夏になると、本が読みたくなる。

普段もわりと読むんだけど、夏は特に読みたくなる。

暑さに弱い私は、本屋さんを見かけると
その涼しげな雰囲気にやられて、迷わず本屋に入店する。

夏になると本屋入店率が急激な上昇を見せ、
必然的に、夏の読書フェアによる文庫を購入してしまう。

今年などは、どれだけ足しげく本屋に通ったか分からない。
暑い夏はビール会社の売り上げが伸びるが、
きっと本の売り上げも相当なものだろうと思う。

本というのは結構、お値段が張る。
まともに買うと平気で驚くような額が飛んでいく。
先日偶然手に取ったトルコの人作家によるノーベル文学賞受賞作品は、
立ち読みにも拘らず思いっきり引き込まれてしまった。

飲み物を用意して、家のソファーに沈みながら読んだら
どれだけ楽しいだろう・・・と思って気分が高鳴ったが
お値段3700円と知って、迷いなく本棚に戻した。


それでは古本を買えばいいと思うが、昔から母が
「知らない人がトイレで読んでるに違いないから、やめなさい」と繰り返し言われており、
そうなると何だか本当に美しくない気がしてきて、
余程「面白いか分からないけど試しに買ってみる」
という本以外は、なるべく新しいものを買うことになってしまう。
よって、ほとんどの本は、安くて小さい文庫になるまで待つ。


夏休みには、いつも読書感想文という宿題があり

何故か数冊本を読むことを義務付けられていた。
しかも、決まってつまらない本ばかりだった。

当時は嫌だったけど、毎年出ていたそういう宿題も、
夏は本を読むという習慣を作り上げる一因だったかも知れない。

高校生くらいになると悪知恵が働いて、

読むのが面倒すぎるので、ビデオで見て感想を書いたりした。
「黒い雨」という本で、実に暗い映画だった。

とはいえ、いつから本が好きになったのだろうと考えてみると
一番の理由は通っていた小学校の目の前に図書館があったことだ。

門を出た、すぐ目の前に図書館があった。
そこには子供用から大人用までの、

ありとあらゆる本が置いてあって、別世界が広がっていた。

世界の子供達、という写真付の本は

各国の同年代の子供達の日常生活が紹介されていて
特に繰り返し読んだ覚えがある。

私の一番のお気に入りはスウェーデンの本で、

イザベルという女の子の日常が紹介されていた。
今でもいくつかの写真を鮮明に覚えている。

図書館の裏には森が広がっていて裏側に面した窓のそばの席に座ると、
ちょうど薄暗い森を見ることが出来た。

本を読みながら、たまに見上げるその森は

どこか全く知らない場所とつながっているような気がして
ヨーロッパの魔法学校の物語を読む時などは、

空想しているというよりは妄想に近く、完全に別世界へと旅立っていたように思う。 

(確か魔女のグウェンドリン、という本だった)

そういえば、図書館では冷たい水が飲めるので、

それだけの目的のためにも入ってみたりしていた。

今考えると、夏になると本が読みたくなるというのは、

この頃から刷り込まれてきた習慣なのかもしれない。