医療情報が容易に入手できる時代、ここに書き留めることもないのですが、
検査入院、膵頭部手術,病理検査結果等を通じて自らが重要と思ったことをまとめてみました。
IPMN膵管内乳頭粘液性腫瘍について
(1) 良性の段階(過形成や腺種)から、悪性の段階(膵がん)まで様々な段階があり、良性から悪性へと徐々に変化していく。特に「主膵管型IPMN」は分枝型IPMNと異なりがん化の頻度が高く、注意が必要、特に主膵管の太さが10mm以上は手術が勧められる。
(2) 悪性化していても膵管内にとどまるうちはよいが、ひとたび膵管外に「浸潤」すると、通常の膵がんと同様に悪性度の高い癌となる
=膵管内乳頭腫瘍由来の浸潤がんといわれる。
(3) 良性の段階のIPMNを=膵管内乳頭粘液性腺腫(IPMA)
癌化したIPMN=膵管内乳頭粘液性腺癌(IPMC)→非浸潤性、微少浸潤性、浸潤性にタイプ分けされる。
(4) IPMNの発生は一か所だけでなく、膵臓の複数箇所に発生することがある
(5) 通常の膵臓がん(浸潤性膵管癌)より進行が遅く初期の発見が可能で、
予後がよい。
(6) IPMNの治療法:IPMNの進行を食い止めるような特効薬はなく、
手術が唯一の治療となる。
手術の最も良いタイミングは、ちょうどがんになり始めたとき、
ということになる。
がんになっても膵管の外にしみでるまでに手術すればよいので、多少の時間的余裕がある。
膵臓がん全般
(7) 転移しやすい
がんの転移にはリンパ節転移、血行性転移、腹膜転移等がある。
☆膵臓がんの多くは「膵管」に発生するが、その膵管はリンパ管や血管
とつながっているため、
リンパ節転移 (がん細胞が発生した部位からリンパの流れにのってリンパ節に
たどりつきそこで増殖する)、
血行性転移(血液の流れにのって、他の臓器へたどり着き、そこで増殖する)
が起こりやすい。
膵臓のすぐ裏に大事な血管である門脈(上腸間膜静脈)と動脈が通っており、
その部位近くにがんができると成長につれすぐに血管と接しさらには絡みつく
ようになる。
☆膵臓は厚み2cmの薄い臓器のため,がんが増殖すると臓器外へ出て、
腹腔内に癌細胞が散らばりやすいので、腹膜転移 が起こりやすい。
退院後最初の受診時に、摘出した腫瘍はがん化しており(IPMC)、膵管外に浸潤を始めた状態であったことが判ったので、病理診断の最終報告を受けるまで不安な日々を過ごしていた。