刀医の先生が持って来てくれた。
「開けたらちょっと考えてたものと違ったんで、びくっりしたんだよね。
あれはやっぱり全身麻酔じゃないとダメだったと思う」
と先生がいったので、軽々しく部分麻酔の誘いに乗らなくて
本当に良かったと、心の底から思った。
手術の前は、何度か病院に行って事前の検査を検査をしたり、
どんな手術になるのか、という説明を受けたりした。
その時に担当してくれた、若い女医さんのP先生によると、
血や痛みは圧倒的に女性の方が強いという。
男性は、部分麻酔でも大丈夫というので手術をしてみても
だんだんと青ざめて、耐えられなくなると同時に
血圧が急降下してしまう人が、案外いるらしい。
この場合の耐えられないのは痛みではなく(麻酔は聞いているので)
見えてしまう血や音、圧迫感などの
手術をされている、という実感と雰囲気によるもので、
血圧が急激に低くなると、手術をそれ以上付ることが出来なくなるという。
切ってしまった後にそんなことが起こると、
それはそれで後処置が大変らしい。
そういう訳で、血が苦手だという意識がある場合は
最初から全身麻酔を選択した方が、
ご本人にとっても、医療従事者側にとっても良策、とのことだった。
取った腫瘍の話に戻すと、腫瘍は病理検査に出して
詳細を調べる必要がありますと言われた。
私も、自分の頭に何が突然出来たのか
その正体を知りたかったし、
そもそもの原因はなんだったのかも教えて欲しかった。
検査をする上で一番のポイントになるのが、
良性なのか悪性なのか、ということ。
先生も、思ったよりとても大きいし血管が沢山からんでいて
「これはあまりよろしくない」と感じたようで、
検査結果が出てるまで退院は待ってください、と言われた。
つまり、先生は私には明言しなかったものの、見た目で
「あまりよろしくないかも=悪性の可能性あり」
と思ったために、
良性であることを病理検査で確認しなければ
退院させるわけにはいかない、と言っているのであって、
これには少しばかりぎょっとした。

