バスに避難して、2,3時間たったころだと思う。


バスの中にいてもずっとグラグラと余震で動いて怖かったものの、
やっと周囲のバスが動き出した。


仕方のないことだけど、一体空港がどうなっているのかとか
今日のフライトがどうなるのかという情報は一切私たちには入ってこなくて
一体今日飛べるのかどうか、私はそればかりを気にしていた。

情報が少なくて、地震被害の深刻さが全く良く分かっていなかった。


もしかしたら空港での安全確認が取れて、
フライトが元通りになったのかもしれないと少し明るい気持ちになった。 


そしてその頃にはお腹も空いてきていた。
繰り返すけれども、常にギリギリ人生を生きているので
11時半初の高速バスに乗るのに、朝食をとる時間などない。

前回は直前にコンビニでおにぎりとお茶を買うという快挙を成し遂げたものの
今回は全く持って時間に余裕がなかった。


まあ成田までの1時間半なんてすぐだし、
空港についてチェックインしてからゆっくりとランチでもしよう、
そう思っていた矢先の地震だったので朝から何も食べていない状況だった。

地震が起きてからの数時間は、避難している最中も含めて
気持ちが興奮していたので、お腹も空かないし、気が付くこともなかった。

でも、さすがに夜の7時ぐらいになると、何か食べたり飲んだりしたかった。
ああ、美味しいホットチョコレートが飲みたい、と真剣に思った。

どこで手に入れたのかわからないけど、お茶を数本抱えて戻ってくる人が見えた。
そしてなぜか、カップラーメンを二つくらい持ってる人がいて
それは明らかにお湯を入れて3分たつのを待っていますという雰囲気で
かなり私の食欲を刺激した。カップラーメンに釘付けになった。



ちなみに、私たちが避難したバスは立川観光というバスだったように思う。
(正式名所ははっきりとは覚えていない)
避難し始めた時から、バスの運転手である、うち○さんという方は
本当によく私たちのことを気遣ってくれた。


たぶんまだ30代前半の若い方だったとおもう。
ご自身も状況がつかめないし、予定外のことにとても疲れているだろうに

「何か困ったことはありませんか、寒い方はいらっしゃいませんか」

と私たちを気遣い続けた。


空港の職員でもなければ、彼自身も状況がわからないという時に

非常にプロフェッショナルな対応で、すごいなぁと感心した。


あの場では何もかもが不安で、一体どうなってしまうのかと思っていたし

誰かがそうやってリーダーシップを取ってくれていることが

すごく安心感をもたらしてくれて、ありがたかった。



バスの中からもネットにつながる状況だったので、
ヤフーのニュースを確認したり、メールで家族と連絡をしたりしていた。
きょう子さんと、二人で励ましあいながら待っていた。


外は雨も降りだしていた。日が陰るのと同時に、気温もかなり下がっていた。

一時的にではあるけれどこうしてバスの中で避難させてもらい、
暖が取れてお手洗いも確保できていることがとても有難かった。

同じバスの前の方には、旅行会社の方々も数人座っていて
忙しく電話をしているのが聞こえた。情報が錯綜しているようだった。

これから空港に向かいます、と、う○のさんからアナウンスが入ったのは
たぶん午後8時過ぎだったように思う。

バスはゆっくりと動き出した。