次の日の朝7時。

昨日のゴールドピアスの先生がやって来た。


喉を見て熱を測り、血圧も測って聴診器を当てる。

呼吸音を随分丁寧に聞いていた。


「昨日、麻酔医の先生が来て、全身麻酔について説明していきましたか?」


先生は聴診器を当てながら聞いてきたので、

はい、と答える。



「ぬらりひょんみたいだったでしょ。笑」



あはは、昨日のあの先生、そういう扱い?(笑)

確かにそんな感じではあったけれども。


診察の結果、手術は行われることになった。


8時半に手術室へ行くことになっているので、

それまでに手術着に着替えたり

全身麻酔で手術を受ける人がはく、白くて長い靴下をチェックしてみたり

意味もなく数回お手洗いに行ってみたりした。


手術後は一日ずっと寝ていることになるので、

この靴下が血行が悪くなることを防いでくれるらしい。

足の付け根ギリギリまであるような、長ーい靴下で

足の指先ではなく、指の根元の辺りに穴があいている、という不思議な靴下。

足全体を圧迫するために、かなりキツめに出来ている。


近所に住む母親とお姉ちゃんにも、手術決行を知らせるメールをする。

手術中は外で待っててもらうだけだし、

終わってもきっと、麻酔が残って寝ているだろうし、

このために仕事のお休みを取ってもらうのは申し訳ないと思っていて、

最初は一人で大丈夫だろう、と誰も呼ばないつもりだった。


お姉ちゃんは、子供を二人育てながら働いているので

学校の行事や、子供達が風邪を引いた時のために

休みの日は少しでもセーブしておきたいんじゃないかと思う。


母親も状況は変わらない。

近所のおじいちゃんおばあちゃんの面倒を見ながら

決算の時期は真夜中になるまで働くような生活をしている。


二人とも本当に忙しいから、麻酔で寝ている人のために

貴重な有給を使わせてしまうのは、本当に申し訳ないと思っていた。


所が、全身麻酔をする場合は手術の深刻さに拘らず、

何かあった時のことを考えて、家族が必ず付き添わなければならないという。

事情を話すと、二人は嫌な顔一つせず付き添ってくれた。


当日までは、申し訳ないなぁ、本当は一人でも大丈夫だけど

病院がそう言うから仕方がないなぁ、と思っていたけど

手術当日は緊張していて、

手術が終わって出てきた時に家族がいたら心強いだろうな、と思った。


そういうわけで二人が来てくれた時はとても嬉しかった。

普段と変わらない様子で淡々としていて、


「その白い靴下、きつすぎてはいらないんじゃないの?(笑)」


と、私も薄々感づいている心配事を突いてきたりした。

家族にしかできない高度な技だなあと思った。

(実際に靴下は相当にきつかった)


多分、二人は騒ぎ立てると肝の小さい私が

一気に不安になってしまうことを分かっていたんだと思う。



↓きつい靴下を、必死にはく図
みんなで食べるとおいしいね


実際、この辺りでもまだ

自分が手術をするということがよく分かっていなかった。


多分「全身麻酔だから意識を失って何も感じないはず」

という安心感があったからだと思う。

本当に、昨日の部分麻酔の誘いをお断りしておいて、つくづくよかったと思った。



そしていよいよ、看護師さんが迎えに来た。

ついに手術室に向かう。











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