*ネタバレ含みますので、「秘密」の本の結末を知りたくない方は
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さて。
必死に必死に秘密を読み進め、
何とか新宿到着3秒前に読み終えることが出来た。
ここで問題がひとつ。泣けない。全然泣けない。
それより若干、後味さえ悪い!!!
ストーリーは、主人公平介の妻と娘が事故にあうことから始まる。
妻は亡くなり、娘も意識不明の状態が続く。
しかしやっと目覚めた娘は、娘の形をした妻だった。
つまり、娘の体に妻の意識が宿っていた。
調べてみると、世界にはそんな前例があるという。
しかも、数年後に娘の意識がまた戻ってくるという前例が。
平介と妻は相談し、妻は娘としてそのまま生きることを決意する。
何年か経って娘が戻ってくることがあっても、
その時に、何も娘が困ることのないように。
最初こそ、小学校6年生だった娘の生活には戸惑いも多かったが、徐々に慣れていく。
その後中学受験や高校受験を終え、順調に娘として生きていく妻だったが、
学校の生活に慣れるにつれ、妻としてではなく娘としての世界を広げていく。
しかしその一方で、妻と夫との間には徐々に見えない壁ができていく。
世間では父と娘として生きている二人。
家庭においても、夫と妻ではなく、夫と娘という関係に傾きつつあった。
部活動で帰りが遅くなる妻。
部活の先輩の男の子からは毎晩のように電話もある。
好きな人が出来たのではないかと心配する平介。
ついには妻の電話を毎晩盗聴し始める平介。
先輩は、クリスマスにあって欲しいと何度も妻にお願いをするが
妻は、「母」をなくして私が家のことをしなくてはならないから、
あまり外出は出来ないといい、断る。
来ても来なくてもいい。とにかく自分はずっと待っているから、
とだけ言い残して、先輩は電話を切る。
妻が離れていくことに焦りを感じる平介は
「なあ、クリスマスは久しぶりに美味しいものでも食べに行こう」と、
同じ日の同じ時間帯に、わざと妻を誘う。
ところが妻は、
「友達が、買い物に付き合って欲しいといっているから
2時間だけ出かけてくる」と出かけてしまう。
そんなこんなで話は進み、妻は大学受験を控えていた。
その頃には、一日に数時間、娘の意識が戻るようになる。
妻と娘、平介の3人の奇妙な同居生活が始まり、
妻が娘の意識が体に宿っている時間は、徐々に短くなり始める。
つまり、そう遠くはない妻との永遠の別れを意味していた。
そしてついに、妻が「今日がその日だ」と告げる。
今日を最後に二度と自分の意識は戻ることはないだろう、と。
二人は初めてデートをした山下公園に行き、お互いに永遠の別れを告げる。
妻は永遠の別れの言葉を口にして意識を失う。
気がついたときには娘の意識だけが残されていた。
妻が娘の体に戻ってくることは二度とない。
物語の最後は、娘の結婚式で終わる。
ところが最後に平介はある秘密を知ってしまう。
娘は、クマのぬいぐるみの中に隠していた、
妻の隠したはずの結婚指輪の場所を知っていた。
その指輪を自分の結婚式で使おうとしていた。
妻だけしか知らないはずの指輪。
娘は知るはずのない、指輪の隠してある場所。
つまり、妻は嘘をついていた。娘は戻ってきていない。
娘の体にはまだ、妻の意識が宿っている。
妻は嘘をついて娘として生きている。
平介と自分の間に出来た微妙な溝は
自分が娘の形をしている以上、埋めることは出来ない。
自分が娘の体を持つ以上、
以前のように夫婦として幸せに暮らしていくことは出来ないだろう。
自分は娘だと夫に伝え、夫には夫の人生を歩んでもらおう。
私のことは忘れて、幸せになってほしい。
なぜなら自分は本当に夫を愛しているから。
誰よりも、夫のことを愛しているから。
そして場面は私とO君がお酒を酌み交わしている居酒屋に戻る。
O君は私に聞く。
女性としての、妻の決断についての意見を聞かせて欲しい。
O君が思い出し泣きまでしてしまった、この夫婦の結末について
女性の立場からの解説をして欲しい、と。
んー、あたしの意見、、、??
あのさ、これ、そんな美しい物語じゃないとおもうよ。
これって単に妻が、他の若い男の人と結婚したくなって
うまいこと旦那をだまして去って行ったっていう、そういう物語なんじゃないの?
そう伝えたらO君、ぴたりと動きが止まり、真顔になりました。
O君は言う。 え?そうなの?
直子(妻)は平介を愛していたからこそ、
泣く泣く娘として生きていく決断をしたんじゃないの?
私は答える。
だってそんなに愛してるんだったら、普通にずっと一緒に暮らせばよくない?
なんで他の人と結婚する必要あるの・・・?
これが、夫に好きな人が出来たから自分は去るとか、そういうんだったらわかるけど、
年とった夫は一人残されて自分は若い旦那つかまえてるんだよ。
普通に非道な話だよね。してやったりだよね。
O君は言う。
え、え、え、だってじゃああの山下公園の永遠の別れのシーンは?
二人であんなに辛い思いをして別れたあのシーンは?
私は再び答える。
ああ、あれは何ヶ月も前から娘の意識が少しずつ戻るとか、
妻が一人二役を演じ続けて、最後に締めとして茶番を繰り広げ
完全に夫をだましてやっと身軽になったっていう
そういう、直子にとっては仕上げの一幕だったってことだよ。
え!だって先輩にクリスマスに誘われた時だって
平助のことを考えて、2時間だけとかにしてたのは?
あれは平介のことが好きだから、
少ない時間で必死に平介の所に戻ってきたんでしょ?
いやいやいやいや。
あなた、お人好しすぎます。
だって平介のことが好きですごく大切なら、
最初から先輩の誘いなんて一蹴すればいいわけでしょ?
あれは、先輩と過ごしたくて仕方がないのに、平介が邪魔だったんだよ。
やっと平介をだまして2時間だけ会えるかと思いきや、
電話を盗聴していた平介がわざわざ
先輩との待ち合わせ場所に現れるなんて、ちょっとありえませんな。
うざいでしょ。うざすぎるでしょー!
えええええ!!
でも最後の結婚式のシーンで、平介との結婚指輪を使うっていうのは
やっぱり平介のことを愛していたからじゃ・・・
いやいやいやいやいや
平介のこと愛してるなら、他の人と結婚しないって。
平介との結婚指輪を使ったのは、そうだね、費用節約か、
または最後の罪悪感ってとこじゃないの?
こんな会話がされたあと、O君はとても悲しい顔をして帰っていきました。
私は自分の心は完全に腐ってるな、と思いました。
ごめんね、せっかくの感動の涙を踏みにじってしまって。
でもね、Oくん。
女性ってのはね、そんなに純粋な生き物じゃないよ。
あれは、妻直子がいかに夫をだまして去っていったかの
悲しい悲しい物語なのよ・・・目を覚ましてちょうだい!