大学時代の友人K君とお酒を飲んだ。
K君とは、同じ英語のクラスをとっていたことがきっかけで友達になった。
彼は高校を卒業してから進学せず、家族を助けるために就職した。
そこで働きながらコツコツと受験勉強をして、数年後に自力で大学に合格した。
めいっぱい大学生活を4年間楽しんで、沢山のことを学んで、この3月に大学を卒業した。
大手の金融機関から内定をもらって、4月から働き始めている。
新入社員として、K君は一所懸命頑張っているみたいだった。
大学の頃とは違う出会いが、沢山あったこと。
沢山の新聞を読んで重要と思われる記事を見つけて
それを必要な人達に配るのが、新人としての彼の毎朝の仕事であること。
記事にはコメントを一言追加しなければならないけれど、
上司や先輩が読むので、とても緊張しながらそのコメントを毎日書いていること。
ずっとかかわりたかった業界で実際に働き始めて、
外からは見えなかった発見が沢山あったこと。
分からないことも沢山あって大変だけど、上司が自分を信頼してくれて嬉しいこと。
自分は日本一幸せな新入社員だと思って、毎日感謝しながら働いていること。
今の毎日が嬉しくて仕方ないこと。
金融恐慌で本当にどこも人を採用しない時期での就職活動だったけど、
事情があって人より何年も遅れて大学を卒業した彼が
たった3名の内定枠を見事に勝ち取ったのは
こうして与えられた環境に感謝しながら、毎日笑顔で働くような人だって言うことを
人生の先輩たちがすぐに見抜いたからなのかもしれない。
希望を抱いて頑張っている彼の話を聞きながら飲むお酒が美味しくて
「こうして話をしながら飲むお酒は、本当に美味しいね。
お酒は人生を豊かにしてくれるなぁ」といったら、彼はこういった。
「違うよ。お酒が人生を豊かにしてくれるんじゃなくて、
お酒は人生が豊かであることを思い出させてくれるんだ」
そうだよね。
私たちに与えられている人生は、十分に豊かなんだ。
K君、思い出させてくれてどうもありがとう。