予想外に突然ボーディングチケットを手に入れた私。

この時は席が取れるとは全く予測していなかったので、すごく驚いた。


私のチケットが取れてから、鎮座ましましている職員さんに

Rちゃん一家とドーラの分も取れるか聞いたけど、

席が取れるのは1席だけで、みんなの分はリストに名前を乗せることしか出来ない、

と言われてしまった。


ドーラとRちゃんは、私に向かって「おめでとう!よかったね!」と笑顔で言ってくれたけど、

Rちゃん一家とドーラと一緒のフライトに乗りたかったという気持ちと

なんだか自分だけ席が取れてしまったことに対して罪悪感みたいな気持ちがあった。


特にRちゃんは、小さい子供もいるし、しかもお腹の大きい妊婦さんだった。

Rちゃん一人だったら私の席を譲ることもできたけど

家族3人分同時にとらなければいけなかったので、それもできなかった。


Rちゃんは、今日ダメだった場合は

ビジネスクラスでもいいので渡米しようと思っている、といっていた。

最初に聞いた時は、家族3人でビジネスクラスってすごいー!って思ったけど

今考えると、それだけ、体に負担もかかっていて大変だったのかなと思う。

あの状況は、本当に妊婦さんには辛かったんじゃないかと思う。


とりあえず、ドーラとRちゃん達とその場は解散した。

その時点でまだ朝の10時くらいで、私が搭乗口へ行くまで5時間以上あった。


まずは、家族に連絡。

今日のフライトで渡米できることになったというと、とても喜んでくれた。


何故か突然チェックインできてしまって、

その場でスーツケースとスキーも預けることになった私は、突然身軽になって、

上の食堂フロアにもスーツケースを放置することなく行けるようになった。

それまでは、チェックインもできずにずっと手元にあったこの荷物が

私の行動を著しく制限していた。



みんなで食べるとおいしいね


地震でちょっとした被害があったりして全部のお店は営業していなかったけど、

上のフロアに行くと、お寿司屋さんがオープンしていた。


そこに入って、お寿司を少し注文した。

入ってから気がついたけど、そこは猛烈に高かった。

門構えとかお店の雰囲気とか、全然高そうじゃなかったのに。



みんなで食べるとおいしいね


これで、トータル2500円。

完全に騙されたと思いました。


ウニに至っては、800円と書いてあって、

こ、これは・・・と思ったんだけど、でもここ2日ほとんど食費はかかっていないし

チケットが取れた一人祝いに、そのくらいの贅沢は今日は許そう!

それに800円のウニっていうからには、

溢れんばかりの山盛りみたいなのが出てくるに違いない!

とワクワクして待っていたら、出てきたのは実に普通のウニだった。


おごえー!なんとなんとー!

とか最近読んだ沖縄の本で出てきた単語を思い出しながら

独り言を言い、でも久しぶりのまともな食事に涙が出るほど嬉しくて

写真を撮って、とりあえず家族に送りつける。


それこそ送られた方も困るお寿司の報告だけど

母親からは良かったね、と返事が来た。母さんありがと。。。


お値段のせいで控えめな数のお寿司を食し、

それでもやっぱり幸せな気分でお店を後にした。

その後飲み物を買ってどこかでPCとiPhoneを充電しようかなと考えていた。


階段を下りると、オセアニアのRちゃんご一家がいて、

こっちへおいで!という手招きをしていた。

どうしたのかな?と思って向かうと、そこにはどこかで手に入れた食料が沢山あった。

そして、一緒にどうぞ、という。なんて優しいのー!!!



みんなで食べるとおいしいね


Rちゃん達がくれたのが、こちらの牛丼!

わざわざ私の分まで買ってくれてたなんて!


いや、もしかしたら身長190cmくらいの旦那さんは沢山食べるから

2つ食べようと思って余分に買っていたのかもしれない。

それを私が奪ってしまったのかも知れないけど、でもすごく嬉しかった。


お寿司を食べたばかりだったけど物足りなかったし

この、ご飯と玉ねぎと牛肉の組み合わせを口にした途端に

ああ、私は本当に日本人で良かった、と思った。


色々と時間を過ごしているうちに、あっという間に15時前になった。

そろそろセキュリティゲートを通って中に行かなければいけない。


Rちゃん達と、ドーラは大丈夫なんだろうか。。。

これから誰が乗れるかの発表があるんだろうか。

今日は席は余っているんだろうか。私は彼らに、また会えるんだろうか。

もしも今日も乗れなかったら、彼らはどうするんだろうか。

色んなことを考えていた。


大丈夫、きっと彼らも乗れる、絶対に乗れると自分に言い聞かせていたけど

でも心の奥ではすごく不安で、

自分だけが搭乗口に向かうことに、すごく罪悪感を感じていた。


Rちゃん達に挨拶をして一緒に写真をとって、それからドーラを探した。

ドーラに、中で待ってるからね、待ってるからね、と言ってハグをしたけど

罪悪感と、お別れしなければならない状況で、私の顔は泣きそうだった。


ドーラはそれを見て、「私は大丈夫だから!悲しい顔しないで!」と

大きな笑顔でハグし返してくれた。

私よりも10cmも小さな身長のドーラは、一生懸命背伸びに近い格好で

私にハグをして、背中をポンポンと叩いていた。


こうして私はドーラとRちゃん一家に別れを告げて、セキュリティゲートへ向かった。

きょう子さん、ジョアンナ、ディミトリス、Rちゃんご一家、ドーラ、台湾人のスタンレー。

仲良くなった人みんなにさよならを言って、一人ぼっちになった。


フライトに乗れることは嬉しかった。

待ちに待った旅行。

これでまた今日も成田で寝なくて済むと分かって嬉しかった。

でも同時に、妊婦のRちゃんのこととか、

異国でたった一人3日間も足止めされているドーラのこととかが

気になって仕方なかった。